筆塗りで1/48「零戦五二型」を味わい深く仕上げる。ボールペンを使ったウェザリング方法も必見【ファインモールド】
2025.01.14
零式艦上戦闘機五二型(三菱製・中期型)【ファインモールド 1/48】 月刊ホビージャパン2025年2月号(12月24日発売)
●機体色の緑の塗装
薄い塗料でどんどん塗り進める
▲まずは濃緑色(1)から塗装。塗料は下地が透けるくらい薄い状態のものを塗る。このひと塗り目で慌てて発色させようとしないこと。薄い塗料の膜を全体に作るように、一気に他の部分も塗り進めていこう
しっかりと乾かそう
▲ひと塗り目が終わった状態。下地の黒がしっかりと透けている。また進行方向を意識した前から後ろへという筆跡に統一されている
胴体部分の筆跡
▲胴体の筆跡は上から下という重力方向を意識して塗っている。こうすることで胴体の丸みも強調される
2度塗り目から一気に発色!
▲完全に乾かしたら、再度濃緑色(1)を重ね塗り。すると一気に濃い緑色が発色する。ひと塗り目に塗った薄い塗料が、発色を助けてくれるのだ。3度塗りくらいしたら、次の色に移ろう
濃緑色(2)でタッチを加える
▲次に近似色の濃緑色(2)でタッチを加えていく。これによってさまざまな緑色が塗面に現れ、色の情報量が増し立体感も出てくる
ロシアングリーンで明るい緑を足す
▲明るめのロシアングリーンをパネルの中央や、ダメージ感が出そうな部分に塗って色変化をつける。薄い塗料で塗って、下の濃緑色が透けるくらいが良い。塗り潰してしまうとロシアングリーンの零戦が誕生するのでご注意
緑の塗装が完成!
▲3色の緑を塗り終えた。単色で塗るよりも単調にならず、塗面に色気がある。ロシアングリーンの明るさが強い箇所も、最後に塗るウォッシングの過程で落ちつく。そのバランスを見越して明るめにしている
●下面の塗装
薄い塗料で全体を塗り上げる
▲上面同様、薄い塗料で全体を塗ってしまう。まずはRLM75グレーバイオレットを塗装。下面はひっくり返さない限りほとんど見えないので、裏面を主張したい趣旨がない限りある程度気楽に塗ってOK
ムラが多くても気にしない
▲RLM75グレーバイオレットをしっかりと乾かす。全体にムラがあっても、全く問題ない。むしろ上面と下面でコントラストがついて、抑揚ある模型に仕上がる
明灰白色(1)を塗装
▲次は下面のメインカラーとなる明灰白色(1)を塗装する。グレー系の色は発色しやすいので、下地を隠蔽しすぎないように注意しよう
グランプリホワイトでメリハリをつける
▲最後にグランプリホワイトで、少々派手目にタッチをつけていく。やりすぎたら、明灰白色(1)で調子を整えていこう
スミ入れ兼ウォッシング
▲機体色を塗り終わったら、Mr.ウェザリングカラー グランドブラウンでスミ入れ&ウォッシングをしていく
パネルラインをなぞるように
▲全体に塗り広げるのではなく、パネルラインに沿って描くようにスミ入れしていく
綿棒を上から下方向に動かして拭き取る
▲グランドブラウンが半乾きくらいの状態で、綿棒で拭き取る。進行方向を意識して、上から下方向に拭き取ろう。汚れのボケ感を強くしたい場合は乾いた綿棒で拭き取り、きれいに拭き取りたい時は専用のウェザリングカラーうすめ液を含ませた綿棒で拭き取るようにすると良い
えぬせ
ガンプラからスケールモデルまでなんでも楽しむマルチモデラー。エアブラシのカラーモジュレーション塗装も得意で、エアブラシ塗装と筆塗りを併用してさまざまな模型を塗り上げている。