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プラモと向き合い少しずつ「自分のものにしていく」筆塗り! きの助がHGバーグラリードッグをラッカー塗料で仕上げる

2024.08.17

少しずつ「自分のものになっていく感覚」こそ筆塗りの醍醐味/ATM-09-DD バーグラリードッグ【BANDAI SPIRITS】 月刊ホビージャパン2024年9月号(7月25日発売)

行きつ戻りつ。少しずつ「自分のものになっていく感覚」こそ筆塗りの醍醐味

塗面が暴れるラッカー塗料だからこそ楽しめる筆塗りがある!!

 筆を介して直接模型に触れる「接触型模型塗装」である筆塗りは、ダイレクトに色を塗り込んでいる感覚を私たちに伝えてくれます。筆の返ってくる感覚、塗料が伸びたりパーツの上で粘ったりする感触すべてが自分の体験になります。この気持ちよい体験が「次も筆塗りしたいな~」と思わせてくれるのです。
 ラッカー塗料の筆塗りはとくに塗面が暴れがち。強い溶剤成分の影響で下塗りした塗料が上塗りした塗料と混ざり合って溶け出す……。この面白さに取り憑かれた人間は「塗料が泣く」と口から発するようになり、パーツの上で起こる不思議なマリアージュに酔いしれたくなるのです。
 きの助のバーグラリードッグの筆塗り作例も、まさにラッカー塗料筆塗りの楽しさの先に生まれたもの。塗りながら色味を調整し、色の冒険を行ったり来たりできる筆塗りならではの楽しさが凝縮された模型をどうぞご覧ください。


きの助の筆塗りはここをチェック!


きの助

▲月刊ホビージャパンや「筆塗りTeibe」連載にて、ラッカー塗料による筆塗り作例を多数手掛けているモデラー。キャラクターモデルだけでなく、スケールモデルの筆塗りも得意とする

パレット上で生まれるグルーヴを感じろ!! 
そして君も筆を取れ!!!

▲何を言っているんだと思われるかもしれないが、きの助塗りの最大の特徴は「常に自分の色を求めながら、その場その場で色味を切り替えていくこと」だ。基本的な色プランは存在するものの、塗りながら「ここは明るくしたい、ここは暗くしたい」などを、その場の感情に任せて色をアドリブで塗っていく。そのエモーショナルで自由な楽しさは、間違いなく筆塗り最大の醍醐味といえる

使用する主な筆・工具

ペーパーパレットと筆

▲塗料や溶剤を除けば、塗装に使用するマテリアルはこれだけ。基本塗装は上野文盛堂の平筆No.2とSSDブラシの72を使用。ウェザリングなどは使い古した筆を使用する

メラミンスポンジ

▲細かな傷を描く「チッピング」をする際に使用。使いたいサイズにちぎってから、塗料を含ませてパーツにポンポンとスタンプするだけで傷が描ける

使用する塗料

下地色

 サーフェイサーと、メインカラーの緑に使用した下地の色をご紹介します。

ガイアノーツ
サーフェイサーエヴォ
オキサイドレッド

▲装甲車両の錆止め塗料などに塗装されるオキサイドレッドの色味を表現した塗料。スコープドッグのパーツすべてにいったんこのサーフェイサーを吹き付けている


フィールドグレー

(2)

▲ドイツ軍の軍服の色として塗られる「フィールドグレー(2)」。深みのある緑が、暗緑色の下地にぴったり



MSディープグリーン

▲明るい緑の下地色にぴったりのグリーン。暗めのグリーンの基本色としてもオススメできる色

メインカラー

 下地色の上から塗る塗料をご紹介します。これらの色を基準に、塗装途中にさまざまな色を混ぜて塗っていきました。主に混色したカラーは、このあとのタッチカラーを参照してください。

デイトナグリーン

▲ウェザリング仕上げにすることも考えて「ツヤのある明るい緑」を暗いグリーンの基本色とした

MSグリーン

▲明るいグリーンのメインカラーはザクにも使用される「MSグリーン」を使用

ブルーFS15044

▲ヘヴィマシンガンなどのブルーグレーの基本色に使用

グレーグリーン

▲バイザー、ターレットレンズの塗装に使用

タッチカラー

 メインカラーの上から薄く塗り重ねたり、メインカラーと混色したりしたのがこちらの塗料。

ガイアノーツ
ピュアホワイト

▲明度を上げたり、彩度を落としたりするために主に混色に使用。あとのウェザリングがしやすくなるように光沢の白をセレクトしている(光沢塗料の上からのほうがウェザリング塗料を落としやすいため)


暗い緑のタッチに使用した塗料

▲デイトナグリーンにミドルストーンとフィールドグレー(2)を混ぜたものでタッチを加えた。塗りながら各面に合わせて適宜混ぜる量を変えて、自分好みの緑色を塗っている

MSグリーン

▲暗い緑のハイライト塗装や傷塗装、さらにこれにピュアホワイトを加えれば明るい緑のハイライト塗装にも使える万能色

ブルーグレーのタッチに使用した塗料

▲ブルーFS15044にピュアホワイトを少量混色したものでタッチを加えていった

©創通・サンライズ ©サンライズ

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