ホビージャパンのガンダムオリジナルストーリー『Zionの星 』に登場した「ストライクマラサイ」をHGUCキットを改造し80年代テイストを交えて仕上げる!
2024.11.15RMS-108(di3)A ストライク・マラサイ【BANDAI SPIRITS 1/144】 月刊ホビージャパン2024年12月号(10月25日発売)
ストライク・マラサイをHGUCキットベースでアップデート
1986年、月刊ホビージャパン模型のオリジナルガンダムフォトストーリー『Zionの星』より、連載第1回に登場したストライク・マラサイのリバイバル作例をお届けする。1986年頃の模型トレンドだった、いわゆる“ごちゃメカ”感のあるオリジナルマラサイは、当時、犬神一人氏がモチーフとなるイラストを描き、それをあげたゆきを氏(当時のペンネームは“ネオ揚田”)が製作している。今回の作例では現時点での最新キットであるHGUC マラサイを使用。可動部はキットを活かしつつ、形状の異なる部分を大改造。80年代のレトロ感を残しつつ最新仕様のストライク・マラサイを完成させた。
かつて先達が作られた作例は当時ものキットの改造でしたが、今回はHGUCを使い作っていきます。
まず大幅に違うのは靴。形状から察するにガルバルディβかサザビーがいけそうですが、昨今のキット不足から、おいそれと流用パーツをもぐわけにもいきません。なるべくキットパーツから改造します。
まず靴部パーツの両サイドをノコで切り離します。靴裏のモールドは活かしたいので、それに沿ってカット。両サイドはプラ板で塞ぎ曲面がなじむようエポパテで整形。ついでにつま先もパテで延長します。形ができたら足の甲に被る二重装甲板を造形。ハンダ用のフラックスを塗り、そこにエポパテを盛って大まかに形を作り、硬化したら剥がして納得いくまで削って形を出します。スネ内側が丸くえぐれているので回転砥石で大まかに削ったあと、ペーパーで削って形を出します。アンクルアーマーはキットパーツを左右外側に使うとちょうどよく、ノーマルの小さいフィンに直に接着しています。内側に付く四角いダクトは市販パーツで。ノーマルのアンクルアーマーの複製を取り、延長工作をしてスネに取り付けますが、これを固定にするとほとんど足首が動かなくなります。そこで真鍮線とプラ板工作でパタパタ動くようにしました。
スパイクアーマーはパテで形状変更。ヒジアーマーはキットのものを短くカット。
頭部はモノアイをくりぬき、裏にキットのシールの余白を貼り付け、穴を塞ぐようにクリアーレジンを流して固めます。赤を使ったのですが、色素が薄めなので上からクリアーレッドを塗っています(光が当たるとキラリと光ります)。ヘルメットは左右にプラ板を足して形を変えトサカ部はエポパテ造形です。後部アンテナは1mmプラ棒と真鍮線の組み合わせです。
武器はバルカン・ポッドとのことですが、詳しいスペックが不明なうえ見えない部分も多いので思い切ってアレンジ。8mmプラパイプとジャンクのミサイルを組み合わせ、太さ調整のためプラペーパーを巻いて段差も表現しました。照準機やドラムマガジンは流用パーツでまかないます。
塗装は黄緑がMr.カラー605番、胴体他は15番、関節が301番、ヒザ等の濃い部分は40番です。バルカン砲は305番を使いました。DRAGOON13のデカールはいただいた資料をスキャンしてデータを自作。アルプスMDプリンターで出力しています。その他は各種市販デカールを使用しており、ステンシルが見やすいよう白と黒を混在させています。機番等適当なものがない部分はスケールモデルの余りから流用しています。
BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット“ハイグレードユニバーサルセンチュリー”マラサイ使用
RMS-108(dl3)A ストライク・マラサイ
製作・文/澤武慎一郎
ⓒ創通・サンライズ
澤武慎一郎(サワタケシンイチロウ)
船やSF、特撮ものなど何でもこなすマルチモデラー。電飾やディオラマも手掛けるなど幅広いテクニックと知識を持つ。