ついに登場した「PLAMAXファルケ」をMAX渡辺と横山宏が塗装にこだわって作り込む! 1/35スケールの魅力が詰まった作例を一気に4つ公開!【Ma.K. in SF3D】
2024.09.13Ma.K. in SF3D/ファルケ【マックスファクトリー 1/35】 月刊ホビージャパン2024年10月号(8月23日発売)
傭兵軍 反重力装甲戦闘機 ファルケ 製作/横山宏
月面から帰還し第5戦闘航空団に移籍したウォーレス・クーパー曹長は間接視認システムを備えたファイアボールの搭乗経験から新鋭機ファルケのパイロットに任命された。3回目の出撃は、未知の敵と交戦しファルケが消息を絶った地点への単独偵察飛行だった。
曹長がかつて在籍していた髑髏の部隊章をパーソナルマークにしたのは「亡霊が乗ってるってことは死なないってことだ」と自己暗示をかけているのだという。
「肉眼で風景が見えないのは宇宙も地上も一緒だな」
いまだ地上の重力に慣れない“帰還者”はそう呟きながら、夕日の中を飛行していった。
■整理整頓火の用心!
とうとうマックスファクトリーの1/35ファルケが発売されました。ついに製品版を組み立てる時が来たことに感動します。製品なので当然ながら立派なカラーのインストもあって、しかもとてもわかりやすくてあっという間にかっこいいファルケが机の上に出現します!
ストレートに組み上げるだけでかっこいいファルケが完成しますが、原作者としては我慢できずにテストショットの時のように今回もモールドを伸ばしランナーで埋めさせていただきました。モールドウメロウタですね(笑)。マジでこれがやりたくてMAXファルケを作ってるようなところがあります。凹モールドを埋めることで陰影の見え方が変わってきてまるでパネルを継いだようなリアルさが簡単に手に入るのでぜひ試してほしい工作です。
とはいえ伸ばしランナーを作る作業は火を使うので火事ややけどの防止を徹底することをお願いします! フタを開けたままの薄め液や燃えやすい紙などを置かないよう机の上のスペースをしっかり確保するところからお願いします! ついでに机の上の掃除や整頓ができます。と毎回自分にも言い聞かせてます。ランナーに引火しやすい原因であるススが出るろうそくは使わないほうがいいですね。着火用のハンディガスバーナーでランナーを上のほうから炙って柔らかくしてから伸ばします。下から炙るとランナーが燃えやすい! とにかくランナーに引火させないのが最大のポイントです。
キット本体のグリーンのランナーを使うと本体と見分けがつきにくいのでフィギュアの肌色ランナーを伸ばして使っています。まず伸ばしランナーの端を凹モールドの起点に速乾の流し込み接着剤でいったん止めて固定を確認したらぐるっとモールドに這わせて巻き付けます。そこを流し込み接着剤でしっかり固定します。完全に乾いたら伸ばしランナーをサンディングして表情を出していきます。セラカンナやサンドペーパーで適当に削っていい感じのパネルラインを見つけてください。このとき伸ばしランナーがズレたりするときは流し込み接着剤をそこにもう一度塗って固定しましょう。
塗装はキットのスペードドクロのデカールが貼りたくて、このマークに合う色で塗りました。スピットファイアで高空からの偵察機で上下ブルーの機体があるんだけど、それプラス夜戦機のイメージを足して裏面を黒に塗りました。
最後にとても大事なお話です。実はどんな作例もデカールは7割ほど塗装した段階で貼っています。筆塗りでいいタッチが出た部分がデカールを貼って見えなくなるのは時間も手間ももったいない。デカールは彩度も明度も高く見る人の目が行くので、7割ほど塗った時点でデカールを貼ってまずそれを確認します。そこから貼っていない部分を塗って仕上げていくのがいいんですよ。デカールを貼るときにマークセッターとヒートガンのおかげでデカールのギリギリまで塗装を攻められるのもこれができる大きな要素になっています。人物画を描く際に先に背景を描き込み過ぎたりして人物を描くはずの画面に本来なら隠れちゃう部分をしっかり描くのと同じですね。模型も絵画と同じように全体のバランスを見ながら塗っていくのが上手くチカラを抜くコツです。まずは9割塗ったあたりからこれをやってみてくださいね。(横山宏)
マックスファクトリー 1/35スケール プラスチックキット “PLAMAX”
傭兵軍 反重力装甲戦闘機 ファルケ
製作・文/横山宏
© Kow Yokoyama 2024