「ARTPLA エヴァ初号機」を水性ホビーカラーで筆塗り! 筆のタッチを活かした二度塗りで重厚感のある仕上がりに!!
2023.12.16プラキットに新生した傑作造形の初号機を水性ホビーカラーの筆塗りで仕上げる
TVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の放送当時に造形師・松村しのぶ氏により造形されたエヴァンゲリオン初号機の名作ガレージキット。それが四半世紀経った今、その造形の魅力を損なうことなくプラキットとしてランナーに落とし込まれた。組み立てるだけでも非常に様になる本キットだが、色を塗る楽しみはまた別格だ。本作例は水性ホビーカラーの筆塗りで月刊ホビージャパンでも大活躍中の清水圭が担当。筆のタッチを活かした塗装で重厚感のある仕上がりとなった。
素組みでも大満足のプラキットを筆塗りで「作品」へと昇華させる
清水式 水性塗料二度塗り法
一度目
下地
二度目
ハイライトで立体感を付ける
筆を使ったグラデーション+スパッタリング
ドロッとした血の表現は鮮血レッド+光硬化レジン
■工作
キットはかなりトリッキーな分割のランナーが満載でちょっと怯みますが、全体的にパーツの合いは良好です。各関節部も大型のダボでしっかり固定されるので、ゆがみなく組み上がります。
全体的に有機的なディテールが満載なのでベースと本体の一部にある合わせ目はヤスリを使わず、溶剤でゆるめに練ったエポパテを合わせ目に充填し、そこに筆で溶剤を塗りつけてディテールになじませる方法で工作しました。
■塗装
あくまで初号機をメカとして捉えつつ、外装は少し生体的に仕上げることができるよう塗装を施しました。また、本体とベースに質感の違いを出すことも目指して塗装します。
下地をガイアノーツ「メカサフ ヘヴィ」で吹いてから下記カラーで筆塗りしていきます。
パープル=水性ホビーカラー「パープル」
グリーン=水性ホビーカラー「デイトナグリーン」
イエロー=水性ホビーカラー「ブラウン」
ブラック=水性ホビーカラー「タイヤブラック」
メタル=ファレホメカカラー「スチール」
筋肉部=下地のまま「メカサフ ヘヴィ」
エッジを中心に下地のグレーをかなり残すイメージで塗っていきます。生物感のある感じを出したかったので塗り方としては筆先を使ってスタンプするように色を乗せていきます。
ひと通り塗り終わったら下記2色目を塗っていきます。面のセンター付近を中心に、ハイライトを入れていくイメージで同様に筆先でスタンプしていきます。
パープル=水性ホビーカラー「すみれ色」
グリーン=水性ホビーカラー「よもぎ色」
イエロー=水性ホビーカラー「オレンジイエロー」
ブラック=2色目無し
メタル=水性ホビーカラー「グランプリホワイト」
筋肉部=ファレホメカカラー「ダークスチール」
ベースの使徒は、ホワイト部は初号機と同じ「グランプリホワイト」、ブラック部は水性ホビーカラー「ブラック」をごく薄く塗っています。
一度プレミアムトップコート「半光沢」で保護してから全体をタミヤスミ入れ塗料「ダークブラウン」でウォッシング、綿棒で拭き取ります。頭部などのディテールをエナメル塗料で塗ったあと、最後に血のりを追加します。
モデルカステンからそのものズバリ「鮮血レッド」という塗料が出ているので、新劇場版に倣って赤色の血で塗装します。まず使徒と初号機の質感を変えるため、ベースに鮮血レッドを薄く全体に塗り、ヌメヌメとした質感にします。部分的に濃く塗りこんで変化もつけていきます。手足などには筆を使ったスパッタリング表現で血しぶきも追加しました。特に大量の血を演出したいプログレッシブナイフには、塗りこんだあと光硬化レジンを付着させ「血の垂れ」を表現しました。
海洋堂 ノンスケール プラスチックキット“ARTPLA”
エヴァンゲリオン初号機「暴走」
製作・文/清水圭
ARTPLA エヴァンゲリオン初号機「暴走」
●発売元/海洋堂●7150円、発売中●約23cm●プラキット●原型/松村しのぶ
Ⓒカラー
清水圭(シミズケイ)
筆一本で車やバイク、キャラクターモデルまでなんでも塗ってしまうナイスなモデラー。