HOME記事ガンダム【ノモ研】“バキュームフォーム”ってなに? 「バキューム成型の手順&応用」の解説!1/144「ジュアッグ」を製作【野本憲一モデリング研究所】

【ノモ研】“バキュームフォーム”ってなに? 「バキューム成型の手順&応用」の解説!1/144「ジュアッグ」を製作【野本憲一モデリング研究所】

2024.11.12

野本憲一モデリング研究所 バキューム成型/MSM-04G ジュアッグ【BANDAI SPIRITS 1/144】 月刊ホビージャパン2024年12月号(10月25日発売)

バキューム成型(バキュームフォーム)

 「ホビージャパンのガンプラ製作テクニック解説」の代名詞たるコーナー「NOMOKEN」。今回の「バキューム成型(バキュームフォーム)は、熱した樹脂板を原型に吸い付かせてカタチを作る方法。その成型品を用いた“バキュームフォームキット”というのもある。本格的な量産成型には機材が必要だが、簡易的なものを自作することで個人でも行える。その自作方法とともにバキューム成型の手順、応用を紹介していこう。実際に製作した作例も用意したので合わせて見てもらいたい。

製作・解説/野本憲一


バキューム成型の仕組み

▲原型と成型品の例。左下が用意した原型で、他はそれに沿って成型したもの。プラ素材を立体的なカタチにできること、透明パーツを成型できるのは大きな魅力だ
▲主要なパーツをバキューム成型で製作し、フルスクラッチした作品。プラ製なので追加の加工や仕上げも行いやすく、中空で作ることもできる
▲バキューム成型の仕組み。原型を配置する成型機は上面が網目状で、そこから空気を吸い込んで機外に出せる構造。吸引には家庭用の掃除機が使える。熱して軟らかくなった板材を下ろすと吸い付けられ、原型に密着、立体的な形状ができる
▲自作した成型器。吸引面を設けた「本体」と、板素材を保持する「枠」を用意する。仕組みは単純で日曜大工的な工作で作れる。写真の2例は使った材料の違いで構造は同じだ
▲空気を吸い出すバキュームには家庭用の掃除機を使う。吸い込む能力は一般的なもので充分(例は吸引仕事率540Wの製品)。ホースの接続がシンプルな円筒だとつなぎやすい
▲板素材の暖めにつかう電熱器(電気コンロ)。炎ではないので危険が少なく、広めに暖められるのもよいところ
▲成型する素材はプラ板(ポリスチレン)や硬質塩ビ板。透明プラ板は熱しても伸びにくいため、透明バキューム成型には塩ビ板が向いている。板厚は強度が必要なら1mm前後、薄くしたい場合は0.5〜0.3mmなど

成型器の自作

▲本体に使う素材。画材の木製パネルは定型サイズが選べて、素材を支える枠にも使える。A5パネルは内側がほぼB6なので市販のプラ板を効率よく使える。加工しやすく丈夫なポリ製容器もおすすめ
▲吸引面には市販のパンチングシートが便利。丈夫で細かな金網でも構わない。板にドリルでひたすら穴開けすることでも作れる
▲その他の材料は必要に応じて。スポンジテープは吸引面のフチ用に。板や角材はワクの内側の製作など。シール剤はエポキシ接着やパテでも代用できる
▲吸引部となる本体の製作。材料は木製パネルと、その大きさに合わせたパンチングシート。空気抜きの部分には細口ノズルを使う
▲パネル側面に細口ノズルを通すための穴開けをしたところ。フチを割らないよう注意しつつ、電動ドリルで穴開けをしたあと細長くつないでいる
▲ノズルの差し込みはこれくらいで充分。隙間が大きければパテなどで埋めておこう
▲吸引面に合わせてカットしたパンチングシートを貼っていく。ここは原型の設置や吸引で力が掛かるのでしっかり固定したいところ。この例はエポキシ接着剤を使っている
▲周囲にスポンジテープを貼っておく。これで枠と重ねたときに多少の隙間があっても埋めてくれる
▲本体裏面にはパイプ部が下に当たらない程度に、角材で「足」を追加している。これは安定して作業するための処置
▲こちらは素材を支える枠。外枠は本体と同じ木製パネルを使い中心部に穴開けしたもの。その内側に入れて素材を押さえる内ワクが右で、四角く穴を開けた板材と角材の組み合わせで製作
▲枠にプラ板を入れた様子。実際は内ワクを親指で押さえてプラ板を固定する。これで充分使えるが、固定具や持ち手を付けるなどまだ工夫の余地はある
▲成型器と素材の保持部が用意できた。材料と道具が揃っていれば製作は難しくないはず。成型したいサイズに合わせて、小さくも大きくも自作できる
▲ポリ容器での例も簡単に紹介しよう。箱の側面に穴開けして継ぎ手パイプを取り付け。穴開けはコンパスカッターやホールソーが便利だ
▲パンチングシートの取り付けでは容器が接着しにくい素材なので、上面の平らなところを利用してネジ固定。ネジ頭が出たぶんはスポンジテープで隙間埋めする
▲素材用ワクは先の例をそのまま使用。吸い込み面の範囲が合っているので機能的には問題なく、少し外にはみ出るくらいで重ねやすい組み合わせ

ⓒ創通・サンライズ

1 2 3 4
この記事が気に入ったらシェアしてください!

野本憲一(ノモトケンイチ)

オススメの書籍

NOMOKEN 野本憲一モデリング研究所 新訂版

ご購入はこちら

NOMOKEN3 ガンプラ完全攻略ガイド

ご購入はこちら

ノモ研特別編 極上カーモデルの作り方

ご購入はこちら
PAGE TOP
メニュー