HOME記事キャラクターモデル1/35「ダグラム Ver.GT」ビッグサイズのプラキットに装備・フィギュアが揃ったコンプリートDX版を使用して原作を徹底再現!【マックスファクトリー】

1/35「ダグラム Ver.GT」ビッグサイズのプラキットに装備・フィギュアが揃ったコンプリートDX版を使用して原作を徹底再現!【マックスファクトリー】

2024.06.15

コンバットアーマー ダグラム【マックスファクトリー 1/35】●只野☆慶  月刊ホビージャパン2024年7月号(5月24日発売)

PLAMAX ダグラム Ver.GT DXコンプリート版只野☆慶作例「コンバットアーマー ダグラム」ガトリングガン
▲ガトリングガンは抜きの関係でロールバー基部が平坦なので、同スケールのAFVジャンクパーツを駆使してディテールアップ。砲身などの肉抜きもプラ板で埋めている
PLAMAX ダグラム Ver.GT DXコンプリート版只野☆慶作例「コンバットアーマー ダグラム」コクピットアップ
▲コクピットは正面コンソールを接着固定したうえで、正面に接続ステーをプラ材で追加。差し替えでキャノピーの開閉を実現した
PLAMAX ダグラム Ver.GT DXコンプリート版只野☆慶作例「コンバットアーマー ダグラム」懸架用フック
▲各所にある懸架用フックはすべて0.5mm径ドリルで開口して整形している
PLAMAX ダグラム Ver.GT DXコンプリート版只野☆慶作例「コンバットアーマー ダグラム」リニアガン
▲リニアガンはキットのまま。センサー部がクリアー成型なので、クリアーレッドで丁寧に塗り分けている
PLAMAX ダグラム Ver.GT DXコンプリート版只野☆慶作例「コンバットアーマー ダグラム」ハンドアップ
▲ハンドはキットの拳をシリコーンで型取りしてレジンに置換。それをエッチングノコで指単位に切り分け、真鍮線で指をつないで表情を付け、不足部分を各種パテで造形。リニアカノンの砲身を握る手と平手を追加した
PLAMAX ダグラム Ver.GT DXコンプリート版只野☆慶作例「コンバットアーマー ダグラム」ブロムリー アイバン DT2から立ち上がるシーンが再現
▲追加で製作した左平手を使えばブロムリー アイバン DT2から立ち上がるシーンが再現できる
PLAMAX ダグラム Ver.GT DXコンプリート版只野☆慶作例「コンバットアーマー ダグラム」全長27.5cmにもおよぶリニアカノン
▲全長27.5cmにもおよぶリニアカノンは、パーツ数12とシンプルな構成ながら精密な仕上がりとなっている
PLAMAX ダグラム Ver.GT DXコンプリート版只野☆慶作例「コンバットアーマー ダグラム」リニアカノン構え
PLAMAX ダグラム Ver.GT DXコンプリート版只野☆慶作例「コンバットアーマー ダグラム」ターボザック
▲ターボザックはダグラム本体に装着されているポリキャップで抜き差しが可能。ターボザックを装着すると見えなくなる背面にもディテールがびっしりと彫刻されている
PLAMAX ダグラム Ver.GT DXコンプリート版只野☆慶作例「コンバットアーマー ダグラム」リニアガン、ミサイルポッドもポリキャップによる接続
▲リニアガン、ミサイルポッドもポリキャップによる接続。左右にはエネルギーパックが装着されている。左側上部のエネルギーパックのみ切り取り、別に用意されている単体のエネルギーパックを差し込めるようにした
PLAMAX ダグラム Ver.GT DXコンプリート版只野☆慶作例「コンバットアーマー ダグラム」コミックス1巻終盤で見せたシーン
▲右肩アーマーが作例の構造上外すことができないので、完全な状態ではないが、ブロムリー アイバン DT2と組み合わせれば、コミックス1巻終盤で見せたシーンも

