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水性塗料で筆塗りウェザリングにチャレンジ!!MGSDガンダムバルバトスをカッコ良く汚す方法!【筆塗りtribe】

2023.12.13

筆塗りTribe/ASW-G-08 ガンダム・バルバトス【BANDAI SPIRITS】 月刊ホビージャパン2024年1月号(11月25日発売)

水性塗料で筆塗りウェザリングにチャレンジ!!MGSDガンダムバルバトスをカッコ良く汚す方法!【筆塗りtribe】
ガンダム・バルバトス イメージカット

水性塗料オンリーの筆塗りウェザリングで、もっともウェザリングし甲斐のあるガンダム「ガンダム・バルバトス」に挑む!!

 プラモを筆塗りでガンガン楽しんでいるナイスなパイセンたちの作品とテクニックをみんなで読んで、テンション上げ上げになって一緒に筆塗りを楽しもうぜ!! という連載。みなさん、筆塗りしてますか?
 今月は究極のSDガンダムプラモとして登場した「マスターグレードSD(以下MGSD)」の最新作、「MGSD ガンダムバルバトス」のキットを使用して、“水性塗料による筆塗りウェザリング”にチャレンジしてみようと思います! SDガンダムはスケールなどから解き放たれた存在ですので、汚し塗装も「カッコ良さ重視!」に振り切って問題なし!! さらに水性塗料を使用するので、刺激臭やパーツの破損といった危険もほぼなし!! ぜひ本記事を参考にMGSDガンダムバルバトスをウェザリング塗装して楽しんでください。

(構成・文/フミテシ)

今月のパイセン

むっちょ/月刊ホビージャパン2023年11月号では、ARTPLAのエヴァンゲリオン2号機をアクリルガッシュを活用した素晴らしい塗装で塗り上げた水性アクリルボーイ・むっちょ! 今回はなんとガンダムに挑戦!! ミニチュアペイントのウェザリングテクニックを盛り込んでもらいました。

美しい外装と精密なガンダム・フレーム

ガンダム・バルバトス 外装と内装
▲塗装していなくてもこの美しさ! 成型色を活かすにはもってこいのクオリティです。そしてガンダム・フレームもさすがMGSDという完成度になっています。ガンダム・フレームはドライブラシを駆使して、重厚感ある仕上がりにしてみます

準備したもの

 今回使用する主な水性塗料と筆をご紹介。使用するのはファレホとシタデルカラーという水性塗料の中でも完全に水に溶ける「エマルジョン系塗料」です。無臭で、ガンプラのパーツにもダメージを与えることがないので成型色仕上げにも相性抜群です。

シタデルの銀!

アイアンウォリアー、リードベルチャー、アイアンハンドスティール
▲左からアイアンウォリアー、リードベルチャー、アイアンハンドスティールと3種の銀を準備。アイアンウォリアーが一番暗く、アイアンハンドスティールがもっとも明るいです

外装の傷を描くための塗料

フェリシアン・グレイ、フレイドワン・フレッシュ、ライノックス・ハイド
▲シタデルカラーを使用して、外装に傷を描きます。使用するのは左からフェリシアン・グレイ、フレイドワン・フレッシュ、ライノックス・ハイド

外装のホコリ汚れ表現に使用

ソウルブライトグレイ
▲シタデルカラーのスミ入れ塗料である「シェイド」は、スミ入れの他に表面に塗ることで、フィルタリングのようにうっすらとした色変化を表現することもできます。ホコリ汚れのような灰色「ソウルブライトグレイ」を使用します

使い勝手の良い明るい銀!

ライトスチール
▲ファレホのメカカラーにラインナップされている「ライトスチール」は、とても明るい銀色です。シタデルの“重め”の銀と併用して、表情に変化を出していこうと思います

オイル汚れなどの表現に

ダークラスト、ライトラスト、ブラック
▲ファレホメカカラーには、「ウォッシュ」というスミ入れやフィルタリングに適した濃度になっている塗料があります。今回はダークラスト、ライトラスト、ブラックを使用します

水があれば希釈も洗浄もOK

水
▲シタデルとファレホは水に完全に溶けます。水だけあれば塗料を薄めるだけでなく、筆の洗浄も可能です

筆は用途ごとに準備

面相筆、丸平筆、ドライブラシ専用筆
▲細かな傷を描く際は細い面相筆、ホコリ汚れが垂れている表情をつけるときは丸平筆、ドライブラシを行うときはドライブラシ専用筆を使って塗ります

激闘繰り広げたバルバトスを表現してみようぜ!

ガンダム・バルバトス 塗装前、塗装後
▲激しすぎる戦闘をくぐり抜けてきたバルバトスにはウェザリングが似合います! さぁ、楽しくウェザリング塗装にチャレンジしていきましょう

ガンダム・フレームをドライブラシでカッコ良くする!

