エピソード1「呪いの森」でのザクIIとガンダムEXの遭遇戦をディオラマ化!山田卓司のお手軽ディオラマ構成術も解説【復讐のレクイエム】
2025.01.05呪いの森【BANDAI SPIRITS 1/144】 月刊ホビージャパン2025年2月号(12月24日発売)
ザクII対ガンダムEXの遭遇戦をディオラマ化
エピソード1「呪いの森」にて、仮初の休息に微睡むソラリたちジオン軍の駐屯地を急襲した連邦軍の白いモビルスーツ。瞬く間に駐屯地のモビルスーツたちを蹴散らすと、次なる標的としてソラリのザクIIを視界に捉える…という、ハイライトのシーンに着想を得たディオラマを山田卓司が製作。2体のキットはほぼストレートに製作しているものの、ポージングやストラクチャーの配置によって一触即発の空気感を見事に切り取っている。
山田卓司のお手軽ディオラマ構成術
話題の『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』、私も早速観てみました。ジオン兵士視点から見たガンダムということで、これまでのヒーローとしてのガンダムというよりもヒール(悪役)の禍々しさが描かれていておもしろいと思います。
今回のディオラマ製作にあたり、扱うキットはHGの「RX-78(G)E ガンダムEX」と「MS-06F ザクII F型(ソラリ機)」ということで、必然的にエピソード1の劇中描写を基としたディオラマとなります。
キットは最新のガンプラらしくパーツの勘合精度、可動範囲共に申し分のない内容なので、工作としてはアンテナの削り込みぐらいで、ほぼストレートに組み立てています。同梱されているテトロンシールも薄くてアウトラインが良い感じにカットされているので一部余白を切除しましたが、ほぼそのまま使いました。
ソラリ機はアンテナにストライプがありますので別売りのデカールで追加。さらに二次大戦中に旧独軍戦車が施していたツィンメリット・コーティングらしきものが足元などに施されているので、ここはシールを使わずポリパテを伸ばしてエッチングソーで刻み目を入れて対応しました。このとき、余分な所にパテが付かないように周囲はマスキングしています。
ディオラマは本編を何回か観て、どの場面にするか検討。ガンダムEXによりチャブス機、ケイル機、ルショーン機とレッド・ウルフ隊が次々と撃破されるなか、ふくらはぎのグレネード?フットミサイル?で応戦すると、ソラリ機に向かってガンダムEXがビーム・サーベルを手に近付いてきます。
ザクタンクからの援護射撃が入ったところでソラリは傍らで見付けたザク・バズーカで応戦。しかしバズーカの直撃を受けてもまったく動じることなくサーベルを手に向かって来るガンダムEX。ソラリ機は体当たりを試みる…という流れですが、ディオラマとして考えられる可能性は最後の体当たりと最初の遭遇シーン。最後のシーンはバズーカが要るので最初の遭遇シーンにしました。そのため、全体的なシチュエーションとしては一部自己解釈も入っておりますが、念のためソラリ機の左ふくらはぎの武装は先端を開口しています。
ベースはスチレンボードから作り、木立はプラパイプを熱して伸ばして幹を作り、オランダドライフラワーで枝を付けてから暗いブラウンで塗装。ストローに挿して簡単なマスキングをして枝の部分のみスプレーのりを付けてから、ディオラマ用パウダーをまぶして接着します。
モビルスーツ以外に何かストラクチャーが必要だなと考えましたがトミーテックのジオ・コレコンバットシリーズから「朽ち果てた教会」をチョイス。屋根の一部を壊しています。ここはパーツを切り取り、木材の薄板の細切りで内側の構造材を付け加えました。
BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット “ハイグレード”ザクII F型 ソラリ機(復讐のレクイエム) & ガンダムEX(復讐のレクイエム)使用
呪いの森
ディオラマ製作・文/山田卓司
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山田卓司(ヤマダタクジ)
月刊ホビージャパンを代表するレジェンドディオラマビルダー、情景王。キャラクターからAFVまでさまざまなジャンルを手掛ける。