HOME記事ガンダムHGティフォエウスガンダム・キメラ 満天のギミックを殺さず完成度を高めるキットレビュー作例『ガンダムビルドメタバース』

HGティフォエウスガンダム・キメラ 満天のギミックを殺さず完成度を高めるキットレビュー作例『ガンダムビルドメタバース』

2024.04.20

ティフォエウスガンダム・キメラ【BANDAI SPIRITS 1/144】 月刊ホビージャパン2024年5月号(3月25日発売)

合体機構に注意しながら細部の隙を詰めていく

 ガンダム公式 YouTube チャンネル「ガンダムチャンネル」他にて配信中の『ガンダムビルドメタバース』より、マスカリージャが使用する「ティフォエウスガンダム・キメラ」がHGキット化。ティフォエウスガンダムとクタン双竜型が合体することで最強形態であるティフォエウスガンダム・キメラを再現。特徴的な各武装ギミックも再現されており、質・量ともにシリーズ最大ボリュームとなっている。JUNIIIによるキットレビュー作例は、合体機構や各武装ギミックに支障をきたさないように各部の隙をなくす工作で完成度を高めている。

▲コアユニットであるティフォエウスガンダムにクタン双竜型が合体することで完成するティフォエウスガンダム・キメラ。クタン参型にサイコ・ガンダムMk-IIの腕、2基のドラゴンヘッドが追加されており、その名のとおりギリシャ神話に登場する複数の生物が組み合わさった怪物のような異形になっている。ドラゴンヘッドには8基のリフレクタービット改を搭載しており、付属のベースで展開状態を再現可能
▲別売りのENTRY GRADEラーガンダム(製作/哀川和彦)とのツーショット。全高約25.7cmの巨大感をご確認いただきたい
「ラーガンダム」のWeb記事はこちら
▲クタン双竜型本体は左右のガードバーをプラパイプに変更。機銃はピンバイスで開口し、左右の肉抜きはエポパテで埋めている
▲滑腔砲は接着して合わせ目を処理。砲口と機銃の銃口はピンバイスで開口して奥行きを持たせた。サイトはプラ板で製作したものを塗装して両面テープで貼り付けた。ラックの丸モールドは表面処理のために一度削り落とし、ポンチで切り出したプラ板を貼り付けている
▲サイコアームユニットIIは肩アーマー裏面の押し出しピン跡を瞬間接着剤で埋め、台形に切り出したプラ板を貼り付けて目立たなくした。本体接続アームは肉抜きをエポパテで埋め、前腕はヒジ側の開口部をプラ板で塞いだ
▲メインスラスターと大型ブースターが大推力であることを感じさせる。ドラゴンヘッドには収納状態のリフレクタービット改がマウントされているのが確認できる
▲脚部パーツは側面にある可動アーム裏側の肉抜きをプラ板やプラ丸棒などで塞ぎディテールを追加。可動部の一部はプラ板で目隠しをして塗装後に両面テープで貼り付けた。ドラゴンヘッドの裏面は押し出しピン跡を六角形などに切り出したプラ板を貼り付けて目隠し兼ディテールアップを行った
▲リフレクタービット改は中央のレンズ部をピンバイスで開口し、アクリル丸棒から削り出したものを差し込んでディテールアップ。削り出したレンズ裏面にメッキテープを貼り付けることで光を反射するようにしている
▲ラファエルガンダムをベースとしたティフォエウスガンダム。GNビームライフルを装備し、クタン双竜型の滑腔砲とドラゴンヘッドを使用することができる

▲首のポリパーツはプラ板で囲って塗装可能にした。肩取り付け基部の球体は塗膜剥がれ防止のため周囲を削り込んでいる。胸部のプレート先端はやや削り込んで接着面を広くしてからプラ板を貼ってシャープ化。背中のスラスターノズルはキットパーツを削り落としてからコトブキヤM.S.G「バーニアノズルIII」に置き換えた

▲肩アーマー裏の肉抜きは瞬間接着パテで埋めてから内側の曲面に合わせて整形。奥まった箇所はプラ板で塞いでいる
▲腰部は各アーマー裏の開口部を各形状に切り出したプラ板を貼り付けて立体的に仕上げている。リアアーマー上部開口部は瞬間接着パテで埋めて平らに整形。股間軸は付け根に輪切りにしたプラパイプを被せてボリュームアップした
▲ドラゴンヘッドとサイコアームユニットIIの追加、大型ブースターの取り付け位置変更によって、輸送ブースターであるクタン参型から大きく印象を変えている
▲付属のリード線とベースでサイコアームユニットII、ドラゴンヘッドの射出状態を再現。サイコアームユニットIIは全指が独立可動し、ドラゴンヘッドは3枚のプレートが可動する

■大型キットです
 神バーニングガンダムに続き再び『ガンダムビルドメタバース』に参戦です。キットはティフォエウスガンダムにクタン双竜型を合体させてティフォエウスガンダム・キメラへと変形させるのでかなりのパーツ点数となります。パーツの紛失には充分注意して作業しましょう。久しぶりの大型キットなので少し焦りながら製作開始です。

■ティフォエウスガンダム
 頭部はアンテナ先端(裏側の面)にある安全用の突起を丁寧にニッパーでカットしてからヤスリで平らに整形。アンテナは正面から見たときに少し厚みがあるので、裏面の縁の角を削って薄く見えるよう調整しました。こうすると面中央に厚みが残るのでアンテナの強度が確保できます。腰部は若干アーマー位置が上がっている感じがしたので、腹部あたりを延長してバランスを取ろうかと考えたのですが、余計なことをすると合体時に支障が出そうなので止めておきました。腕部はヒジアーマーの後ハメはせずに合わせ目を処理。マスキングで塗り分けました。つま先も前腕部と同じように可動フレームを組み込んでから合わせ目を処理。足首のボールジョイントは左右で形状が異なるので、組む際は注意しましょう。間違えると可動範囲が狭くなります。

■クタン双竜型
 各ブロックは基本的な表面処理やパーツの合わせ目消しを行っています。目立ちそうな肉抜きはプラ板や軽量タイプのエポパテなどを使い分けて処理しています。可動部が多いので、塗装剥がれ防止に各可動部の内側を少し削って塗膜分の隙間を作っておくとよいでしょう。サイコアームユニットIIの肩アーマーにあるビーム砲口はやや物足りなかったのでコトブキヤM.S.G「丸モールドIV」でディテールアップしました。

■塗装
 ティフォエウスガンダム・キメラは組み替えやパーツの脱着が多いので、あらかじめ各パーツの接続軸や開口部をマスキングをして、塗料が付かないようにしています。塗料はGSIクレオスのMr.カラー、フィニッシャーズのフィニッシャーズカラーを使用。
赤=マイカレッド
黒=グレーFS36081+ウイノーブラック
金=スーパーリッチゴールド
グレー(ティフォエウスガンダム)=RLM75グレーバイオレット+ホワイト
グレー(クタン双竜型)=グレーFS36081+ホワイト
ノズル=ファインシルバー+チタニウム
リフレクタービット改(ミラー部)=クロームシルバー→パールブルー
クリアーパーツ裏面=クロームシルバー
 デカールは水転写式の「HJモデラーズ オリジナルデカール」を使用。ミラーゴールドとミラーシルバーを使い分けて少しゴージャスに仕上げました。

BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット “ハイグレード”

ティフォエウスガンダム・キメラ

製作・文/JUNIII

HG ティフォエウスガンダム・キメラ
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●8800円、発売中●1/144、約25.7cm●プラキット


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ⓒ創通・サンライズ

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