Ma.K. in SF3D
NINJA
2021.04.07
月面用クラッフェンフォーゲル
“ニンジャ”出撃!!
クラッフェンフォーゲルのキットを完成させた横山宏が間髪入れず2体目を製作! 新たな装備や装甲を追加し月面用に仕上げたSFテイストあふれる機体は“ニンジャ”と名付けられた。ノイスポッター型初となる月面機をとくとご覧いただきたい。
さらにMAX渡辺の冬季迷彩を施したクラッフェンフォーゲル夜間戦機も紹介。両者ともにパンツァーシュレックにボールジョイントを仕込んで可動範囲を広げているので製作記事も要チェックだ!
初めてクラッフェンフォーゲルを組んで完成させたことを威張ったばかりですが、その勢いでもう1体完成させてしまいました。ノイスポッター型兵器を月面でも活躍させようと思いついて月面用クラッフェンフォーゲルにしてみました。アンダーソン作品の「謎の円盤UFO」のテレビ放映を見てからは脳内月面戦が今も繰り広げられているんです。
ダックスフントに通じる長い鼻状のシーカーやフリーゲのアンテナなど既視感のあるシュトラールの文脈パーツでまとめていきます。ダックスフントの顔そのままだと当然サイズが合わないのでF-14のエアインテークのコの字型の部分を芯にして自作します。プラ板の積層やエポパテでラインを繋いで市販のプラパーツを貼り付けてどこから見てもしっくりくるカタチにしていきます。
ハセガワから出ている丸抜きポンチでアルミテープをくりぬいて透明レンズの下に貼るとカメラが光っているように見える。飛行機モデルやカーモデルでも使えるよ。
ウェーブの新キットは金属だった部分がプラになってとても組みやすい。ただパンツァーシュレックが旧キットのようにグリグリ動かないのでMAXさんに「ボールジョイントでグリグリ動かしてね」と頼んでおきました。キットにはウェーブ製のポリパーツがランナーごと入っていて先月の1個目を完成させた時からボールジョイントがまるまる余ることに気づいたのです。自分でもこの余ったボールジョイントをシュレックに組み込んでみたので途中写真を見てちょうだい。ボールジョイントを買わなくてもキットの箱の中だけで全部できるのは本当に驚きの発見だ!
バーニアノズルの取付部が折れたのでシャフトを入れてガッチリ固定しておきました。追加アーマーは最近のピンポン球を切り出して使ってるけど、ABS樹脂が入っている感じなので裏側にプラ板やプラパイプをABS樹脂用接着剤で付けてから、そこに真鍮線を挿して頭部下面の出っ張っている部分に接続します。
塗装はグレーの迷彩にTa152をイメージして赤と黄色の帯を入れました。実機のコードレターは緑なんだけど、緑のデカールがなくてハセガワのキュクロープの青いデカールを使いました。赤青黄使うとガンダム的配色でいいでしょ。赤と黄色の下には明るいグレーを塗っておくと塗りやすいよ。
フリーゲのアンテナを付けたことで奥行きが出て、斜め下向きにレイアウトするとこれまたカッコいい! これを見た鉄製の1/5クレーテを作った小川君が「忍者みたいだ」と言うので、コードネームを「ニンジャ」にしました。忍者は全世界の共通語だもんね。シルエット的には花魁や芸者みたいだけどね(笑)。(横山宏)
ウェーブ 1/20スケール プラスチックキット
クラッフェンフォーゲル改造
シュトラール軍 月面用 反重力無人強襲偵察機
ニンジャ
製作・文/横山宏
■『SF3D』最大の鬼門、その名は。
発売当時、そのあまりに意欲的すぎたマルチマテリアルキット「クラッフェンフォーゲル」。加工しにくい金属パーツ、その重量と相俟って、このキットを完成させられたヒトはどれくらいいたでしょう? 僕もいつか必ずモノにするぞ! と祈念して、気がつけば2021年になっていましたよw
今回のリニューアルキット化は本当に喜ばしいことです。 ウェーブさん本当にありがとうございます! と『Ma.K.』ファンは手を合わせましょう♪♪
■決め手はボールジョイント!
