HOME記事キャラクターモデル力強いプロポーションのPLAMAX「VF-1J バルキリー(一条輝機)」をパッケージアート風の筆塗りで仕上げる! 難しい白の筆塗りもご紹介

力強いプロポーションのPLAMAX「VF-1J バルキリー(一条輝機)」をパッケージアート風の筆塗りで仕上げる! 難しい白の筆塗りもご紹介

2024.06.24

VF-1J バルキリー(一条輝機)【マックスファクトリー 1/72】 月刊ホビージャパン2024年7月号(5月24日発売)

▲キット素組み(左)との比較。絶妙な筆塗りによってエアブラシ塗装では表現しきれない繊細な汚し仕上げとなった。キットの段階でも一部のマルイチモールドが成型色で色分けされていたり、パネルラインモールドは深めに造形されているなど、塗装しやすさも考慮された本キット。形状的には抜群の完成度なので、今回の作例のように塗装を重視した製作法にはとても適した内容だ
▲胴体は左右回転に加えて、胸下に前屈可動が備わっている。これによってひねり動作を可能とし、脚可動時の主翼との干渉を回避している
▲今回の作例のモチーフとなった、高荷義之氏が描いたイマイの1/72 VF-1J バトロイドバルキリーのパッケージイラストを参考にしたポージング。違和感なく見えるのは作例としての塗装仕上げはもちろんのこと、本アイテムがイマイの1/72 VF-1J バトロイドバルキリーの完全リニューアルキットとも捉えることができるからだろう
▲フォルムと可動機構の両立によって可能となる当時の映像を彷彿させるアクションポーズの数々。触れば触るほど取らせたいポーズが頭に浮かび、それに応えてくれる。アニメ放送から約40年目にして“アニメに登場したロボットのプラモデル”に到達した決定版と呼べるアイテムといっても過言ではないだろう

テストショットで仕様解説①

▲ガンポッドのスリングは通常タイプと肩がけ用の2種が付属

テストショットで仕様解説②

▲脇腹はパーツの差し替えでカバーの開閉を再現

テストショットで仕様解説③

▲同スケールのパイロットスーツ姿(立ち姿)の一条輝フィギュアが付属。原型は平田英明氏によるもので、約2.5cmほどの大きさながらヘルメット形状や服の皺まで細かく造形されている

 PLAMAXのVF-1Jは可変戦闘機のバトロイド形態ではなく、あくまでかっこいいバトロイドに振り切ったプロポーションがとてもよいです! 力強い胸板と四肢はまさにTV版オープニングの雄姿そのままです。そんなかっこいいVF-1Jなので工作はあくまで最低限、メインは塗装です。工作についてはほぼ手首をいじったのみです。可動確保のために若干手首軸が見えるので、可動が必要そうな銃持ち手以外は軸を1mmほどカットして、前腕パーツとピッタリ合うよう調整しました。
 塗装については高荷義之先生のあのパッケージイラストをイメージして、というオーダーでしたが、なかなかに難しい内容です。イラスト調仕上げということでもありませんので、しばらくは高荷先生のイラストを眺めながら方針を考えました。結果、塗装法はいつもの筆塗りですが、
・単調にならない白の色味
・細かい筆致
を念頭に進めることとしました。
 下地はガイアノーツの「メカサフ ヘヴィ」。これに水性ホビーカラーで塗装を進めます。まずメインとなるボディの白。今回は単調な白にならないよう、1色目は無彩色のグレーからではなく、高荷先生イラストの空の照り返しをイメージして「RLM65ライトブルー」。これに「グランプリホワイト」でタッチを加えて白に発色させ、仕上げに「ホワイト」で面の中心に主にタッチを加えて明るくします。すべての工程において、下の色を完全に隠蔽しないよう、薄く塗り重ねていきます。筆運びに関しても、基本は高荷先生のイラスト準拠で、各パーツ下方向に筆を動かしています。関節部分、ガンポッドは「ジャーマングレーグラウ」を1色目として本体関節部は「RLM65ライトブルー」で強めの退色表現を、ガンポッドには「ジャーマングレーグラウ(退色)」で軽くタッチを加えます。各部の赤ラインは航空機らしいシャープさが欲しかったので、キット付属のデカールを使用しました。全体になじむよう貼ったあとに「薄茶色」で退色表現を加えています。また、細かい箇所のタッチアップには「サーモンピンク」がほぼ同色で使用できます。タミヤエナメル「ダークグレイ」でスポンジチッピングを行いますが、筆致の情報の一部として機能してほしいことから、あくまで細かい傷で入れていくことを心がけました。プレミアムトップコート(半光沢)でコートしたのち、タミヤスミ入れ塗料のダークブラウンでウォッシングし、拭き取りを行います。拭き取りも筆と同様に基本下方向に拭き取って完成です。高荷イラストという筆塗りモデラーにとっての高い壁に今回どれくらい近付けたのかは分からないですが、ひとまず今の精一杯にはなったかと思います。
 ひとつ言えるのは、PLAMAXのVF-1Jはめちゃくちゃかっこいいということです! オススメです!!

マックスファクトリー 1/72スケール プラスチックキット“PLAMAX”VF-1J バトロイドバルキリー(一条輝機)使用

VF-1J バルキリー(一条輝機)

製作・文/清水圭

PLAMAX 1/72 VF-1J バトロイドバルキリー(一条輝機)
●発売元/マックスファクトリー、販売元/グッドスマイルカンパニー●4180円、5月予定●1/72、約18.5cm●原型/バトロイド:ノリモータース、フィギュア:平田英明(マックスファクトリー)●プラキット

©1982,1984,1992,1994,2002,2015 BIGWEST ©2007 BIGWEST/MACROSS F PROJECT・MBS

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清水圭(シミズケイ)

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