HOME記事キャラクターモデル今こそアーマード・コアのキットを作ろう! 名キット「C01-ガイア」の造形美を塗装で引き立てる

今こそアーマード・コアのキットを作ろう! 名キット「C01-ガイア」の造形美を塗装で引き立てる

2024.03.16

ミラージュ C01-ガイア【コトブキヤ 1/72】 月刊ホビージャパン2024年4月号(2月24日発売)

ミラージュ C01-ガイア イメージカット

見よ、往年の名キットの底力

 最新タイトルの大ヒットを受けて盛り上がりを見せているフロム・ソフトウェアの『アーマード・コア』シリーズ。長らく同作のプラキットを展開し続けてきたコトブキヤも『アーマード・コアVI ファイアーズオブルビコン』からの新作キット発売を発表、さらにこれまでの既存アイテムを再販・リパッケージで続々と復活させている。その先陣を切ったのが、コトブキヤのACキット第1弾でもあったC01-ガイアだ。美しい成型色と細やかなパーツ分割、緻密な造形により、多くのモデラーに衝撃を与えたアイテムである。『アーマード・コア』熱が高まっている今こそこのキットを振り返るべく、かいんが正面から真っ向勝負。極力キットの形状をいじらず、塗装でキットの造形美を引き立てるよう製作している。コトブキヤACキットの魅力を改めて実感いただきたい。

ミラージュ C01-ガイア 正面
▲PS2用ソフト『アーマード・コア ネクサス』OPムービーに登場するAC。「ミラージュ」はメーカー名、「C01-ガイア」はコア(胴体)パーツの名である。キットは2005年発売、良好な質感のメタリック成型色パーツで細やかな分割がなされており、AC特有の色気ある形状とディテールを見事に表現している。作例はキットをストレートに組み、ディテールが映える効果を狙って塗装を施したもの。キットの地力の高さも相まって、存在感抜群の1作に仕上がっている
上半身アップ
インサイド接続部
インサイド

▲コアに搭載されている補助装備・インサイドは着脱可能。外した下のディテールもしっかり塗り分けている

塗装工程を解説

(写真協力/模型製作スペース・プラスタ)

第1工程 ベース

GX201メタルブラック+GX216メタルダークブルー(2:1)をベタ吹き
▲ベース色にGX201メタルブラック+GX216メタルダークブルー(2:1)をベタ吹き

第2工程 銀でドライブラシ

Mr.カラー8番のシルバーでエッジを中心にドライブラシ
▲Mr.カラー8番のシルバーでエッジを中心にドライブラシ。禿げ表現というよりはエッジを強調するハイライトとして行う

第3工程 クリアーブルーで彩色

GX103ディープクリアブルーを面吹き 青みの追加と先ほどの銀ドライブラシ
▲GX103ディープクリアブルーを面吹きし、青みの追加と先ほどの銀ドライブラシを馴染ませる。顔料系クリアーは染料系よりも吹きつけ量での色の差が出にくく便利

第4工程 追加銀ドライブラシ

シルバーでコーナー中心(より擦れや傷が出やすそうな所)に追加ドライブラシ
▲同じシルバーでコーナー中心(より擦れや傷が出やすそうな所)に追加ドライブラシ。面中央にも少しドライブラシを入れる

第5工程 ムラ吹きによるトーン調整

クリアーのブラックとブラウンを吹きつけ
▲不織布を引き伸ばしたものでマスクしながら、クリアーのブラックとブラウンを吹きつけて、色のムラや色調の変化を加えつつトーンを落とす

第6工程 ウォッシング、クリアーコート

Mr.ウェザリングカラーのマルチブラックをかなり薄めたものでスミ入れと同時にさらにトーンダウン Ex-セミグロスクリアー+Ex-フラットクリアー(1:1)でコート
▲Mr.ウェザリングカラーのマルチブラックをかなり薄めたものでスミ入れと同時にさらにトーンダウン。最後にEx-セミグロスクリアー+Ex-フラットクリアー(1:1)でコートして完成
上半身アップ 正面
上半身アップ 背面

▲クリアーパーツ内や構造物の影になる部分まで抜かりなく手を入れている。細かな凹ディテールはフィニッシュシートを細切れにして貼り独特の質感を追加。右胸部パイプ下と背面中央には2枚だけデカールを貼った

ミラージュ C01-ガイア 背面
脚部アップ
左腕のレーザーブレード
▲左腕のレーザーブレード「WL-MOONLIGHT」は別キットから流用した刃を装着できるようにした
左腕のレーザーブレード 装備状態
ポージング画像

 ども、かいんです。今回は自身も大ファンな『アーマード・コア』シリーズからミラージュ C01-ガイアを製作させていただきました。
 テーマとしては工作はなるべく控えて塗装で魅せるというものです。ACの独特の雰囲気を再現するために、今回は「キレイな使用感」を目標としました。具体的には「銀ドライブラシはディテールの強調がメインの目的」「いわゆる塗装禿げではなく、擦れやタッチアップ、再塗装による変色」「CGのテクスチャ貼り込みのようなムラ感」を塗装で表現するようにしています。

工作
 設定上のプロポーションとしてはキットのままで正解なのだと思いますが、腕の付く位置と脚の付く位置がもう少し離れたほうが人型兵器としてバランスよく見えましたので、腰部分で上下に2mm延長しています。あとは各部の後ハメ処理、表面処理や合わせ目消しの際に消えてしまうディテールの再生、抜きの関係で甘くなっているディテールの彫り直しなどがメインです。他のACキットと各パーツを組み替えできますが、ジョイント部分がかなりキツく設計されているので根気よく調整します。面の数が多く、合わせ目処理も多く、キレイに作るだけでもそれなりのスキルと手間が必要なキットでした。ですが丁寧に作業さえすれば、記事のとおり抜群にかっこいいACが手に入るのは確実です。

塗装
 青の塗装は複雑なので記事中の解説をご覧ください。それ以外の部分の塗装もシルバーでウェザリングしていますが、ベース色にそれぞれ以下を使いました。
ガンメタ=ガンメタル(ガイアノーツ)
シルバー=フレームメタリック1
スネ=チタンシルバー(タミヤ)
 その後、青で行っている第3~4工程を省き、他は同様の工程を踏んでいます。

その他
 目にクリアーパーツは使用せず、銀ムクのパーツに偏光シートとフィニッシュシートのクリアーオレンジを重ねたものを貼っています。各部の透明カバーはキットの無色クリアーパーツにクリアーブラックを薄く吹き付けスモーク処理。また肩ブロック後方に3連の円形ディテールがあります。形状的にスラスターとは考えにくかったので、車のテールライトっぽく透明パーツを仕込んでみました。ラピーテープにクリアーレジンを乗せて硬化させています。実際の用途は不明ですが、実生活で目にするモチーフを組み込むことでリアリティが増す効果を狙いました。
 あとは各部に細かく塗り分けやフィニッシュシートの貼り込みを行っています。デカールは世界観にあまり合わない気がして使ったのは2枚だけですが、かなり効果的に使えたと思います。
 今回、塗装の途中写真撮影に埼玉県鴻巣市の模型製作スペース・プラスタ様にお手伝いいただきました。ありがとうございました!

コトブキヤ 1/72スケール プラスチックキット“ヴァリアブルインフィニティ”

ミラージュ C01-ガイア

製作・文/かいん(firstAge)

ミラージュ C01-GAEA
●発売元/コトブキヤ●4180円、発売中●1/72、約16cm●プラキット

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かいん(firstAge)

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