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筆塗りで蘇る「伝説の鉄巨神」天才的仕上がりの造形とNAOKI氏の秀才な筆塗りによって赤の金属感と重厚感を見事に再現!

2024.11.24

筆塗りTribe/ARTPLA SCULPTURE WORKS 鉄巨人vs邪神兵【海洋堂】 月刊ホビージャパン2024年12月号(10月25日発売)

筆塗りで蘇る「伝説の鉄巨神」

天才の造形と秀才の筆塗りが交差する……

 さまざまなプラモを筆塗りで楽しむ月刊ホビージャパン人気連載コーナー「筆塗りトライブ」。今回は模型雑誌作例だけにとどまらず、オリジナルプラモシリーズ「ティタノマキア」などもプロデュースしているモデラー・NAOKIが参戦! 最近では雑誌作例・プライベート模型の両方に筆塗りを積極的に取り入れており、これまでのNAOKI作例とは違った一面が開花している。そんな折に筆塗りトライブへの参戦を依頼したところ快諾してもらった。
 作例テーマは、日本が誇る天才造形師「谷明」原型による「ARTPLA SCULPTURE WORKS 鉄巨神vs邪神兵」。本プラキットは、高荷義之氏のイラストをモチーフに立体化された原型を3Dスキャンし、プラモデルへと転生させたもの。これまでのARTPLA SCULPTURE WORKSの積み重ねもあり、谷明氏の原型の魅力を損なうことなく商品化されている。だからこそ「筆塗りを楽しみたくなる波動」がこのプラモから大いに出ているのだ。究極の造形を今、誰でも筆塗りで楽しめる! その先導を、NAOKIに担ってもらおうじゃないか! さぁ、みんなもこの作例を見て、あなただけの鉄巨神を塗り上げてくれ!

(構成・文/フミテシ)

今回のパイセン

NAOKI/世界中にファンがいる日本を代表する凄腕モデラー。月刊ホビージャパン2024年12月号の特集記事では「HGUC Ξガンダム」のスジ彫りHow toも掲載。そちらも合わせてぜひチェックしてほしい!
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NAOKI筆塗りのここに注目!

 非常に鮮やかな赤で仕上げられている一方、ズシンとくる重量感まで表現されている。筆塗りのポイントはこの2点。こちらをチェックしながら記事を読んでほしい。

1. 下地のシルバーが
鮮やかさと重厚感を演出!

▲鉄巨神のエングレービングなどのシルバー塗装も兼ねて、一度全体をシルバーで塗る。このシルバーを絶妙に透かせなが赤を塗っていくことで、クリアーレッドのような明るさになる。明るさを保ちながら全体の赤の色味を調整していく

2. さまざまな色をパーツの上で
混ぜ合わせる!「ドッティング」

▲邪神兵は、基本塗装後に黒や赤、マルーンなどをドットのように置いて、パーツ上で馴染ませる。すべてをラッカー塗料で行うことで、各色が溶けて作為的ではない独特の表情に仕上がる

主に使用する筆など


セット販売の平筆

▲Amazonなどのネットショップで、50~100本セットで販売されている平筆。下地塗装や、ウェザリングなどをする際に使用する


ガイアノーツ 平筆セット

▲#0、#2、#4、#6、#8と5種の太さの平筆がセットになった商品。ナイロン筆で溶剤耐性もある。メイン塗装はこのセットで行っている

ガイアノーツ NAZCA
ドライブラシ2

▲NAOKIがプロデュースするNAZCAブランドの、ドライブラシに適した専用筆


モデルカステン SSDブラシ

▲モデラー・清水圭プロデュースの筆。絶妙なコシを活かして、基本塗装の上からさらにタッチを加えていく際に使用している

ガイアノーツ NAZCA
スタンピングスポンジ

▲NAZCAブランドの大ヒット商品。手が汚れないように持ち手が付いたスポンジで、細かな傷表現を施せる

フレームの塗装と銀下地塗装

メカサフ ヘヴィからスタート

▲まずはパーツ全体にガイアノーツのメカサフ ヘヴィ(このサーフェイサーもNAOKIがプロデュースしたもの)を吹き付ける

フタの裏を使っちゃうよ

▲まずはフレームの銀を塗る。塗料は少量で済むのでフタの裏を塗料皿代わりに使用する。NAOKIは作例を多数手掛けているので、多少使い方が荒くても効率化を重視! ときには勢いも必要なのだ。フレームメタリック[1]を使用

余分な塗料を拭き取る

▲少しドライブラシ気味で塗るので、余分な塗料をいったんペーパータオルで拭き取る。ガサガサになるまで拭き取らなくてよい

下地のメカサフも活かそう

▲フレームメタリックで塗り潰すのではなく、ドライブラシするように筆を擦り付けていく。そうすることで下地のメカサフも残る。グレーとシルバーが混在し、フレームにも独特の使用感が生まれる

フレームのスミ入れ

▲スミ入れまで終わらせてしまう。使用するのはタミヤ スミ入れ塗料 ブラック。グレーとシルバーの関節にあえて黒を流すことで、メリハリと重量感を強めに演出する

フタ裏の面相筆は使わない!

▲モールドにスミを流すのではなく、一気にウォッシングする。そのために平筆を使用。大胆にも瓶に直入れ! 完全には撹拌せず、瓶の底の濃い部分を掬おう

フレーム全体を洗うように

▲フレーム部分をブラックで覆う。細かなことは考えずに大胆に塗ってしまおう!

ジッポオイルで拭き取る

▲NAOKIの好みで拭き取りはキムワイプ+ジッポオイルで行う。ジッポオイルは塗料の乾きが速くて割れにくく、キムワイプはザラザラした質感がフレームにランダムに残るのがよい

スーパージュラルミンを使用!

▲次に、各部のシルバーの塗装も兼ねた「銀下地」塗装に移る。使用するのはGSIクレオスのスーパージュラルミンと平筆

筆目の方向もランダムで

▲パーツが魅力的に見える筆目(もしくは筆跡。曲面が強調される方向や、エッジが立っているように見える方向など)をイメージしてシルバーを塗る

下地は大胆にいこう

▲塗り上がった状態。後に上から赤を塗る部分は、塗り残しやムラがあっても気にしない。むしろのこの大胆な筆跡や塗り残しが赤を塗った時に活きてくる。銀になる部分は、再度塗り重ねて仕上げる

エッジを意識する

▲曲面と平面がバランスよく配置された鉄巨神。このようにエッジを立たせたいパーツは、フチに塗料が乗りすぎないようにして塗っていく。スピード感のある鋭いタッチで、筆を手早くパーツから離して塗料が乗りすぎないようにしているのがわかる

Ⓒサンライズ

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