1/144 ドラグーンを3個イチで製作!脇役の量産機らしからぬ徹底工作で理想のフォルムに仕上げる【機甲戦記ドラグナー】
2024.12.18サンライズ・メカニック列伝 第67回/MBD-1A ドラグーン【BANDAI SPIRITS 1/144】 月刊ホビージャパン2025年1月号(11月25日発売)
[胴体]
まず胸部と腰部に分割。胸部は前面が下を向きすぎているため、接着面にくさび形のスペーサーを入れて角度を上向きに変更し、同時にボリュームアップ。各センサーは市販のレンズ状パーツをはめ込んでクリアー化している。首関節と肩関節には頭部位置の微調整とレールガンの両手持ちができるように、インパルスのものをそれぞれ移植した。腹部はプラ板を積層し延長。翼はフチを薄く削り込み、折りたたみ機構の再現と後ハメ化を兼ねて、基部にポリ部品を入れて可動化。キットの10連デュアルミサイルポッドは大きすぎると判断し、1/144のリフター2のものと交換した。腰部にはインパルスの腰関節機構と股関節周りを移植。腰の前面、側面、後面の各装甲はプラ板を積層して削り込みボリュームアップ。側面の装甲は切り離してポリ部品で接続し、若干動くようにすることで脚部の可動範囲をさらに広げている
[武装類]
55.6mmハンドレールガンLPS22型は2丁を貼り合わせて幅増しし、前後に4.5mm延長してボリュームアップ。銃口部は真鍮パイプに置き換えた。グリップはインパルスのビームライフルのもの、フォアグリップは新HGUC 陸戦型ガンダムのマシンガンのものにそれぞれ交換。レーザーソードは新HGUC ガンダムと旧HG ストライクフリーダムガンダムのサーベルをつないで製作。腰のラックもストライクフリーダムから流用。ネオジム磁石を内蔵させることで、ラックの回転と、ソードを装着した状態と外した状態の差し替えを可能にした。右肩の460mmレールキャノンKGX-9型は基部にポリ部品を入れて保持力を上げつつ後ハメ化。第40話での待機中のイメージで、砲口を上に向けられるようにしている
■ドラグルではありません
カエルが大好きなサンライズメカファンのみなさんは、「量産機の模型は数だよ!」と今日も兄貴に力説しているはず。1/144キットがセットアイテムとして待望の再販となったドラグーンも、1機作っただけでは決して満足できないメカですね。キットは脚部等の曲面表現が巧みで、各部のモールドやエッジも1987年の製品としては驚くほどシャープ。頭部を小型化して位置を調整するだけでもかなり良くなるのですが、ストレート組みだと翼やレールキャノン砲身、背中のノズル等が作りにくくて塗りにくい。複数仕上げるのは辛いと言わざるを得ません。また、各可動部の保持力ももう少し上げたいところです。
そこで作例は、翼とキャノンの基部にポリ部品を仕込み後ハメ式に加工。格段に仕上げやすくなります。ノズルは塗装後に組み込めるように磁石を入れました。各可動部にはHGCE インパルスガンダムの関節を移植していますが、この作例と同じことをしているとまず完成しないので、より自然な立ちポーズで飾れるように股関節と足首関節だけ替える程度に留めるのが健康的だと思います。胸部前面は設定画の「頭部が埋もれている感じ」を出し、同時にセンサーを目立たせる(D-3の能力も持っていることを強調する)ため、角度を上向きに変更していますが、これも予想以上に大変ですから無理に真似する必要はありません。趣味の模型で苦しくならないようにしましょうね。
■レッドショルダーな機体もいます
バンダイ刊「METAL ARMOR DRAGONARモデル&デザイン集」、新紀元社刊「機甲戦記ドラグナー コンプリートアートワークス」、月刊ホビージャパン1987年10月号に掲載のカラー画稿を参考に塗装。全登場カットをコマ送りして観たところ、右肩に青が入る機体、両肩に赤と青が入った機体、両肩とも本体色のみの機体、ゴーグルが本体色の機体(98式AVのようにシャッターがあるのかも?)、ミサイルポッドが本体色や赤の機体、銃やキャノンが本体色の機体等が確認できましたので、設定の塗り分け方にこだわり過ぎず、自由に塗ってください。また、最終回のコロニー落としのシーンでは茶系グレーの機体や黒いカスタムタイプ、ゲバイやダインの色の機体(アグレッサー機をそのまま戦線に投入しているように見えます)が登場していますので、これらをヒントにオリジナルのカラーリングで仕上げるのも楽しいと思います。
本体=クールホワイトにピンク、純色バイオレット、コバルトブルー、ミッドナイトブルーを各少量
青=ブルー+コバルトブルー
赤=ハーマンレッドにピンク少量
関節(ムーバブルフレーム)=自作の青緑系グレー
ハンドレールガン=自作の緑系グレー
頭部ゴーグルはGXメタルレッドの下地にクリアーレッド。ノズルは焼鉄色+シルバー。スミ入れ後、半光沢とツヤ消しを混ぜたクリアーで塗膜をコートし、センサーにクリアーパーツをはめ込んで終了です。
次回は2機が合体するあのメカの作例が登場します。
BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット 1/144 機甲戦記ドラグナーセット3 使用
MBD-1A ドラグーン
製作・文/田仲正樹
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田仲正樹(タナカマサキ)
月刊ホビージャパンガンダム班および「宇宙船」誌の映像倶楽部に所属。ドラグゥン13で好きな機体はハンニバルのバーザム。