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メカニックデザイナー・大河原邦男氏が『オモロイド』の魅力を語る! 新生『オモロイド』キット開発秘話も!

2024.10.27

令和に復活! 大河原メカデザインの真骨頂 オモロイドの魅力を語る 月刊ホビージャパン2024年12月号(10月25日発売)

週末で組み上がる気軽さでも高い完成度。それがオモロイドへの“愛”です(間井田)

間井田氏の画像
▲ LEAPROの間井田氏。かつて店頭で魅了されたという「オモロイド」を、現在に復活させた功労者のひとりだ

――ここで、オモロイドを新生させたLEAPROの間井田さんから、ワンダーフェスティバル2024夏で展示した「キット比3倍サイズのピ・ボット」が大河原さんへ進呈されました。

間井田 非売品ですが、変形や開閉が実際に触って体感できる販促モデルです。

大河原 シンプルな変形はどんどん触ってもらうべきです。ロボデザインには「押さえるべきシルエットのポイント」があるんですよ。そこさえ不動ならサイズや細部を変えても個性は失われません。

3倍サイズのピ・ボットの画像
▲ 大河原氏に寄贈されたキット比3倍サイズのピ・ボット。LEAPRO版プラモデルの設計データをそのまま拡大して出力し、変形も問題なく可能とのこと

――製品の第一印象が「作りやすさ」「丁寧な作り」で、メーカー側としては金型数や調整を相当重ねられているのではないでしょうか。

間井田 最近のプラモデルは精巧なぶん、複雑で途中で息切れしてしまう。オモロイドは初心者でも週末の数時間で完成することに一番こだわっています。モデラー側の体力が温存できる、引き算的な考えですね。また、昭和オモロイドを作っていた金型工場に里帰りして生産されています。開発と、熟練の金型工場さんの密なやり取りが丁寧な作りに反映されていますし、完成度にダイレクトに繋がるパーツ分割や全体の仕上がりは私が管理しています。一言で“愛”です。

――「オモロイドだから」を突き詰めた仕様ですね。

間井田 ただ、復活にあたって「当時のキットを見ながら設計」はしていません。無垢な気持ちで素立ちの非変形叩き台を3D設計して、そこから微調整とパーツ分割や構造を決め、最終的には「当時の記憶との擦り合わせ」です。

――キャラクターとしてのオモロイドにこだわってらっしゃいますね。

間井田 オモロイド開発で何が楽って「破綻しない」点です。大河原先生の三面図は立体化しても変形させても問題無く出来上がります。さらに「引き算的な仕様」は大河原ロボと相性が良くて、完全色分けも技術的には可能ですが、敢えてしていません。シルエットに特徴があるから素組みでも満足度が高いし、ホイルシールも同梱しています。もちろん、熟練モデラーは塗装してもいい。

 2023年夏に「オモロイドはおもろいド」コンペを開催し、審査員である大河原先生もお忙しい中しっかり目を通されていました。商品への要望に極力応えながら、盛り上がる施策ができればと思います。

大河原氏が描いたズィーバー(ビーストモード)のイラスト
▲ ズィーバー(ビーストモード)のオリジナルデザイン。バーティカルモードから極めてシンプルな手順で大きな変化を見せるのが『オモロイド』の特徴である

――ユーザーの反響と、今後のシリーズ展開を教えてください。

間井田 「ズィーバー」が10月26日、「グリンク」が12月に発売予定です。現在発売中4種のうち「ダーク・ザーム」は「ダース・ボス」を基に大河原先生が新たに設定された派生機です。しかし求められているのは昭和オモロイドであり、応えたい気持ちでいっぱいです。武器などオプション的な意見も多く、需要に刺さるアイデアをベースに、大河原先生と新しいものを作れたらと思います。

 我々へご要望は届いていますので、まずは「ズィーバー」「グリンク」で楽しまれ、これからも支えてもらえれば嬉しいです。

――今後、新生オモロイドが他ブランドやメディアへ展開する可能性は?

間井田 最近は取材の機会も多く、ときた洸一先生も協力していただいているので、丁寧なストーリー提供などもしていきたいです。あとは……頭身的にもピッタリな某ロボット大戦ゲーム参戦とか(笑)。お声掛けあればどんどん広げていきたいです。

――オモロイド復活で、純度の高い「大河原メカの魅力」が広まることを願っています。また、オモロイド以外でLEAPROさんがチャレンジしたいジャンルをお聞かせください。

間井田 基本「何でも屋」で、今までもキャラスケール商品や撮影用ボードを作ってきました。これからのコンセプトは「幅広いユーザーが遊べるフォーマットのアイテム」を目指していきたいです。


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取材・構成/五十嵐浩司[TARKUS]

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