「サイコフレーム」を巡るU.C.0090年代の争い!そのストーリーを時系列で解説!
2024.05.03人類には過ぎたる未知の技術サイコフレームとは? 月刊ホビージャパン2024年6月号(4月25日発売)
U.C.0093すべてのきっかけとなった「アクシズ落とし」の奇跡
宇宙世紀0090年代初頭は、「恐竜的進化」と呼ばれる過度なモビルスーツ開発の反省から、軍縮に舵を切った時代である。地球連邦軍の多種多様なモビルスーツはほぼジェガンに統合されるが、一部のエースパイロットからは不満が噴出していた。
一方、新生ネオ・ジオンを興したシャア・アズナブルは、自身が仕掛ける戦争が小規模に展開することを見越し、少数精鋭のニュータイプ部隊の編制を推進。積極的にサイコミュシステムの開発を進め、革新的な構造部材であるサイコフレームを生み出す。サイコフレームは、ネオ・ジオンにとって大きなアドバンテージとなる技術だったが、シャアはアムロと互角の機体で勝負することを望み、意図的に情報を横流しした。
初のサイコミュシステム搭載型のガンダムに搭乗したアムロは、自身の望むコンセプトが具現化したことを感じつつも、脳波にダイレクトに反応する特性を「過敏すぎる」と漏らした。
アムロとシャアという優れたニュータイプ同士、そしてνガンダムとサザビーというサイコフレーム機同士の戦いは、アクシズの落下をきっかけとしてサイコフレームの共鳴を発生させ、人々の意思を結び付けるという現象を引き起こした。この共鳴によって敵味方関係なく、アクシズの落下を防ぐために行動した。これには、チェーン・アギが戦場にもたらしたサイコフレーム片も影響を与えたとされる。やがて過集中となった人の意思がオーバーロードし、サイコフレームは虹色に発光。「アクシズの落下を防ぐ」という奇跡を引き起こす。この事件を受けてサイコフレームには未解明な点が多いと判断され、表面的には封印されるに至った。
U.C.0096人知を超えたフル・サイコフレーム機がもたらしたもの
宇宙世紀0096年、あくまで表向きは封印されていたサイコフレームだが、「アクシズ落とし」以後も水面下で研究は継続された。地球連邦軍の再編を目的とした「UC計画」では、ムーバブル・フレームの構造部材としてサイコフレームを使用するフル・サイコフレーム機の建造が実現。同フレームを採用したユニコーンガンダムが3機ロールアウト。ユニコーンガンダムはラプラスの箱を巡る「ラプラス事変」において実戦へと投入されると、さまざまな奇跡を引き起こした。
一方、ネオ・ジオン残党である『袖付き』も、強奪したサイコフレーム搭載型の試作機をシナンジュとして改修し、「赤い彗星」の再来であるフル・フロンタルが搭乗して戦場へと投入された。
シナンジュはのちにハルユニットとの合体によってネオ・ジオングと化し、疑似サイコフレームである「サイコシャード」を発生させ、2機のユニコーンガンダムと戦闘。フロンタルは意図的にサイコ・フィールドを生み出して「火器を無力化する」というイメージを具現化し、戦いを有利に進めようとした。だが「刻の記憶を垣間見る」という想定外の現象を引き起こし、最終的にはバナージの想いがフロンタルを浄化、ユニコーンガンダムがネオ・ジオングを崩壊させるという結末に至った。
ユニコーンガンダムが起こした事象で特筆すべきは、コロニー・レーザーから標的となったメガラニカを守るべく、ユニコーンガンダムとバンシィがサイコフレームを共振させ、サイコ・フィールドによってレーザーの威力を相殺させたことだろう。極限にまで共振させたユニコーンガンダムのサイコフレームは結晶化、敵である地球連邦軍のモビルスーツ部隊に対してサイコ・フィールドを放ち、ジェネレーターを停止・分解するという現象を引き起こしている。
こうした事象を機にユニコーンガンダムとバンシィの危険性を考慮した地球連邦軍とミネバ・ラオ・ザビ派は、協議のうえ、技術的特異点(シンギュラリティ・ワン)と呼称された両機を封印することになる。
U.C.0097『不死鳥狩り』作戦
ラプラス事変後、地球連邦軍やミネバ派など、ユニコーンガンダムに関係した勢力は、サイコフレームの研究、製造を禁止する協定を結ぶも、複数の組織がサイコフレームを搭載した機体・新技術に着目。なかでも消息不明となっているユニコーンガンダム3号機フェネクスの捕獲は、封印された技術を得る絶好の機会であった。民間企業であるルオ商会のミシェル・ルオもフェネクス奪取に動き、νガンダム以前に開発されたサイコフレーム試験機を近代改修したナラティブガンダムを、ヨナ・バシュタの搭乗によって戦場へ投入する。さらにミシェルは、サイコフレーム同士の戦いによってフェネクスをおびき寄せるべく、Ⅱネオ・ジオングを水面下でジオン共和国へ譲渡していた。
ジオン共和国のゾルタン・アッカネンの搭乗によって戦場へと投入されたシナンジュ・スタインと、Ⅱネオ・ジオングだが、ゾルタンの暴走によって新サイド6を巻き込む戦闘へと発展。Ⅱネオ・ジオングのサイコシャードによって、新サイド6のヘリウム3タンクを誘爆させて、地球連邦軍艦隊を壊滅させている。
また、サイコジャックによって地球連邦軍モビルスーツを意のままに操るなど、あらゆるサイコミュ機能によって、フェネクスとナラティブガンダムを追い詰めていく。
だが、ヨナがフェネクスへ搭乗したことを機に形勢は逆転。デストロイモードへと変身したフェネクスはⅡネオ・ジオングとゾルタンを葬り去るだけではなく、臨界の危機に達していたヘリウム3タンクをも鎮めるのだった。
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