キットの素組み状態

キットの素組み状態
▲本キットはガンダム・フレームがSD体型にリファインされながらも、非常に緻密な仕上がりとなっており、グレーの成型色もメカメカしていてカッコ良いです。このパーツにシルバーをドライブラシしたり、オイル汚れを追加して重厚感ある仕上がりにしてみます
キットの素組み状態 リードベルチャー ライトスチール
▲フレームのドライブラシに使用するのが、シタデルのリードベルチャーとファレホのライトスチール
リードベルチャーをパレットに移す
▲まずは重たいガンメタルのような色のリードベルチャーをパレットに移します。乾燥しにくいようにウォーターパレットの上に塗料を置いています
塗料を筆に含ませたら、ペーパータオルで拭う
▲塗料を筆に含ませたら、ペーパータオルに色が付かなくなるまで拭います。このカサカサになった状態の筆を擦り付けるので、ドライブラシと呼ばれています
パーツの角やディテールが出っぱっている箇所を狙って筆を擦り付け
▲あまり神経質にならずに、パーツの角やディテールが出っぱっている箇所を狙って筆を擦り付けていきます
塗装後の腕パーツ
▲するとパーツの角がぎらりと鈍く光るようになりました。ダメージで金属が露出しているような雰囲気も出るので、一気に兵器感が増します
ライトスチールをパレットに移す
▲銀に明暗を出したいので、次はライトスチールを使います。これをよりパーツの角に近い部分に擦り付けることで、ハイライト効果が生まれます
各指の頂点や爪の先などを狙って擦り付け
▲各指の頂点や爪の先などを狙って擦り付けます
頭部パーツの頂点や角を狙って擦り付け
▲キラッと光っている箇所と鈍く光っている箇所が混在して、パーツに色の情報量が増えます。シルバーをドライブラシするときも暗いものと明るいものを併用することをオススメします

ファレホのウォッシュでフレームにオイル汚れを追加する!

ライトラストをパレットに移す
▲オイルのような汚れも似合う機体なので、フレームの各所にブラウンや黒の汚しを追加します。まずは「ライトラスト」を使用します
スミ入れする感覚で、ディテールにちょんちょんと流す
▲スミ入れする感覚で、ディテールにちょんちょんと流していきましょう
乾く前に綿棒で余分な塗料を拭き取る
▲乾く前に綿棒で余分な塗料を拭き取れば終了! オイルを垂らしたいときは重力の方向(上から下)に筆や綿棒を動かしてライトラストを伸ばしてあげましょう
ブラックをパレットに移す
▲お次はブラック。これは外装パーツのスミ入れやウェザリングにも使えます
ブラックを各所に塗装
▲明るい銀の成型色にはブラックを薄く塗り広げるのがオススメ! 色味がシックになって、周囲のフレームともよく馴染むようになります

ガンダム・フレーム完成

ガンダム・フレーム 背面
▲背面もディテールの密度がすごいので、ドライブラシが非常に映えます
ガンダム・フレーム 正面
▲金のパーツとクリアーパーツ以外にドライブラシと、各部に汚れを施した状態。重たい銀と明るい銀を使うことで、ありがちな銀ピカなドライブラシにはならず、歴戦感漂うガンダム・フレームとなっています

外装のウェザリングにチャレンジ!

