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多種多様な形状のパーツから生まれるオリジナルSFメカ「ロス・ヘルモス製 汎用作業機 LHEW-9A ヤーグ」の製作過程&設定をお届け!【MIXINGSCAPE】

2024.04.22

MIXINGSCAPE/ロス・ヘルモス製 汎用作業機 LHEW-9A ヤーグ【スクラッチビルド 1/16】●大森記詩 月刊ホビージャパン2024年5月号(3月25日発売)

MIXINGSCAPE大森記詩スクラッチビルド「ロス・ヘルモス製 汎用作業機 LHEW-9A ヤーグ」

MIXINGSCAPE No.004

 彫刻家でありモデラーでもある大森記詩が「ミキシング/キットバッシング」の手法で作り上げたオリジナルSFメカを、その製作プロセスとともにお届けする連載企画MIXINGSCAPE。多種多様な形状のパーツから生まれる新たなフォルムの数々を今回もお楽しみいただきたい。

HPはこちら:kishiomori.com

MIXINGSCAPE大森記詩スクラッチビルド「ロス・ヘルモス製 汎用作業機 LHEW-9A ヤーグ」右側
MIXINGSCAPE大森記詩スクラッチビルド「ロス・ヘルモス製 汎用作業機 LHEW-9A ヤーグ」背面
MIXINGSCAPE大森記詩スクラッチビルド「ロス・ヘルモス製 汎用作業機 LHEW-9A ヤーグ」コクピットアップ

(-本艇の当該区域到着予定は0930。操縦者は搭乗機内で待機、識別コード更新、進入不可区域および地形現況についても充分再確認されたし、最優先事項はリアクターの回収。ピックアップ地点はノーザンクフのプラント周辺を予定。繰り返す、本艇の当該区域到…-)
「…ずいぶんと慌ただしいじゃないか。戦域解除されてるとはいえ、時間は通常の半分。しかもコントーラの哨戒機は滞空したままなんだろ? 出戻り早々に妙なクジを引いたぜ…」
「あの辺りはまだ冷めてないからな。かなりの収穫があると踏んだのか。ブツさえ引き渡せるなら、残り物は好きにしていい。そんな特約を飲ませたんだろ。それなら多少の危険は負うさ。」
「コントーラ相手に腹芸を? ホルヒスの奴、偉くなったもんだ…しかし、負うのは現場だろ…またクローラーなんかにぶち当たってみろ、最悪だ。」
「だから哨戒機が飛んでるんじゃないか。無人機は無人機に任せておけばいいわけだ。こっちは一応民間の非武装有人機、逃げの一手さ。」
「それが難しいんだろうが…」
「おかげで俺たちは仕事にあぶれない。それに、曳火の下で障害除去をするより遥かにマシだ。」
「……そう言われたらな…もう戦闘工兵だけは勘弁だぜ。」

MIXINGSCAPE大森記詩スクラッチビルド「ロス・ヘルモス製 汎用作業機 LHEW-9A ヤーグ」箱組み
▲自律型やら遠隔操縦だのと、普段はついつい無人機を作ってしまうのですが、気分を換えて有人機です。そうなったら欠かせないのは操縦席部分ですよね。そのようなわけで、プラ板でまずは箱を組んでみます。これを基準にしながら芯棒作りをしていきました。開始から操縦席の区画が大きいので、もし途中段階で重くなってきてもバランスを保てるように、芯棒は関節部を定番のはさみ込みでしっかりと組み合わせます
MIXINGSCAPE大森記詩スクラッチビルド「ロス・ヘルモス製 汎用作業機 LHEW-9A ヤーグ」操縦員製作途中
▲操縦員はエポパテで造形しています。元々タミヤなどの1/16スケールの人物が好きなのですが、作りやすくて単体でも良いサイズ感ですよね。ヘルメットのバイザー部分にはディテールとしてバイクキットのパーツを使いました
MIXINGSCAPE大森記詩スクラッチビルド「ロス・ヘルモス製 汎用作業機 LHEW-9A ヤーグ」操縦員とコックピットの内装製作途中
▲操縦員とコックピットの内装がある程度進んだところで機体を作っていきます。操縦席の形が箱状なので、どうしても面的になりやすいですが、ここで特に正面背面からのシルエットなどを踏まえつつ、起伏と奥行きが出るように意識してパーツを組み合わせていきます
MIXINGSCAPE大森記詩スクラッチビルド「ロス・ヘルモス製 汎用作業機 LHEW-9A ヤーグ」背面のディテール製作途中
▲背面のディテールは日々バイクに乗りながら目にする収集車やクレーン車など、働く車を参考にしてみました
MIXINGSCAPE大森記詩スクラッチビルド「ロス・ヘルモス製 汎用作業機 LHEW-9A ヤーグ」パンター戦車の砲塔をカットした外装を取り付け
▲パンター戦車の砲塔をカットした外装を取り付け、脚部にはバイクのフレームパーツなどを追加しながら、それらしい構造に見えるようにしていきます
MIXINGSCAPE大森記詩スクラッチビルド「ロス・ヘルモス製 汎用作業機 LHEW-9A ヤーグ」腕部と脚周りが出来てきた
▲腕部と脚周りが出来てきたところで、エポパテを棒状にし、半硬化したところで腕部と機体を繋ぐチューブとして加えました。足首にもケーブルを付けていきますが、このぐらいのスケールだと3mmぐらいの径が好みです。最近は程良い硬さの自動車用配線コードを使っています
MIXINGSCAPE大森記詩スクラッチビルド「ロス・ヘルモス製 汎用作業機 LHEW-9A ヤーグ」機体両側面にベースを貼り付け、タミヤのドイツ軍スタッフカー、ハセガワのホークアイ同梱のものを合わせる
▲今回はデカールも流用していきますが、英軍機の特徴であるラウンデルのデカールは、中心の赤丸とベースの円環がセパレートされているものがありますよね。あのベースがとても便利で、そこに他モチーフのマークなどを重ね貼りするのも楽しいです。機体両側面にベースを貼り付け、タミヤのドイツ軍スタッフカー、ハセガワのホークアイ同梱のものを合わせました
MIXINGSCAPE大森記詩スクラッチビルド「ロス・ヘルモス製 汎用作業機 LHEW-9A ヤーグ」塗装前
▲汎用性を感じられるSF作業機を、今の自分はどんな風に作るのか。そんな動機で始めてみた今回ですが、数々の先達、なかでも「多足歩行型作業機械 (もしくは「汎用人間型作業機械」)」などがいかに素晴らしいかを再認識できた機会でした(ちなみに96式が好きです)。定番な構図ですが、操縦席が開いている状態のシルエットって、良いですよね。操縦員のポージングもこれがやりたくて決めました。今後は操縦席の組み込み方もいろいろ試してみたいと思っています
MIXINGSCAPE大森記詩スクラッチビルド「ロス・ヘルモス製 汎用作業機 LHEW-9A ヤーグ」

1/16スケール スクラッチビルド

ロス・ヘルモス製 汎用作業機 LHEW-9A ヤーグ

製作・文/大森記詩

全高35.2cm×全幅29.5cm×奥行き34cm


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大森記詩(オオモリキシ)

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