HOME記事イベント2024 FIM MotoGP™ 世界選手権シリーズ 第16戦 MOTUL 日本グランプリ レポート【2024 ロードレースプレイバック②】

2024 FIM MotoGP™ 世界選手権シリーズ 第16戦 MOTUL 日本グランプリ レポート【2024 ロードレースプレイバック②】

2024.12.30

金曜日、プラクティス

 この日の天候は一日中常に小雨が混じる曇天模様で湿度は高いが路面はウェットまではいかないという微妙なコンディションでタイヤも全員ドライを選んでの走行となった。

それぞれのクラスで午前と午後に分けて二回のセッションが行われたが難しいコンディションの中、誰もが慎重に走行をしていたようだ。翌日の予選は下位タイムのQ1と上位タイムのQ2に分かれていて、プラクティスの上位10名がダイレクトにQ2に進めることになるのだが、Moto3クラスは山中が4位、鈴木が5位という好位置で初日を終えた。Moto2クラスは小椋が4位、佐々木が23位という結果に。佐々木は今季からMoto2クラスにステップアップしてきたのだが、序盤2戦を腕の手術や転倒で欠場するなど思うようなシーズンを過ごせていないようだ。MotoGPクラスは微妙な雨量の変化のせいか、バスティアニーニ、ザルコ、ミラー、フェルナンデスらの転倒があり、ヤマハのクワルタラロはセッション終了後なんらかのトラブルで3コーナーでマシンを止めるシーンもあった。順位は濡れた路面に強いブラッド・ビンダーがトップで2位にはマルク・マルケス3位にホルヘ・マルティンが続き、ホンダの中上は12位という結果だった。


土曜日、予選

 午後にスプリントレースがあるため、予選はMotoGPクラスから始まる。天候は相変わらずの小雨交じりではあるがトラックはドライ。ヤマハとホンダのライダー4人はQ1からのスタートとなったが、ヤマハのクワルタラロのみがQ1を突破した。Q1ではルーキーのペドロ・アコスタがもてぎのラップレコードを更新するタイムでポールを獲得した。マルク・マルケスもそれを上回るタイムを叩き出したのだが4コーナーでわずかにコースをはみ出しトラックリミットでタイムが抹消、幻のポールポジションとなってしまった。チャンピオンを争うバニャイアは2位、マルティンはクラッシュを喫し11位と明暗が分かれる結果となった。

 Moto3クラスのポールはKTMのイヴァン・オルトラ、このレースにタイトルがかかるダビド・アロンソは3位、日本人の最上位は5位の山中という結果だった。

 Moto2クラスの予選はドライながら雨が混じるという難しいコンディションの中行われた。まだ雨量が少なめだった前半にアタックを決めたジェイク・ディクソンがポールを獲得、小椋は9位で佐々木は24位からのスタートとなった。


土曜日、スプリント

 決勝レースの半分の12ラップで争われるスプリントレースがスタート。3位からスタートしたビニャーレスがスタートで11位まで順位を落とす中、11位スタートのマルティンが5位までポジションアップ。序盤から中盤にかけてはポールスタートのアコスタがレースをリード、3周目にビンダーが、5週目には中頭がチームメイトのざること接触して転倒してしまう。そして9周目には残り4周を残してトップを走るアコスタも転倒、掴みかけた初優勝を逃してしまうことに。レースはバニャイアが優勝、2位はバスティアニーニが、3位は9位から追い上げたマルク・マルケスが入りドゥカティ勢が表彰台を独占する結果となった。


日曜日、決勝

 このレースの結果次第で年間チャンピオンが決まるMoto3クラス、ポイントリーダーのアロンソは3位からのスタートだ。一時は7位まで順位を落とすが、中盤から後半にかけた追い上げで順位を上げ残り4周の時点でトップを奪う。レースはそのままアロンソがトップを守り切り2024年のチャンピオンを優勝という最高の結果でで獲得。日本人の最上位は6位の山中、鈴木が7位、古里が9位でポイントを獲得し、若松は20位という結果だった。

 次はMoto2クラスのスタート。9位からスタートした小椋は2コーナを抜けた時点で2位までジャンプアップしたのだが、1周目のS字を抜けるあたりで雨脚が急に強くなり、赤旗が提示されレースがストップされることに。濡れたトラックで再開されたレースでほとんどのライダーがレインタイヤを選択する中、小椋はスリックタイヤでスタートする、ギャンブルとも取れるタイヤ選択だったが一時的に14位まで順位を落とすもののほとんど雨が降り止んだ天候の中2周目までのオーバーテイクショーで3周目のコントロールラインではトップに立ち残り9周そのまま後続を引き離して行くかに思えたのだが、ここで思わぬ伏兵が現れる。なんともう1人スリックタイヤのライダーがいたのだ。一時は23位を走行していたマニュエル・ゴンザレスがどんどん順位を上げ4周目には小椋に追いつき9周目にはトップに立つ。優勝未経験のゴンザレスとポイントリーダーの小椋の争いとなったが、小椋は無理をせず2位キープを選択したようだ。レース後のコメントで嬉しさと悔しさが半々、と語っていたが確実にチャンピオンを引き寄せた上々の結果だったのではないだろうか。

 そしてメインのMotoGPクラス、ホールショットはポールスタートのアコスタが決めたが2コーナーでバニャイアがトップに3位にはビンダーが続きダウンヒルストレートを抜ける頃には11位スタートのマルティンが4位までポジションを上げる。そして1周目終了間際ビクトリーコーナーでホンダのミルにアレックス・マルケスが追突する形でクラッシュ、ビクトリーコーナー内側で見ていたので目の前にマシンが飛んできて驚いた。波乱が続く序盤2周目にはアコスタがバニャイアを追う中ビクトリーコーナーでまさかのスリップダウン、昨日と同様にポールスタートを結果に結びつけることが出来なかった。現在ポイントリーダーのマルティンは3周目には2位までポジションアップ、バニャイアを追って1秒以内の差でトップを争う形になり気がつけば3位にはマルク・マルケスが表彰台圏内まで上がってきていた。レースは残り15周のところで若干雨脚が強くなり雨を知らせるレッドクロスとマシンの乗り換えが可能なホワイトフラッグが提示されるが、誰も乗り換えを選択するライダーは無くそのまま周回が続けられた。結果優勝はバニャイア、2位にはマルティン、3位はマルク・マルケスと表彰台はスプリント同様ドゥカティ勢の独占で終わった。中上は21位スタートから順位を上げ13位でフィニッシュ、最後の日本グランプリでポイントを獲得して見せた。

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