ニッパーはどう扱えばよいの? 基本的な使い方を教えてください
まずは次の4つのポイントをおさえよう!
ニッパーは見た目の通りに、切る箇所を刃先で挟みつつグリップを握って切断します。そこは難しくないですが、気を付けたいのは刃を傷めない扱いをすること。これはプラモデル用に切れ味を高めたニッパーを使うなら特に大切なことです。ここでは4つのポイントを紹介していきます。
①しっかりとグリップを握りつつも余分な力を入れて作業しない
▲ ニッパーの持ち方。上の親指側グリップは固定して、下から握って刃先を閉じます。手首は動かしません。切り込む力は刃が入っていくのに必要な程度、軽く力を入れるようにします。刃を強く合わせず切り終わり、できればパチンッと音をさせずにすむのが理想です
②手首やニッパーをひねってはダメ! 刃の位置は必ず固定して切る
▲ニッパーで切る際に、手首をひねったり、ちぎり取るような動きをするのはダメです。刃が欠けるような力が掛かってニッパーが傷みやすく、パーツの切り口もキレイになりません。ハサミで切る時にそんな動きをしないのと同様に、ニッパーも切り込む方向にのみ動かします
▲ 切る位置に刃先をあてがったら、ニッパーの位置や向きは動かさず、そのまま握っていきます
③刃渡りの中心付近で切るように心がけよう(刃の中心が届かない場合を除く)
▲ 刃の長さ方向ではどの位置を使うかを解説します。これは刃の中心(刃先から1/2くらい)くらいから刃先から1/3くらいの位置を目安にします。先端は刃の負担が大きく、根元側だと開きが大きくなります。先端しか届かない場面では先端も使いますが、常に使うのは避けましょう
④プラスチックでも太い素材や硬い素材は切らない
▲ プラモデル用ニッパーは主にゲートやランナーを切ることを想定しています。プラスチックだからと太いものや硬い素材に使うと刃を痛めたり、ガタつきのもとになります。太いものや硬い素材を切る場合にはゲート用とは別のニッパーや、他の道具も検討しましょう
パーツを切ったあと切り口がどうなっていれば正しく切れているの?
切り口の様子を知っておこう!
ニッパーで切る次の段階は、切り口に目を向けます。歪みを少なく切るために必要なことは、切れ味の良いニッパーを使うだけではありません。そもそもなぜ歪みが生じるのかを知っておきましょう。それを知り、正しい切り方をすることで、より良く使えることになります。切断には意外に力が掛かっているのです。
▲ ゲートを切る図で刃先に注目! そこは“刃が食い込む”状態になっていて、押しつぶされたり、横に広がるなど歪みがおきます。「ランナー~ゲート~パーツ~ゲート~ランナー」と輪のように繋がったところを切り込むので、力の逃げ場がなく歪みやすいのです。パーツが細い場合は折れてしまうこともあります。ランナーに繋がった状態から切るということは、こうした状態なのです
▲ 力の掛かっている様子が分かりやすいよう、試しにランナーを切り込んでいます。刃が食い込んだ間が白っぽくなっています。同様なことがゲートの場合でもおこるのです
▲ そのまま切断。断面をみると端はそのままの色ですが、中心部は白っぽくなり、切れているというより“千切れている”ように見えます
▲ ゲートの切り口が“ささくれた”例。これはゲートが三角形で、刃が切り込むにつれて横にズレるような力が加わったためおこっています
▲ ゲートを切る際はゲートの薄い部分を挟める向きで使うようにしましょう。ニッパーの刃が入らない場合はしかたないですが、図の△の斜めに挟む場合も、ゲートをねじる力がかかるので注意が必要です
▲ ゲートに対してのニッパーの向きですが、ランナーについた状態では、なるべく薄く挟みたいけれど挟める方向が限られ、斜め方向からしか挟めないことも良くあります。これでパーツのフチに沿わせて切るとどうなるかというと…
▲ 左は斜めに挟んでゲートを切った状態。ゲート跡の歪みもそれが分かるような斜めの跡が付いていますし、若干ねじられる力が掛かり、ささくれて凸凹があります。初めからパーツのフチで切るとこのようになります。右は真っ直ぐにゲートを切った比較。歪みはありますが、程度は少し穏やかです
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