1/144 ドラグーンを3個イチで製作!脇役の量産機らしからぬ徹底工作で理想のフォルムに仕上げる【機甲戦記ドラグナー】
2024.12.18サンライズ・メカニック列伝 第67回/MBD-1A ドラグーン【BANDAI SPIRITS 1/144】 月刊ホビージャパン2025年1月号(11月25日発売)
MBD-1A ドラグーン
(『機甲戦記ドラグナー』より)
サンライズ作品に登場する数多のメカを模型作例で再現し、改めてその魅力を探る連載企画「サンライズ・メカニック列伝」。今回は『機甲戦記ドラグナー』から、地球連合軍主力メタルアーマー(MA)「ドラグーン」の1/144作例をお届けしよう!
ドラグーンは3機のドラグナーの各仕様(戦闘・攻撃・偵察)を集約させた量産型MAである。D-1と同等の運動性能、D-2を上回る火力、D-3を上回る探知能力を持ち、その戦闘力はカスタム化前のドラグナーを凌駕する。本機の大量投入によって大戦の戦局は連合側へと大きく傾いた。また、第29話ではタップ・オセアノとライト・ニューマンが(無断で)搭乗し、ケーン・ワカバが鹵獲したMAドーラとともに三位一体の必殺技「恐怖のトリプル子泣きじじい」を敢行。グン・ジェム隊四天王のひとり、ガナンの駆るMAスターク・ガンドーラを大破させる活躍を見せ、ファンに強い印象を残している。
作例は田仲正樹が私物を3セット投入して製作。キットの良好なパーツ形状を可能なかぎり活かしつつ、各ドラグナーの特徴を合わせ持った独特のフォルムを再現するために、通常の1.5倍の時間をかけて全身のバランスを調整。脇役の量産機らしからぬ徹底工作作例として完成させている。
[製作途中状態]
キットは曲面の表現が巧みでモールドもシャープ。1987年の発売当時から高い評価を得ているが、現在の目で見ると可動機構の古さや、全身のバランスが今ひとつな点がどうしても気になるところだ。作例は可動機構の刷新を行いながら、D-1のスマートさとD-2の重厚感を合わせ持つフォルムを再現するために、通常回以上の製作期間を費やしてバランスを調整したもの。その一方で脚部などはキットの部品形状を最大限に活かしていることが製作途中画像から確認できるはずだ。読者諸氏におかれてはぜひ本作例を参考に、ついに待望の再販となった1/144ドラグーンの製作に励んでいただきたい
[頭部]
本体とひさし部分をともに左右に分割し、横幅と高さを詰めて小型化。ひさしは塗装後に接着できるように小型のブロック玩具を仕込んで後ハメ化した。アゴは新造している。アンテナは長いほうを薄く削り込み、短いほうは縫い針と1mm径スプリングを組み合わせたものに置き換えてシャープ化した
[腕部]
肩装甲はフチにプラ板を接着して大型化。上腕のロール機構およびヒジ関節はHGCE インパルスガンダム(以下インパルス)のものを移植。上腕フレームは1/144ドラグナー2型の上腕を2セット分貼り合わせたものに交換。前腕装甲はプラ板で1.5mm延長し、手首関節ブロックをそのぶん短く加工。手首関節はボールジョイント化し、拳はHG SEEDシリーズの手の甲とビルドハンズ 丸型を組み合わせたものに交換した
[脚部]
太モモとスネの形状はたいへん良好なため、基本的にキットのまま。太モモ上部には横ロール機構を追加。ヒザ関節はインパルスのものを移植して保持力を上げた。スネ装甲はエアインテーク部を開口して内部にスリットモールドを追加。つま先上部の装甲をいったん切り離し、整形後に角度を変えて再接着。ふくらはぎ後部のノズルは設定画の形状に作り直し。靴部は接着面を1mm強、削り込んで幅詰め。足首関節は市販のロールスイングジョイントと新HGUC ガンダムのもので二重ボールジョイント化し、接地性能を向上させている
©創通・サンライズ
田仲正樹(タナカマサキ)
月刊ホビージャパンガンダム班および「宇宙船」誌の映像倶楽部に所属。ドラグゥン13で好きな機体はハンニバルのバーザム。