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ひとつの歴史を築いた「波佐本ディテール」! その独特の改造センスをリスペクトした作例に挑む!

2024.11.03

1980年代を席巻した波佐本ディテールに、けんたろうが挑む!/YMS-15 波佐本風ギャン【BANDAI SPIRITS 1/144】 月刊ホビージャパン2024年12月号(10月25日発売)

1980年代を席巻した波佐本ディテールに、けんたろうが挑む!

HJガンプラディテールアップの歴史には欠かせない!

 90年代から00年代初頭にかけて、アンテナやセンサーを積む独特のディテールアップで誌面を飾ったのが波佐本英生。その改造センスは多くのフォロワーを生み出し、改造エッセンスはウェーブのディテールアップパーツにもなった。ひとつの歴史を築いた波佐本英生の時代を振り返りつつ、けんたろうがリスペクト作例に挑む……!

波佐本英生とは?

 1/100νガンダムvs1/100サザビーなど、表紙にもなり、いまでも語り草になる作例から、「ガンダムウェポンズ RX-78編」で見せたパーフェクトガンダムまで、緻密な工作とアンテナ線やケーブルによるディテールアップを得意とするモデラー。ウェーブで手掛けたディテールアップパーツはまさに本人の技術の結晶で、センサーセットにその爪痕が刻まれている。他にも、往年のボトムズファンならZ・バーニアのAパーツといえば通じるぐらい他のキャラクターモデラーでもお世話になったパーツも。残念ながらある時を境に引退状態になり、消息は杳としてしれない。

▲「1/100νガンダムvs1/100サザビー」は、1991年7月号の表紙を飾り、多くの読者を惹きつけた伝説的作例

波佐本パーツ的ウェーブのオプションシステムで「波佐本風ギャン」を作る!!

▲波佐本氏が手がけたウェーブのオプションパーツの主用なもので、現在も入手できるのはJ・センサーセットの2種、Z・バーニア4種、G・タンク5種あたり。使ったらすぐに分かるその個性の強さが魅力的で、その後に発売されたバーニア系はもう少し抑えめになっていて、好対照を成している
▲波佐本ディテールに恐る恐るチャレンジするけんたろう。「J・センサー2のパーツ3、これドイツ軍の突撃砲で見たやつ! 砲手用照準器だよね? こんな遊び心があるとは……」とか言いながら安牌な場所にパーツを貼る。それでいいのか!? けんたろう
▲臆病になっているけんたろうに担当が喝! 勢いを取り戻したけんたろうは、ポスターなどを貼る練りゴムをこねこねしてパーツをペタペタしはじめる。そうそう。この勢いだ! しかし……なんか絶妙。左右対称はやめましょう
▲実はたくさん盛ってから間引いていくほうがバランスを取りやすい。妄想を全開にして練りゴムで貼りまくり、そのあと間引く。これこそ波佐本ディテールへの近道!!
▲月刊ホビージャパンでは意外に波佐本節は発動しておらず、波佐本さんっぽいと思ったら違う人だったことも。実際には「ガンダムウェポンズ」でそのパワーを発揮。Zの変形を封じるカスタムに脱帽

まもなく波佐本さん!!!

▲アンテナの生やし方を片側に寄せて、センサー類を固めることで粗密を作り出す。担当が「タケコプターは嫌だ〜」と嘆くが、ギャンのアンテナ強化プランなんだからいいでしょ!

工作完了!!

▲センサー類は貼る位置を決めたら、リューターなどで穴を開けフィットさせる。波佐本氏のお家芸とも言える「タンク」は、端のサイズが3mmなどのサイズなので、ひとまず穴を開けてしまえば接合できる。少し大きめに開けて、3mmのPC系の軸を突っ込んで瞬着を流し込み、角度を固定した。どでかいライフルや、シールドなどは「ガンダムウェポンズ」で多数掲載された波佐本氏リスペクト作例の勢いを参考に製作!! 次は塗装へGO!!

波佐本英生は塗りも独特、波佐本塗り

▲ディテールに目が向きがちだが、波佐本氏はその塗りも独特。広い面に濃い色を置き、エッジを明るい色にしている。我々が模型相手にグラデーションとして親しんでいるやり方と逆で、強烈な個性として光り輝いている

メイン系塗料

▲今回はギャンとしての色は基本どおりで、波佐本塗りを施していく。タンクはニュートラルグレー系、ボディのカラーは若葉女子校の2色、関節などのメカ色は軍艦色1

いざ波佐本塗り

▲サーフェイサーを吹いて、グレーに一回なった機体をGX01クールホワイトにする。そのうえでメイン色を吹くが、端は明るい色なので面の中央だけ塗るに留める

いつもの逆とわかっていても

▲塗料の濃度を下げて、さらに空気圧も下げ、塗料の突出量も絞ってエッジに明るい色を塗布する。あくまで完全白ではなく薄い色にして……いつもなら中央に吹くので、頭が混乱

薄い青紫部分の塗装

▲塗装が完成。エッジ部分は明るくなるように、広い面は濃くなるように。これはこれでひとつの考え方として塗装が面白く、仕上がりも個性的になる

濃い紫も同じですよ

▲濃い紫を塗布。こちらも白くしたパーツの中央を狙って塗装している。いつもと逆ならディテールも明るいまま……というわけにもいかず、立体感が出るように塗装

背中でも語れる「波佐本作例」

▲メイン写真と合わせて、塗装の雰囲気を確認してほしい。背中のタンクやバーニアの異常なまでの主張によって、背中で語るモビルスーツにもなるのが波佐本作例の旨味。今はスジ彫りで情報量を増やすのがトレンドだが、この当時はパーツを盛ることがディテールアップのトレンドであった。どちらも情報量を増やすということにおいては共通している。だからこそ、今こそあの当時のトレンドである波佐本ディテールの手法を取り込んで、新たな可能性にチャレンジしてみようじゃないか!

ⓒ創通・サンライズ

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