HOME記事キャラクターモデルブレイバーンと共闘した「M2 ブラスト・ライノス」をスクラッチビルド! コジマ大隊長がパテやプラ板を用いて仕上げる!!【勇気爆発バーンブレイバーン】

ブレイバーンと共闘した「M2 ブラスト・ライノス」をスクラッチビルド! コジマ大隊長がパテやプラ板を用いて仕上げる!!【勇気爆発バーンブレイバーン】

2024.12.10

M2 ブラスト・ライノス【グッドスマイルカンパニー】 月刊ホビージャパン2025年1月号(11月25日発売)

ブレイバーンとともに戦った遠距離戦闘装備をスクラッチビルド!

 アニメ『勇気爆発バーンブレイバーン』より、MODEROIDにてプラキット化を果たした「M2 イクシード・ライノス」。前回はキットレビューを行ったが、今回は月刊ホビージャパン2024年11月号まで連載していた公式外伝「未来戦士ルル」用にコジマ大隊長がスクラッチビルドした「M2 ブラスト・ライノス」をご紹介。120mm電磁加速砲(レールガン)を携えたロマンあふれる機体を、3Dプリンターなどを用いずパテやプラ板の力技で作り上げている。

▲M2 イクシード・ライノスに遠距離戦闘に特化した「ブラストパック」を装備した機体、M2 ブラスト・ライノス。本編、外伝ともに大活躍した人気機体を、イクシード・ライノスのキットをベースにスクラッチした
▲頭部の造形は複雑で曲面が多用されているため、塗装の工程を考慮して後でバラせるように①アゴ部の大まかなパテ塊を作る、その時に2mmプラ棒を立てて硬化させる②ワセリンを塗ってからゴーグル部を盛り付け硬化③またワセリンを塗ってヘルメット部を盛り付け、と3回に分けて盛り付けたのちにそれぞれをデザインナイフなどで整形している
▲足首のボールジョイントは軸での可動に変更することで接地性を上げている
▲塗装前の状態。素体となるイクシード・ライノス部分はテストショットを使用。プラ板やパテを使った大掛かりなスクラッチで初の立体化が実現した
▲120mm電磁加速砲の基部は内部モールド部のみエポパテ製だが軽量化のため各所で肉抜きを行っている
▲左右で同じ形状に揃えるためシャープペンなどで外形をなぞり、プラ板などに描き込んでから切り出している
▲工作後の状態。平面を出す部分、曲面のデザインを活かす部分と、すべてのパーツが熟考の末立体化されていることがよくわかる
▲遠距離での射撃戦を行うための装備「120mm電磁加速砲」。劇中では、機械生命体のゾルダートテラーの強力なバリアを本装備での連続射撃で撃破することに成功した

▲本体と武器をつなぐケーブルはUSBケーブルやイヤホンケーブルなど身近にある素材を使用。ケーブルをまとめるバンドは釣り具として売られている鉛板を巻いて再現している

▲アクティブ防護システム(APS)と、溶断レーザーソードが一体となった武器。長物を持たない左手に装備することで、近接戦闘もカバーしている

▲直線的な造形が多く見られる武器は、プラ板の箱組みがスタンダード。メインの形状を作ったあと、付属パーツを組み合わせていく

▲イクシード・ライノス(前回作例、写真上)と本作を比較。かなり形状が異なっていることがわかる
前回のweb記事はコチラ
▲本体から後ろに伸びる部分はプラ板の積層で再現。比較的重くなっても良い箇所はこういった手段を取るほうが作業効率がいい場合が多い
▲プラ板の積層だけでは再現しきれないカーブの部分はポリパテなどを盛ることで整えている

▲左右の肩部に取り付けた追加装備もすべてスクラッチ。角度を自由に動かせるよう真鍮線で軸打ちしている。また、肩パーツは接続軸のプラ棒の長さを調節することで本体と干渉しないようにしている

▲肩パーツのプロポーションを左右対称にするため、形を揃えたい左右のパーツを1ブロックのパーツとして成形し、それをふたつのパーツに分解して作っている。スクラッチをする際には覚えておきたいテクニックだ

■はじめに
 「未来戦士ルル」5話にて先行して特撮が公開されたM2 ブラスト・ライノスですが、本機はキット化はおろか試作原型などもない状態で換装パーツをスクラッチ製作しています。デジタル造形などを使わないスクラッチのノウハウは偉大な先人の知恵が膨大に存在するので、その一部を紹介する機会とさせていただければと思います。

■スクラッチの考え方
 胸部より下についてはM2 イクシード・ライノスと共通のため、MODEROIDのキットを使っています。一部の関節は塗装後に組み立てられるよう、別売りのカスタマイズパーツを使い改修を行いました。
 肩から上と武装類(ブラストパック部分)がすべて手作りの部分となるわけですが、設定資料を眺めながら、
①平面の構成だけでできるもの
②曲面で構成されているもの
に大まかに工程を分割し、さらにそれぞれを
③内部まで充填されている(ムク)
④可動域や重量などの理由で中空になるモノ
と分類整理していくことで使用するマテリアルの選定が決まっていきます。ただ、②と④の性質がある場合には内部の壁をプラ板で箱組みした後に表面をエポパテで覆って整形するなど、複合的な作業が必要になることもあります。本作例ではこのパターンがかなり多く、塗装前の画像でも白い部分はプラ材でグレーがエポパテ、さらにそれらを滑らかに接合するためのポリパテが駆使されていることがわかると思います。

■塗装
 エアブラシと筆塗りを併用して基本塗装を行いました。下地はガイアノーツのメカサフ スーパーヘヴィ、そのあと各色を載せて光沢クリアーを吹いてからスミ入れを行い、最後にツヤ消しクリアーを吹いています。劇中の配色を参考に、人工筋肉のような部分はネイビーブルーにグレーとミディアムブルーを調色。シルバー部分は光沢ブラックを吹いたあとメタリックにグレーを混ぜた色を吹き付けました。

■細部のディテール
 左右の手持ち武装には背面より何やらケーブルが接続されている表現がありますが、太さ違いで2本まとめられている構成に見えたのでUSBケーブルやイヤホンケーブルなどを使って内部にクセ付けのために0.5mmの真鍮線を挿入、さらに釣り具の鉛板をカットして巻き付けることで拘束具の表現をつけています。月刊ホビージャパンではこのくらいの内容を「ちょっと改造」ということも多いので、プロモデラーを目指す心ある読者の皆様はぜひいろいろな題材に挑戦して技術の引き出しを充実させていただきたいと思います!!

グッドスマイルカンパニー ノンスケール プラスチックキット“MODEROID”M2 イクシード・ライノス使用

M2 ブラスト・ライノス

製作・文/コジマ大隊長
メカニカルデザイン/MORUGA


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©「勇気爆発バーンブレイバーン」製作委員会

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コジマ大隊長(コジマダイタイチョウ)

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