【ゴジラ-1.0 ディオラマ】一番くじの「ゴジラ(2023)」で劇中のシーンを再現! 銀座のシンボル「服部時計店ビル」はスクラッチ!
2024.01.20銀座襲来。【BANDAI SPIRITS】●角田勝成 月刊ホビージャパン2024年2月号(12月25日発売)
銀座襲来。
鳴り響く空襲警報、そしてラジオから流れる緊急放送。
東京湾から品川を経て銀座へと向かうゴジラ。
ついに銀座中心部に進攻したゴジラは、周りの建物を破壊し、
逃げ惑う人々を蹂躙していく。
まるで東京大空襲を彷彿させる惨劇に、
人々はただ逃げ惑うことしかできなかった……。
一番くじゴジラ(2023) SOFVICSで、銀座襲来シーンを精密にディオラマ化
海上での新生丸との対決を経て、ついに日本に上陸したゴジラ。目指すその先は東京の中心部である銀座だった。次々と破壊される復興間もない銀座、そして踏みつぶされていく人々など、ゴジラの凶暴性と残虐性を十二分に感じさせる名シーンである。作例はこの銀座襲来シーンを精密な建物造形と合わせてリアルにディオラマ化。一番くじゴジラ(2023) SOFVICSを使用し、服部時計店(現・和光ビル※戦後すぐはTOKYO P・Xビルだった)をプラ材によりスクラッチ、その他の家屋などはNゲージモデルを活用し、戦後間もない銀座の街並みをリアルに表現。秀逸なゴジラ造形と相まって、大迫力のディオラマに仕上がっている。
11月から劇場公開中の話題の映画『ゴジラ-1.0』。読者の皆さんはもう観に行きましたか? 私も地元のIMAXシアターで観てきました! いつも通りの安心して観られる楽しい怪獣映画だと思っていたのですが…。まさか、こんなに凄い作品だとは思いませんでした。もう、冒頭からスクリーンに釘付け状態。とにかくゴジラが怖い、本当に怖い。そしてさらに心熱くなる感動シーンの数々に、いつの間にか涙が止まらなくなってしまうほど。伊福部昭氏のゴジラのテーマが劇場内に鳴り響くと同時に最高のタイミングでヤツが!
ゴジラが! 姿を現します。もう、「うわー、キター!」って感じです。私にとって今まで怪獣特撮映画の最高峰であり金字塔は平成ガメラ三部作でしたが、それに匹敵するぐらい素晴らしい作品だと思いました。
そこで、今回は本作の魅力を少しでも表現したくて、東京銀座を舞台に大暴れするゴジラのディオラマを製作してみました。映画公開前から予告編にも登場する今作の名場面のひとつ。今回のディオラマに使用したのは、BANDAI SPIRITS一番くじのA賞ゴジラ(2023) SOFVICS。原型はゴジラ造形の第一人者である酒井ゆうじ氏。それはまるで映画のスクリーンから飛び出してきたかのような素晴らしい造形作品です。このゴジラを使用して銀座のディオラマを製作しようと思ったのですが。やるとなれば、やはり服部時計店(現/和光ビル)は外せない。SOFVICSのゴジラの身長が約23cmでしたので、約1/220スケール。このサイズだと鉄道模型のZゲージに値します。しかし残念なことに、この和光ビルのミニチュアモデルはZゲージはもとよりNゲージサイズでも発売はされておらず…。そんな困った話を友人にしたら「いいよ、それはオレに任せて」。そう言うとわずか数日でこのゴジラのサイズにピッタリの和光ビルを作ってくれたのです。しかも3Dスキャンなどではなく、モデラーらしくプラ板からのスクラッチビルド! もう、涙が止まらなくなってしまいました。木村さん、本当にありがとう!
感謝します。
ゴジラは、所々に確認できるパーツどうしの隙間をエポパテを使用して丁寧に埋めてから体表ディテールを再現。和光ビルはゴジラに破壊されたようにダメージ表現してあります。その他のビルや木造家屋はZゲージモデルを使用。劇中にも登場する都電は以前に発売された食玩モデル。Nゲージサイズなのですが、素晴らしい完成度なので登場してもらいました。逃げ惑う人々もNゲージサイズを使用。
ディオラマは木製パネルにスタイロフォームを下敷きにプラ板やシーナリープラスターにて地面を再現。ガレキや電柱を配置したあと、ディオラマ全体をセピア系のカラーでオーバーコートして劇中の雰囲気に近づけています。
製作中ずっとBGMとして聴いていたのは、もちろん『ゴジラ-1.0』サウンドトラックでした。
BANDAI SPIRITS ノンスケール PVCモデル “一番くじ”ゴジラ(2023) SOFVICS 使用
銀座襲来。
ディオラマ製作・文/角田勝成
一番くじ ゴジラ-1.0/A賞ゴジラ(2023) SOFVICS
●発売元:BANDAI SPIRITS ロト・イノベーション事業部●1回900円、発売中(11月18日より順次発売済み)
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角田勝成(カクタカツナリ)
キャラクターメカ、怪獣などのディオラマを披露するベテランビルダー。誰にでも分かりやすい構成でシーンを切り取っていく。