HOME記事ガンダムRX-78-2 ガンダムはなぜ革新的だったのか? その誕生プロセスを「RG RX-78-2 ガンダム Ver.2.0」とともに紐解く。

RX-78-2 ガンダムはなぜ革新的だったのか? その誕生プロセスを「RG RX-78-2 ガンダム Ver.2.0」とともに紐解く。

2024.09.08

RX-78-2 ガンダムは、なぜ革新的だったのか? 月刊ホビージャパン2024年10月号(8月23日発売)

◎モビルスーツの運用法は?

機動戦士ガンダムのアニメカット その1

 既存の兵器や歩兵がそうであるように、新機軸の兵器であるモビルスーツの運用にも母艦は欠かせない存在である。地球連邦軍のV作戦においても、運用母艦ホワイトベースがセットで開発され、ビンソン計画というモビルスーツの運用に合わせた宇宙艦隊再建計画が立ち上がっている。
 特にモビルスーツの移動範囲に制約が課せられる地上では、母艦の重要性はさらに増していく。ジオン公国軍は地球侵攻前にこの問題を想定しており、いち早くガウ攻撃空母やユーコンなど、空海における運用母艦を準備している。また、小型航空機単位でモビルスーツの移動距離をサポートするド・ダイYSを投入し、サブ・フライト・システムの先鞭を付けている。モビルスーツ開発に遅れをとっていた地球連邦軍は、地上におけるモビルスーツの運用は後追いとなっていたが、一年戦争の終盤では戦闘の舞台が宇宙へ移ったことで、大きな懸念材料とはならなかったのかもしれない。


◎ガンダム対ザク

機動戦士ガンダムのアニメカット その2

 ザクを指標として開発されたRXシリーズのなかでも、想定した要件(出力、装備、装甲など)を満たしたガンダムは、あらゆる面でザクⅡを凌駕していた。射撃戦ではビーム・ライフルの威力と優れた射撃精度で打ち勝ち、近接戦闘においてもビーム・サーベルの威力と機体自体の出力、堅牢なルナ・チタニウム合金の装甲が圧倒した。まったくの素人であったアムロがシャアを相手に撃墜されなかったことや、ランバ・ラルも指摘したように、ガンダムと初期公国軍モビルスーツとの性能差は、スペック以上に圧倒的だったと言わざるを得ない。


◎ガンダムが残したもの

機動戦士ガンダムのアニメカット その3

 V作戦の目的のひとつとして掲げられたのは「モビルスーツの開発と量産化」であり、ガンダムの成功だけがゴールではなかった。ガンダムの教育型コンピュータに蓄積されたデータより、量産化の指針を得た地球連邦軍は、現実的な性能で量産化可能な仕様を導き出す。こうしてガンダムを基にした量産型として開発されたジムは、装甲材質がチタン・セラミック複合材に置き換えられ、コア・ブロック・システムの排除やゴーグル型センサーの採用、ビーム・サーベルは1本などのコストダウンが図られた。だが、ガンダムからの性能の減少幅は僅かでありながら、優れた生産性を獲得している。


◎モビルアーマーはなぜ必要とされたのか?

機動戦士ガンダムのアニメカット その4

 そもそもモビルスーツは優れた汎用性が最大のメリットだったが、地球連邦軍がガンダム(ジム)という、より上位の汎用性モビルスーツを送り出し、その運用法を確立していくと、ジオン公国軍は特定の条件下でのみ優位性を持った機体=局地専用機での対応を余儀なくされる。その最たるものがモビルアーマーで、特にジオン公国軍では実用化できなかった「モビルスーツサイズでは実現できなかった攻撃力」を実現するためには、それが最短の方法だったのであろう。のちのグリプス戦役期にモビルスーツの汎用性とモビルアーマーの局地戦性能を合わせ持った可変モビルスーツがトレンドとなったのは、ある種必然だったのかもしれない。


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