継続高校のT-34を2輌一挙に製作!2メーカーのキットを使い劇中再現の工作内容を比較する【ガールズ&パンツァー 最終章】
2024.05.232メーカーのキットで継続の尖兵を作り比べ!
めでたく映像ソフトも発売された『ガールズ&パンツァー 最終章』第4話。今回は継続高校仕様で登場したT-34の作例をお送りしよう。冬季無限軌道杯準決勝では、継続高校の戦力として2種の塗装が施された3輌が登場。主にKV-1に随伴して大洗を追い立て、試合終盤の雪山の斜面での戦いでもアリ車とレイノ車が参戦した。模型として2種の塗装パターンはどちらも捨てがたい、ということで、山田卓司による作例は2輌を一挙に製作。1/35で製作する際の選択肢となるであろうプラッツとタミヤのキットをそれぞれ使い、劇中再現の工作内容を比較してみた。『ガルパン』版T-34製作の際はぜひ本記事を役立ててもらいたい。
プラッツ
タミヤ
TV版のプラウダ高校戦以降あまり目立っていなかったT-34が、継続高校車輌として登場したので改めて作ってみました。使用したのは現在入手しやすいタミヤの「T-34/76戦車1943年型」とプラッツ(パーツはドラゴン製)公式キット「T-34/76プラウダ高校」。設定画はタミヤのほうが似ている部分は多いのですが、細部ディテールは最新の考証で開発されたプラッツに軍配が上がります。工作量自体はさほど違いはありませんでした。
以下、主な工作点です。
・ 第1・第5転輪は段付きディッシュ転輪(タミヤは1942年型、プラッツはドラゴンのT-34/76 Mod.1940から流用可能)。
・ 車体前面左右にふたつ穴が開いた金具が付く
・ フェンダーは前部左右の補強用リブ削除。前部、後部の取り付けリベット(ボルト?)の数が少ない
・ 車体前面牽引フック留め金に固定用金具追加
・ 上部に増加装甲を追加。ドライバーハッチ下に跳弾板追加
・ 車体機銃が少し長い。アンテナ基部をサイズアップ
・ 車体左側前部のライト、ホーン、引き込み菅の位置変更
・ 車体側面の手すりは左右同じものを2個ずつ配置
・ 側面フェンダーはフックをすべて削除。補強用リブはフェンダー中程までしか届いておらず、片側2ヵ所のみ。タミヤ版は備品箱に留め金追加
・ 車体後部パネル上部にパイプ追加。パネル点検口に手すり追加。パネル下端のヒンジは2個だけ。
・ 車体後部下面の牽引用フックは留め金はなし(タミヤ版はそのまま)
・ 砲塔下部の段差のラインは独特な形状
・ 砲塔天面、ハッチ周囲にリングと板追加(プラッツ版はリングのみ)。後ろ側2個のアイボルトの位置変更
厳密にはどちらもキット単体での再現はできず、ディッシュ転輪を流用する必要があります。キットとして作りやすいのはタミヤですが、車体の袖部下面が筒抜けなのでプラ板などでふさぐ必要があります。備品箱や砲塔天面、牽引フックの留め金など細部ディテールはプラッツのほうが優れています。履帯は2輌ともモデルカステンを使いました。
塗装はタミヤを3色迷彩塗装、プラッツをホワイト1色の冬季迷彩で仕上げました。3色迷彩はホワイト部分にGSIクレオスの漆喰色、ブラウン部分は混色して作った自家製ブラウン、グリーンをガンダムカラーのMSディープグリーンを使用。ホワイトを塗装後にマスキングしてからブラウン、グリーンを筆塗り(足周りはそれぞれエアブラシ塗装)しました。冬季迷彩は足周りをGSIクレオスのカーキで塗装。全体をグレーで塗装後、ホワイトをエアブラシでムラになるよう塗りました。
足周りの積雪表現はタミヤのテクスチャーペイントの粉雪とタミヤカラー水性アクリルのフラットホワイトを混ぜ、溶剤で溶いて筆塗りで仕上げています。
プラッツ 1/35スケール プラスチックキット ガールズ&パンツァー 劇場版 T-34/76 プラウダ高校 &タミヤ 1/35スケール プラスチックキット ソビエト T34/76戦車 1943年型 使用
T-34 継続高校
製作・文/山田卓司
© GIRLS und PANZER Finale Projekt
山田卓司(ヤマダタクジ)
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