力強いプロポーションのPLAMAX「VF-1J バルキリー(一条輝機)」をパッケージアート風の筆塗りで仕上げる! 難しい白の筆塗りもご紹介
2024.06.24VF-1J バルキリー(一条輝機)【マックスファクトリー 1/72】 月刊ホビージャパン2024年7月号(5月24日発売)
テストショットで仕様解説①
テストショットで仕様解説②
テストショットで仕様解説③
PLAMAXのVF-1Jは可変戦闘機のバトロイド形態ではなく、あくまでかっこいいバトロイドに振り切ったプロポーションがとてもよいです! 力強い胸板と四肢はまさにTV版オープニングの雄姿そのままです。そんなかっこいいVF-1Jなので工作はあくまで最低限、メインは塗装です。工作についてはほぼ手首をいじったのみです。可動確保のために若干手首軸が見えるので、可動が必要そうな銃持ち手以外は軸を1mmほどカットして、前腕パーツとピッタリ合うよう調整しました。
塗装については高荷義之先生のあのパッケージイラストをイメージして、というオーダーでしたが、なかなかに難しい内容です。イラスト調仕上げということでもありませんので、しばらくは高荷先生のイラストを眺めながら方針を考えました。結果、塗装法はいつもの筆塗りですが、
・単調にならない白の色味
・細かい筆致
を念頭に進めることとしました。
下地はガイアノーツの「メカサフ ヘヴィ」。これに水性ホビーカラーで塗装を進めます。まずメインとなるボディの白。今回は単調な白にならないよう、1色目は無彩色のグレーからではなく、高荷先生イラストの空の照り返しをイメージして「RLM65ライトブルー」。これに「グランプリホワイト」でタッチを加えて白に発色させ、仕上げに「ホワイト」で面の中心に主にタッチを加えて明るくします。すべての工程において、下の色を完全に隠蔽しないよう、薄く塗り重ねていきます。筆運びに関しても、基本は高荷先生のイラスト準拠で、各パーツ下方向に筆を動かしています。関節部分、ガンポッドは「ジャーマングレーグラウ」を1色目として本体関節部は「RLM65ライトブルー」で強めの退色表現を、ガンポッドには「ジャーマングレーグラウ(退色)」で軽くタッチを加えます。各部の赤ラインは航空機らしいシャープさが欲しかったので、キット付属のデカールを使用しました。全体になじむよう貼ったあとに「薄茶色」で退色表現を加えています。また、細かい箇所のタッチアップには「サーモンピンク」がほぼ同色で使用できます。タミヤエナメル「ダークグレイ」でスポンジチッピングを行いますが、筆致の情報の一部として機能してほしいことから、あくまで細かい傷で入れていくことを心がけました。プレミアムトップコート(半光沢)でコートしたのち、タミヤスミ入れ塗料のダークブラウンでウォッシングし、拭き取りを行います。拭き取りも筆と同様に基本下方向に拭き取って完成です。高荷イラストという筆塗りモデラーにとっての高い壁に今回どれくらい近付けたのかは分からないですが、ひとまず今の精一杯にはなったかと思います。
ひとつ言えるのは、PLAMAXのVF-1Jはめちゃくちゃかっこいいということです! オススメです!!
マックスファクトリー 1/72スケール プラスチックキット“PLAMAX”VF-1J バトロイドバルキリー(一条輝機)使用
VF-1J バルキリー(一条輝機)
製作・文/清水圭
PLAMAX 1/72 VF-1J バトロイドバルキリー(一条輝機)
●発売元/マックスファクトリー、販売元/グッドスマイルカンパニー●4180円、5月予定●1/72、約18.5cm●原型/バトロイド:ノリモータース、フィギュア:平田英明(マックスファクトリー)●プラキット
©1982,1984,1992,1994,2002,2015 BIGWEST ©2007 BIGWEST/MACROSS F PROJECT・MBS
清水圭(シミズケイ)
水性ホビーカラーの筆塗りで仕上げる筆塗りの達人。基本的にAFVやリアルメカなどの泥臭いものを好む。