タミヤの定番キット「T-34/85」を使用して開戦当初に猛威を振るった朝鮮人民軍のT-34/85と米軍との戦い”を再現【ディオラマ作例】
2024.09.12−38°【タミヤ 1/35】 月刊ホビージャパン2024年10月号(8月23日発売)
今回はタミヤT-34/85を製作した。近年、T-34の研究が進み多くの資料が溢れている。1987年12月発売のタミヤT-34/85は情報の少なかった当時ゆえ、いくつかの問題を抱えているためWalkaroundなどを見ながら修正を加えた。
主な改修点
● ドライバーズハッチ前の跳弾板を追加。
● 車体右前方のアンテナポストを取る。
● 車体後部にある軌道輪のギアカバーの角を丸く修正。
● 燃料タンクの注入口の位置を中央に移動。ラックをパッションモデルスの3Dパーツ、ベルトはエッチングパーツで。
● 後部に排煙装置用パイプを追加。
● フェンダー、砲塔後部などに付いている把手を真鍮線に替えた。
● 朝鮮戦争時のT-34/85の写真を見るとさまざまな転輪を使用していたので、いろいろなメーカーの物を集めて使用。
● 機関部ハッチと後部丸ハッチを開けた状態にしたので内部のエンジン等をAFVクラブのT-34/85から流用。無性にエンジン剥き出しのT-34を作りたくなった。
塗装とウェザリング
泥被りで汚れ切ったT-34/85はタミヤカラーで着色後、泥絵の具やパステルの粉を撒いて、ハンドスプレーでアルコールを噴霧。下地のタミヤカラーがいい具合に溶けて泥絵の具等が固着できる。加えて枯れた感じになる。気に入っている塗装法。車体下部、履帯の影の部分は砂粒と泥絵の具を混ぜた物をスプーンでパラパラと撒き、固着は木工用ボンドを薄めた液を滴下。さらに水滴を拡散させるためにアルコールを噴霧。これで固着できる。砲塔と燃料タンクに車体番号を書いた。
第二次世界大戦が終結してわずか5年で朝鮮戦争が勃発。朝鮮人民軍は240両のT-34/85を保有し攻撃に加わった。
GAZ-64B
発売時期は1973年7月だからこれも古いキットだ。このモデルはフロントグリルが戦後型なので、パッションモデルスの3Dパーツと平野義高氏原型のレジンパーツとでディテールアップして戦中タイプに改造。私の好物アイテムで何度も作品に登場させている。SU-76Mもパッションモデルスのエッチングパーツを使ってディテールアップ。
ディオラマについて
稲刈り直前のお米がたわわに実り、こうべを垂れた状態の田んぼを造った。稲の葉は最近凝っている紙を切る方法で。紙は事前に黄色に着色後、ハサミで扇状に切り、頂点から細くカット、それを丸めて接着。乾燥後シンナーで薄く溶いたライトグリーンを葉先に塗る。それを田植え。次に稲の穂。これは真鍮線の先端に木工用ボンドを付け、ごく小さな砂をパラパラと乗せ、乾燥後黄色に着色、それを稲の束に突き刺して完成。このスペースでだいたい2週間かかった。朝鮮戦争時のフィギュアは少ない。ドラゴンの2種を使用し、接近戦を再現した。
タイトルの「-38°」は38度線を超えて南進してきた朝鮮人民軍との戦いを意味する。
ソビエト T34/85 中戦車
●発売元/タミヤ●3520円、発売中●1/35、約23.5cm●プラキット
ソビエト 自走砲 SU-76M
●発売元/タミヤ●4180円、発売中●1/35、約14.6cm●プラキット
嘉瀬翔(カセショウ)
延々と続く苦行の田植え作業中、『今度は何を作ろうか』構想/妄想で頭がいっぱい。次は好物! クレーンを製作します。乞うご期待。