HOME記事ガンダムウェザリング効果を最大限引き出すディテール工作で完成したEGνガンダム!プロモデラーの本気の汚し塗装をじっくりご覧あれ[後編]

ウェザリング効果を最大限引き出すディテール工作で完成したEGνガンダム!プロモデラーの本気の汚し塗装をじっくりご覧あれ[後編]

2024.02.23

特別授業:主役メカの汚しの塩梅をプロモデラーに見せてもらおう!/RX-93 νガンダム【BANDAI SPIRITS 1/144】 月刊ホビージャパン2024年3月号(1月25日発売)

ウェザリング効果を最大限引き出すディテール工作で完成したEGνガンダム!プロモデラーの本気の汚し塗装をじっくりご覧あれ[後編]
RX-93 νガンダム 正面
▲EG RX-93 νガンダムをファーストロットカラー風に製作。シンプルなパーツ構成・外観が特徴の最新νガンダム模型だが、作例は全身にモールドを追加。高解像度なνに作り変えている

主役メカの汚しの塩梅をプロモデラーに見せてもらおう!

「汚らしく見えないウェザリング」とは?

 多くの雑誌で数々の作例をこなす人気プロモデラー・NAOKIに「νガンダムを汚しませんか?」という意地悪な依頼をかけました。派手に汚せば汚すだけヒロイックなイメージからどんどん乖離してしまう難しい題材なのですが、果たせるかな、ご覧のとおり絶妙なチッピング加減のリアルなνガンダムを製作してくれました。彼の汚しのメソッドも必見ですが、全身に追加された見事なスジ彫り・ディテール表現にも注目です!

製作・解説/NAOKI

NAOKI(ナオキ)

NAOKI(ナオキ)

モデラー、メカデザイナー、造形プロデュースなど各方面で活躍するマルチクリエイター。

「HJメカニクス13」掲載のMG ガンダムEz8
▲単行本「HJメカニクス13」掲載のMG ガンダムEz8。汚れすぎず白すぎず、絶妙な塩梅のウェザリング加減。実存感がありつつも主人公機らしい仕上げがお見事!

❶リアルな汚しを補強するためのディテール工作という考え方
❷エナメル塗料ダークグレイの拭き取り方でダメージの種類を増やしていく
❸関節部などはガンメタルのピグメントで

 前回はコチラ!


ディテール工作とウェザリングの相乗効果で魅せる極上の1/144 νガンダム

 というわけで、前回は人気プロモデラーがウェザリングをする際の考え方の一端を紹介してきましたが、いかがでしょうか。タミヤエナメル塗料 ジャーマングレイを使ってさまざまな種類のチッピングを描き込む手業も見事ですが、ウェザリングの効果を最大限引き出すためのディテール工作という、塗装前の下準備の手間を惜しまないことにも驚かされます。非常にレベルの高い作例ですが、脱ビギナーを目指している方にはきっと最高の刺激になるハズ。ぜひじっくりと完成形をご覧ください。

ニュー・ハイパー・バズーカとフィン・ファンネル 装着
▲EGにはニュー・ハイパー・バズーカとフィン・ファンネルが付属しないので、HGUCから拝借。無改造で装着できる
上半身アップ 正面
素組みとの比較
▲素組みと並べて。ディテール追加とウェザリングで、本体全長15cm程度の立体とは思えないテクスチャーに仕上がった
全体 背面
リアアーマー裏側
▲リアアーマー裏側の空間は正面から見た際に目立つのでプラ材とパテで埋めた(右側)。直線的なラインに終止せず、補強のリブやスラスターフィン状のスリットなど複数のディテールを詰め込んで情報量を上げているのが芸コマ
腕部アップ
▲ガンメタルのピグメントは関節部のグレーと相性がいい。ヒジ関節、マルイチモールドの縁が鈍く光っている
盾アップ
▲粒状のチッピングはスポンジで、大きく塗装が剥がれているところは筆を使い分けている

 さて今回はウェザリングのHow to用にEGνガンダムを製作しました。ウェザリングの工程については別項をご覧いただくとして、こちらではその下準備の本体加工について少し説明しておきたいと思います。
 その前に。基本的にウェザリングを施す理由としてもっとも大きなものは「リアルに見せるための演出」だと思います。
 では造形におけるリアル(っぽさ)とは何か? 誤解を恐れずに言えば、プラモっぽさをなくす=成型都合からくる肉厚や断面からの解放、厚さ(薄さ)の表現、演出だと思います。ありていに言えば、アンテナをシャープにするのも同じ理由です。
 加えて、1/144という小さなスケールなので、模型的な見映えとリアル感の表現のせめぎ合いのなか、少し大袈裟でオーバースケールなウェザリング表現を施すため、造形面でのリアルが伴わないと「プラモを汚したもの」に見えてしまいます。
 今回の手法は、エッジを基点にして各工程を施しているのがおわかりいただけると思います。その基点となるエッジや断面をシャープに処理しておくことで、ウェザリングの仕上がりも変わってきます。
 上記のような理由から、造形面での下準備を施しています。具体的な処理としては断面を薄くする(薄く見せる)、成型のための垂直断面をなくす、スケール感を考慮して細かいC面をなくしエッジを際立たせる、などです。細かいC面は形状を豊かに見せる効果がありますが、ともするとエッジがダルく見えたりもするので、ケースバイケースで処理していきます。

BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット“エントリーグレード”

RX-93 νガンダム

製作・解説/NAOKI

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©創通・サンライズ

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