【デビルマン】テレビまんがのムードをそのまんまレジンキットで再現!セル画の色に寄せた青寄りのイメージで仕上げる!【ハセガワ】
2024.07.27俺は誰の言葉も信じねえ。たったひとり牧村ミキを除いてはな。
あのエヴァンゲリオンシリーズにも大きな影響を与えた永井豪の最高傑作『デビルマン』は、1972年から漫画版とTVアニメ版が同時にスタートした、いまでいう「メディアミックス」作品だ。回を追うごとに重厚な黙示録的要素を伴い、壮絶な最後を迎える漫画版に対し、アニメ版は1話完結のヒーローものとして描かれた。今回はハセガワから、そのTVアニメ版のデビルマンがレジンキャストキットとして発売された。当時の子供たちの心をわし掴みにしてはなさないダークヒーローの始祖を見よ!
テレビまんがにこだわったアニメ造形版デビルマン
原型製作者自らが語る ハセガワデビルマン(テレビアニメ版)!
■あれは誰だ?
30年前の自分に「飛行機のハセガワからデビルマンのレジンキットの原型製作の依頼が来るよ♪」って言っても絶対信用しないだろうなあ(笑)と思いながら原型&完成見本を担当させていただきました。長生きはしてみるものですねえ。
■原型について
メーカーの担当さんとじっくり話し合い「余計な付け足しや自分勝手な俺アレンジは排除して昭和47年のテレビまんがのムードをそのまんま再現することに注力しましょう」という方針を固めました。
とくにちびっ子の頃に本放送で番組を観て再放送を繰り返し観て大人になってからは映像ソフトでまた繰り返し観てきたような私と同世代の濃ゆ~いファン(同志よ!)にだけはひとり残らずぶっ刺さるように心を込めました。
■キットについて
組み立てて全塗装までするのはハードルが高いという方も大勢いらっしゃるようなので部品構成はできるだけシンプルに、とりあえず塗装せず組み立てただけでも見映えがするよう構成しました。
まず彫刻の陰影がしっかり視認できるようにレジンの色は白ではなくライトベージュを採用、そのうえでデザインの記号が老眼オジサン達にもはっきり視認できるよう彫刻のさじ加減で陰影をコントロールしました。とくに顔面はデザインの情報を整理して瞳や赤いライン部分もひと通り彫刻にて表現してあります(素組み画像参照)。全塗装派の方には彫刻は邪魔かもしれませんが、スミ入れの要領で簡単に塗り分けできて、塗ってしまえば彫刻が悪目立ちすることもありませんのでどうぞお試しあれ。
またベージュ色のレジンには大好きだった80年代のガレージキット黎明期の趣きもあり個人的な趣味嗜好でそこも狙いました♪
■作例について
キットには価格をギリギリまで抑えるためにスタンドが付属しません。作例ではデーモン族の棲家である氷の国をイメージしたベースを自作しました(スカルピーで原型を製作し型取りして透明レジンに置き換え)。
■彩色について
劇中では肌の色は青←青緑→緑と幅広く、メーカーの完成見本は映像と印刷媒体の両方で馴染み深い緑寄りのイメージで彩色しましたので、本作例ではセル画の色に寄せた青寄りのイメージで彩色してみました。
■今日もどこかでデビルマン
アニメも特撮ヒーローもみんな一緒くたに「テレビまんが」と呼ばれていたあの頃の古き良き作品にどっぷり浸かって育ってきました。この機会に同世代の同志たちに向けて積極的にアプローチしていければいいなと考えています。
リクエストや古い設定資料等の提供をしてくださる方がいらっしゃいましたらぜひとも応援よろしくお願いいたします!
ハセガワ ノンスケール レジンキット
デビルマン(アニメ版)
製作・文/ゼンジクラフト
「デビルマン」デビルマン(テレビアニメ版)
●発売元/ハセガワ●7590円、発売中●約15.5cm●レジンキット●原型/ゼンジクラフト
©Dynamic Planning・TOEI ANIMATION
ゼンジクラフト
昭和のテレビまんがをこよなく愛する造形師。生まれて初めて劇場で観た映画は『マジンガーZ対デビルマン』