キットは何の問題もなくサクサク組み上がる『Ma.K.』スタンダードな出来映え。真鍮パイプじゃないシュレックが嬉しくて涙ぐんでしまいましたよ。やっぱりプラキットはプラスチックがいいですね、皆さん♪♪
さて、なんら問題のないクラッフェンフォーゲルですが、横山センセに唐突に「MAXさん、シュレックが色んな角度に向く改造して」と連載開始から11年間で数度しかないリクエストをいただきましたのでお応えしました! 工作はカンタン! 途中画像をご参照ください♪
■冬季迷彩で夜間戦闘
僕があまり好んで塗らない色のひとつに茶色があるんです。苦手意識が育つのは好ましくないので今回は意図的に使いましたよ。その上で何か変わったことがしたくて無計画に筆を走らせてみます。ドラブとブラウンの森林迷彩の機体に冬が来たので雪の白を刷毛でペタペタ。その後に夜間戦闘の視認性を考慮して下面をブラックに、という設定にしてみましたよ♪ ちょっと変わった仕上げにできて、引き出しが増えたかな♪ と満足です♪
クラッフェンフォーゲルはまだまだ塗りますよぉ〜♪♪
ウェーブ 1/20スケール プラスチックキット
シュトラール軍 反重力無人強襲偵察機
クラッフェンフォーゲル
製作・文/MAX渡辺
協力/鈴木孝、堤啓介
クラッフェンフォーゲル
●発売元/ウェーブ●5720円、発売中●1/20、約28cm●プラキット
[Ma.K.in SF3D]EXPLANATIONS Vol.97
シュトラール軍 月面用反重力無人強襲偵察機 ニンジャ
文/KATOOO(レインボウエッグ)
「Ma.K. in SF3D」で初公開された月面用クラッフェンフォーゲル“ニンジャ”は36年越しに発表されたノイスポッター型兵器の新規バリエーションになります。ノイスポッターの頭部を搭載した兵器はオスカル、クラッフェンフォーゲル、ガンス、ノイスピーネ、ケーニヒスクレーテと多いのですが、全身がノイスポッターベースの兵器は1985年のクラッフェンフォーゲル以来となります。今回は36年ぶりに登場したバリエーションがなぜ月面型になったのかを解説していきます。
設定上、ノイスポッターは優秀な偵察機でしたが生産数が少なく、少数の精鋭部隊に限定配備されました。月面での哨戒対象地域機を偵察する際に多くの無人機が必要とされましたが、地上でも生産が追い付かないノイスポッターを月面転用するには無理があり、頭部のセンサーユニットとクレーテの脚部機構を組み合わせたルナガンスが月面の無人偵察機として定着します。その後、地上で生産が軌道に乗ったノイスポッター型兵器の月面用が配備されることになりますが、このタイミングで立体化した経緯を横山先生に伺いました。
「実は日東やウェーブのクラッフェンフォーゲルのキットって最近まで一度も組み立てたことがなかったんです。前回ウェーブのニューキットを組んだらあまりにも作りやすくて2個目もすぐに組み始めてしまいました。そしてまもなくハセガワのキャメルやウェーブのルナガンスが再販されるタイミングなので月面で活躍するクラッフェンフォーゲルもあってもいいと気がついて一気に完成させました。行動範囲を月面に限定すれば月は地上の1/6の重力が存在する世界です。『ブレードランナー』のスピナーも反重力装置の重力コントロールを浮遊と推進に使っています。クラッフェンフォーゲルも月面で同じ動きができるはずと考えたのが始まりだね。フリーゲの耳状のアンテナを付ければ文脈的にも合致するし、左のプレートにはソーラーパネルとしての機能もあるからそこで蓄電もできる。シン・クラッフェンではあの金属部分がプラになって抜群に作りやすくなった!30年以上ガマンしてたものが爆発した感じで月面用クラッフェンフォーゲルができたわけです(笑)」
突如発表された月面クラッフェンはダックスフントやフリーゲのシュトラールの文脈を持ちつつ妖気を感じさせる異形の魅力にあふれています。先生が鉄製の1/5クレーテを作った小川さんに画像を見せたところ「忍者みたい」という感想をもらい、先生はそのまま“ニンジャ”というコードネームを命名しました。世界に通じる「ニンジャ」という日本語が『Ma.K.』登場キャラクターの名前になったのは快挙ですね。高性能機クラッフェンフォーゲルが月面で暗躍し“ニンジャ”とささやかれる状況を想像するとニヤリとさせられます。
1/20ルナガンス 8年ぶりの再販決定!!
2013年以来再販されていないルナガンスの再販が決定!
再販にあたり横山氏による新規作例が完成したので紹介しよう。ニンジャと呼応するようなグレー系迷彩と青いコードレターが映える作例に仕上がっている。キットには新たなデカールが付属する。
Pz.Spah 1124 ルナガンス
●発売元/ウェーブ●価格未定、発売時期未定●1/20、全高約17cm●プラキット
横山氏の猫イラスト入りマスク“ニャスク”
2月19日~28日に東京・武蔵野市のリベストギャラリー創で開催された「ネコトモ2021 いしかわじゅんと猫ともだち」で横山宏氏の猫イラスト入りマスク“ニャスク”が販売された。
ガーゼ立体マスク/ニャスク
●発売元/オールドファッション●1500円、発売中●表地:綿100%、裏地:ダブルガーゼ/綿100%
© Kow Yokoyama 2021