■待望の1/35スケール ダグラム
 そういえばコロナ禍以前からMAX渡辺さんが「1/35スケールでダグラム出します!」と言っていたのをよく覚えている。地元名古屋の模型展示会打ち上げの席、確か2018年頃。ご本人は覚えていないかもしれないが、「え? 1/48じゃないんですか?!」と思わず聞き返したんだった。翌2019年秋のホビーショーで1/20ダグラム作例が展示されていて「強ち絵空事でもなさそうだな」という手応えがあり、淡い期待を持ち続けていた。
 2023年冬のワンフェスで1/35 GT版ダグラムの出力品展示を見て、ものすごく腑に落ちた。太田垣さん描き起こしの開発画稿ではソフトスキンを参考にしたであろう複合装甲としてのディテールがビッシリだったり、リニアガン、キャノン共通のエネルギーパック予備がターボザックに装備されていたり、コンバットアーマー自体の解像度が設計レベルで昇華されていたのだ。
 DX版に付属する太陽の牙メンバーのフィギュア造形も素晴らしく、元来ディオラマ展開を想定したマーチャンダイジングを確立した『太陽の牙ダグラム』というタイトルに相応しい王道復古だと歓喜したのだ。
■改造します!
 ホバートレーラー・アイバンの製作が同時進行している前提を鑑みれば、ストレート組みでは収まらない。
 「リニアカノンを左腕でガッチリ保持し、片ヒザ立ちさせたい」「トレーラーから起き上がる姿が見たい」さあ、そのポテンシャルを最大限に引き上げる改造を施そう。
 腰部装甲はまず、エネルギーパック、左右装甲と股間に分割し、腰部関節基部を5mmほどかさ上げし太モモ部の引き上げクリアランスを確保、左右エネルギーパックを引き出し可倒式に改造した。問題は正面左右の装甲だが、トラックなどのドアヒンジに採用されている「フ」の字のアームを介した引き出し機構を採用し、プラ板で試作を繰り返した結果、腹部に引き上げる状況を可能とした。ヒンジ可動部や組み付けには1.2mm×5mm精密ビスを採用。
 次にふくらはぎ内部のポリキャップ装着部を軸と捉え、造形村MMポリキャップ5mmを活用してヒザ裏可動範囲の拡大に挑戦する。可動に支障があるリブをホビーリューターでガンガン削り落としクリアランス確保、収まりが確認できたら整形し、新たな強度保持プラ棒を加え、ポリキャップを挿入し可動部以外を接着した。
 握り拳をシリコーン反転してレジンに置き換え、指単位でバラバラに切り刻み「リニアカノンを握る左手」と「立ち上がる時に地に付いた左平手」に再構築した。
 キャノピーは差し替えで開閉できるように改造、正面コンソールを接着固定したうえで、正面に接続ステーをプラ材で加えたのみで比較的簡単にできた。
■塗装
 フィギュア造形が素晴らしいので必然的に筆塗りが必須となるが、画材をどれにしようかと模索した時、個人的にはなじみのあるアクリルガッシュを想定していたが、本誌ターナーアクリル通信で紹介されていた「U-35 アクリリックス」を採用。その透明度の高さ、ラッカー系塗装との相性もよく併用することで繊細な表現が可能だ。ウォーターパレットを用意した。
 下地塗装はガイアカラーのサーフェイサー各種、ダグラム本体はNAZCAメカサフ ヘヴィ⇒タミヤラッカー スパークリングシルバー⇒ケープスーパーハードの順に塗装。フィギュアにはガイアのサーフェイサーエヴォ フレッシュを下地とした。
 ダグラム本体は基本塗装後、水を含んだナイロン筆を擦り付け、いわゆる「ケープ剥がし」を行う。銀下地が露出するが上塗りした塗料によって剥がれ具合はランダムなのでスチールウールやデザインナイフも併用し剥がし具合を調整した。Mr.ウェザリングカラーによるスミ入れやピグメントによる砂埃の付加を行ったあと、 U-35 アクリリックス各色で表情を付けていった。
 フィギュアは肌の色調がキャラクターによって異なるので、まず基本色を塗り全体の陰影を付け徐々に各色を重ねる。U-35の透明度がレイヤーを重ねるがごとく相互の色に干渉して発色するので、個人的にはコントロールがしやすく感じた。
■真実は見えるか?
 太田垣康男さんの『Get truth 太陽の牙ダグラム』は1巻で新規設計の1/72 GT版ダグラムが付属、つまりプラモデル開発とコミカライズが当初から連携している。1/35に至る経緯には複合的な要因があっただろうことは、キットを手にしてみればかなり伝わるであろう。そして単純なTVシリーズのコミカライズではない徒ならぬ熱量があって、この21世紀にその地平を追えるというのは嬉しい限りだ。デロイアの二重太陽に負けない輝きをこれからも追っていこう。

マックスファクトリー1/35スケールプラスチックキット“PLAMAX”ダグラム Ver.GT DXコンプリート版 使用

コンバットアーマー ダグラム

製作・文/只野☆慶

1/35 ダグラム Ver. GT DXコンプリート版
●発売元/マックスファクトリー、販売元/グッドスマイルカンパニー●21780円、6月予定●1/35、約27.5cm●プラキット


 今回はここまで!
 次回は「ブロムリー アイバン DT2」のスクラッチ作例をご紹介! お楽しみに!

\次回はコチラ/

公開は明日(2024年6月16日)の18時から!

ⓒ太田垣康男/小学館 ⓒSUNRISE

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只野☆慶(タダノケイ)

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