簡単フィニッシュで製作!HG「ガンドノード」劇中のイメージどおり並べるために3体のキットを仕上げる!【機動戦士ガンダム 水星の魔女】
2024.07.12XGF-E3 ガンドノード【BANDAI SPIRITS 1/144】 月刊ホビージャパン2024年8月号(6月25日発売)
簡単フィニッシュでクワイエット・ゼロの護人を量産する
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』HGガンプラ、最新アイテムはクワイエット・ゼロを防衛するMS型ガンビットのガンドノードだ。他の機体とはニュアンスが一味違う機械然とした形状や、群れを成しての無慈悲な戦いぶりなどで印象に残る機体であり、プラキット化を待っていたファンも少なくないことだろう。林哲平による作例は、劇中イメージどおり複数体を並べるために簡単フィニッシュで製作。時間をかけずに見映えよく完成させるテクニックや、複数体を同時製作する際のポイントなどをご紹介しよう。
■3本の矢
毛利元就が3人の息子に語った、3本の矢の話をご存知でしょうか? 1本では容易に折れる矢も、3本重ねれば折れない。力を合わせればそれだけ強くなる、という話です。HGガンドノードはびっくりするぐらい出来がよく、組みやすいキットですが、これが3体になると…。たとえ成型色仕上げでも、結構な強敵にパワーアップするんですよね。今回は3体のキットを仕上げるにあたり、1体ずつ着実に作っていく、という方法を採用しました。
■作業方針
効率を考えるならば、3体まとめて同時進行するのが時短にはなります。しかしその場合、パーツ管理などが煩雑になり、部品の紛失リスクも増えてしまうんですよね。ですが1体ずつ作ればそのリスクを減らせるうえ、このパーツをこうを塗ったら映えそうだな、このパーツは切り出し方に気を付けるべきだな、などキットに対する経験も蓄積されます。慣れているぶん1体目より3体目のほうが抜群にスムーズに、クオリティも上げながら作っていけるのです。
■実際の作業
1体目は加工や塗装をどうするべきか考えつつ、仮組みで組んでいきます。キットの関節やメカ部分はダークパープルの成型色なのですが、この色のパーツを部分的にシルバーで塗装して質感を高めようと考えていました。1体目を組む際、構成などからどのパーツを塗装するかもチェックしています。
1体目でキットの概要が把握できたので、2体目以降は仮組みせずスミ入れなどをしながら組み立てます。スミ入れは塗装せずプラ表面に直接行うので、破損リスクを避けるためにリアルタッチマーカーのグレー2を使用。3体目まで作業が終わったら仮組みの1体目をバラし、目星を付けていたパーツにシルバー塗装を3体分まとめて行います。シールのメタリック感を活かしたかったので、シールを貼る前にツヤ消しコート。きめ細かく、しっとりとした表面になる「Mr.スーパースムースクリアーつや消し」を使用しました。これを使うと海老川兼武さんメカの、清潔感ある設定画の雰囲気に近づけられると個人的に思ってます。そしてツヤ消しコート後にシールを貼って完成です。
■実を言うと…
いろいろと解説してきましたが、実はこれだけ考えながらやっても1個パーツを紛失しました(汗)。逆に言えば、それだけパーツ管理や製作の進め方は大切ですよ、ということで…。
BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット “ハイグレード”
XGF-E3 ガンドノード
製作・文/林哲平
HG ガンドノード
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●2420円、1次受注終了、6月~発送予定●1/144、約13cm●プラキット●プレミアムバンダイ販売アイテム
ⓒ創通・サンライズ・MBS
林哲平(ハヤシテッペイ)
モデラーとしても一流の腕前を持つホビージャパン編集スタッフ。How toを主に担当し、あらゆるジャンルの模型に精通している。