外装を組み立て
▲ガンダム・フレームの塗料が乾いたら、外装を取り付けていきます。細かなパーツも多いので取り付けには気をつけましょう
ブラックでスミ入れ
▲まずは各装甲にびっしり入ったディテールに、ファレホメカカラーのウォッシュのブラックでスミ入れしていきます
余分な塗料を消すときに、綿棒を上から下方向に動かす
▲余分な塗料を消すときに、綿棒を上から下方向に動かして、汚れ垂れも一緒に表現してしまいましょう
よりキレイにブラックを落としたいときは、綿棒に水を含ませる
▲よりキレイにブラックを落としたいときは、綿棒に水を含ませます
湿らせた綿棒で拭く
▲湿らせた綿棒で拭くと、このようによりキレイに塗料を拭えます。各所で汚しの調子を整える際にぜひ活用してください
ダークラストでスミ入れ
▲黄色いパーツにはダークラストでスミ入れれすると、自然な陰影が出てオススメです
ソウルブライトグレイ
▲全体にスミ入れが終わったら、シタデルカラーのシェイド「ソウルブライトグレイ」で表面にうっすらとホコリ汚れを施していきます
点描するようにちょんちょんと塗料
▲全体にビシャッと塗るのではなく、このように点描するようにちょんちょんと塗料を置いていきます
丸平筆を上から下へと動かして塗料を伸ばす
▲塗料が乾く前に、丸平筆を上から下へと動かして塗料を伸ばします。塗料が装甲の形状に沿って流れ、細かな汚れの線をパーツ表面に施せます
パールの塗装確認
▲アップにしてみると、ディテールのフチに汚れが溜まっていたり、汚れの線が細かく入っているのが確認できるでしょう
リードベルチャーを軽くドライブラシ
▲装甲の塗料が剥がれて中の金属がちょっと見えている雰囲気を出すために、ドライブラシ筆でシタデルのリードベルチャーを軽くドライブラシ。やりすぎるとギラギラしてしまうので、ピンポイントで行います
ライノックス・ハイドを面相筆に含ませちょんちょんと塗料
▲お次は傷を描く「チッピング」。シタデルの赤茶色である「ライノックス・ハイド」を面相筆に含ませて、小さな傷をちょんちょんと筆を置くようにして描いていきます
フェリシアン・グレイを使用して明るい傷を描く
▲青いパーツは、ライノックス・ハイドの傷を塗ったあとに、シタデルの「フェリシアン・グレイ」を使用して明るい傷を描きます。ライノックス・ハイドを塗った周囲にちょんちょんと塗ると、深い傷と浅い傷のように見えてきます
ライノックス・ハイドを塗ってバランス調整
▲フェリシアン・グレイを塗った後に、ライノックス・ハイドを塗ってバランス調整してももちろんOK! 黄色いパーツの傷はシタデルの「フレイドワン・フレッシュ」を使用して描いています
アイアンハンドスティールでウエザリング
▲シタデルの中でもちょうど良い明るさを持っている銀「アイアンハンドスティール」で、くっきりと金属地肌が露出している様子も描きました。ダメージのアクセントにとても良い方法です
スポンジを使用してチッピング
▲脚部はもっとも負荷が集中するであろう箇所。ここはスポンジを使用してチッピング。まず1色目としてシタデルカラーの焦茶である「ソンディア・ブラウン」を塗装
XV-88をスポンジでポンポン塗装
▲1色目が乾いたら、2色目に赤土色のようなシタデルの「XV-88」をスポンジでポンポン塗装。色味の異なる土色を使用することで、より表情が豊かになります
スミ入れやホコリ汚れ、傷、足元の汚しが終了した状態
▲スミ入れやホコリ汚れ、傷、足元の汚しが終了した状態。このあと半光沢クリアーを吹いてしっかりと塗料を保護して完成です

手描きチッピングで攻めるMGSD ガンダムバルバトス

むっちょ「2023年に登場した衝撃の新ブランド、MGSDの第2弾であるガンダム・バルバトスを、成型色を活かした筆塗りウェザリングで、歴戦の雰囲気をまとった姿に仕上げました。1/100スケールのMGも、RGも含め、フレームからがっつり作るガンプラは初挑戦なので、すごくワクワクしながら楽しみました!」

ポージング画像
完成したガンダム・バルバトス 背面、正面

■素組みがカッコ良すぎる
 MGの名を冠するSDのハイエンドブランドだけあって、圧倒的なディテールに驚きました。チラッと見えるシリンダーや、フレームを外さないとわからない内部構造までがっつりと作り込まれているので、アンテナのシャープ化以外、工作では手を加えませんでした。高密度なディテールをすべて活かせるよう、全パーツランナーの成型色のまま、使い込まれたバルバトスを目指していきます。

■ウォッシング専用塗料いろいろ
 僕が普段よく使っている水性エマルジョン塗料には、ベタ塗りやレイヤリングに使用するカラーの他に、ウォッシング用にあらかじめ濃度や粘度が調整された、専用のカラーシリーズがあります。
 今回はパーツ全体のトーン変更とスミ入れにファレホ メカカラーのウォッシュシリーズを、うっすらとした汚しの表現にはシタデルカラーのシェイドシリーズを使用しました。

■チッピングとエッジング
 ウォッシングやスミ入れ、メタリックカラーのドライブラシによって出来た陰影をより強くするために、影になる傷とハイライトになる傷を描き込みました。モールドなどに入った影色の境界付近をなぞるように筆を入れていくことで、ディテールがより際立ちます。
 やりすぎた感じにならないよう、すごく注意深くがんばりました。ミニチュアのペイントで培った経験をフル動員しています。

BANDAI SPIRITS ノンスケール プラスチックキット“MGSD”

ASW-G-08 ガンダム・バルバトス

製作・文/むっちょ

MGSD ガンダムバルバトス
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●4290円、発売中●約13cm●プラキット

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Ⓒ創通・サンライズ

むっちょ

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