HOME記事キャラクターモデルツルギ形態の「三世村正」がMODEROID化。後ハメ加工とバランス調整で勇ましい姿を再現度アップ!【装甲悪鬼村正】

ツルギ形態の「三世村正」がMODEROID化。後ハメ加工とバランス調整で勇ましい姿を再現度アップ!【装甲悪鬼村正】

2023.12.12

三世勢州千子右衛門尉村正【グッドスマイルカンパニー】 月刊ホビージャパン2024年1月号(11月25日発売)

三世勢州千子右衛門尉村正 イメージカット

歴史に残る傑作PCゲーム『装甲悪鬼村正』からファン待望のキット化

 2023年に「メカスマ」にて発表され話題を呼び、9月に発売となった三世村正の作例がついに到着。こちらは2009年に発売されたニトロプラスのPCゲーム『装甲悪鬼村正』の主人公・湊斗景明が所持する劍冑(ツルギ)であり、ヒロインのひとり。劇中では甲鉄の蜘蛛の姿とこのアーマーの姿、そして生前の褐色美女として登場する。月刊ホビージャパン読者にとっては美少女フィギュアの三世村正のほうがお馴染みだろうか。
 MODEROIDでは劍冑の赤備えや金色を成型色で再現し、甲冑の細部用に水転写デカールが付属。塗装しなくとも塗り分けや梵字のデカールで高密度なディテールを表現できるアイテムとなっている。作例では塗り分けやマスキングを駆使し、キットの再現度をより高めるように製作。後ハメ加工や見映えのバランスこそ整えているが、プロポーションはそのままに、三世村正の無骨な姿を楽しめるよう仕上げた。

三世勢州千子右衛門尉村正 正面
▲本体約16cm。肩に担いだ野太刀は約21cmになり、背面のボリュームと合わせてマッシブな印象となった
上半身アップ
▲塗装済みとなるのはこめかみ部分のパーツ。金成型色に一部シルバーで塗装されている。作例ではホワイト塗装にウォッシングで立体感を出した
胴体アップ
▲梵字のデカール以外は塗り分けにて再現。鉄色部分はすべてMr.メタルカラー アイアンにて塗装した。胴周りには溶きパテによる鋳造表現も追加
各所赤い部分
▲各所の赤色部分は現実の甲冑をイメージしてハーマンレッドに蛍光オレンジを加えたものを使用。ムラを出すことで使用感も演出
柄、鞘の蜘蛛を模したディテール アップ
▲腰の大小や野太刀にある柄、鞘の蜘蛛を模したディテールをMr.メタルカラー ブラスで筆塗り
ヒザ関節パーツ
▲今回村正では塗装のためヒザ関節を後ハメ加工。キットの構造に行う工作はここのみ
電磁抜刀ポーズ
▲肩の関節を引き出すことで、「電磁抜刀」のポーズを再現可能溶きパテによる鋳造表現も追加
頭部の2本の角アップ
▲頭部の2本の角が少し大人しく見えたので、キットより少し開きめに取り付けている
甲冑の袖部分
▲甲冑の袖部分にある赤の縞と梵字はデカールから。金色の部分は別パーツのため塗り分けも容易。薄くウォッシングしてここにも使用感を足した
野太刀を担いだ状態での「電磁抜刀」
▲野太刀を担いだ状態での「電磁抜刀」を再現するため、鞘部分が可動する
野太刀 納刀
▲野太刀は抜納刀が可能。両手持ちができるほど柄も長く作られている
鞘尻の蜘蛛のディテール
▲鞘尻には蜘蛛の意匠が細かなディテールで施されている。こちらは筆塗りにて塗装
股関節部分アップ
単色で染めた和紙
▲単色で染めた和紙である民芸紙を用いて股関節をシーリング。丸めて軸を覆うだけで可動に干渉せず見映えも良くなった
脚部パーツ
脚部パーツ マスキング
▲脚部等の網目状の模様は専用のデカールもあるがここではマスキングして塗装で再現。これにより塗布面に使用感を出したり、質感を他とも合わせやすくなる
背面の蜘蛛の腹を模したユニット部分のパーツ1
背面の蜘蛛の腹を模したユニット部分のパーツ2

▲背面の蜘蛛の腹を模したユニット部分で、凹凸モールドは切り取ってウェーブの丸リベット【丸】に変更する。広い面なので溶きパテによる鋳造表現で情報量もアップ

三世勢州千子右衛門尉村正 背面
▲深みのある赤が和風の渋い雰囲気を出しつつ、あえて残した色ムラと鉄色が、見ていても飽きないディテールとして完成した
ポージング画像

 ニトロプラスの『装甲悪鬼村正』から、ヒロイン兼主役機の三世村正の製作です。キットが届いて中身を見ると、MODEROID特徴の塗装済みパーツはフェイス横のパーツのみで、組み立て後のデカールによる色分けが中心のようです。今回は発売後の作例ということで極力フル塗装する方針で製作開始します。

■工作
 劇中のマッシブな印象を損なわずに、手頃なサイズに落とし込んでいる点は見事ですね。素組みにデカールを貼れば充分見応えがあります。そのために構造として各部の接続はパーツ挟み込みの箇所も多いので、塗装する場合は後ハメ加工が必要な箇所があります。
 今回行ったのはヒザ関節の後ハメ。受け部分を削り、スネ内部にプラ棒を接着して真鍮線で接続。これにより塗装後に組み付けできるようになりました。
 背面ユニットの凹凸は、パーティングラインを消すのが面倒なのですべて切り取り、市販の丸リベットに置き換えます。
 また組み立て後にポージングしてみると、股関節の軸が見えてしまうので、軸部分を民芸紙で覆いシーリングとしました。マッシブな手脚とバランスが取れた上に、村正の和風な世界観ともマッチしたものになったのではないでしょうか。

■塗装
 設定上は鍛冶師が作るパワードスーツということで、重量感を表現したく、ダークグレーの箇所はすべてMr.メタルカラー アイアンを使用。塗装後に綿棒などでこすることで鉄特有の輝きやツヤが出ます。
 赤い部分はハーマンレッドの上からハーマンレッド+蛍光オレンジの混色を筆でムラが出るように塗装しました。使い込まれた赤備えの甲冑をイメージし、若干ツヤを残しています。またデカールにある格子状の模様は、質感を合わせるためすべてマスキングにて再現しました。全体の仕上げとしてMr.ウェザリングカラーのダークブラウンをモールドや影になる部分に塗ったら完成です。

■さいごに
 自分が歴史好きなこともあり、刀剣や歴史用語満載の『装甲悪鬼村正』も好きなので、キットのシリーズ化をぜひお願いします! 銀星号や正宗もですが、六波羅公方の劔冑や数打も立体物で見てみたいです。MODEROIDでぜひお願いします。

グッドスマイルカンパニー ノンスケールプラスチックキット“MODEROID”

三世勢州千子右衛門尉村正

製作・文/きの助

MODEROID 三世勢州千子右衛門尉村正
●発売元/グッドスマイルカンパニー●8500円、発売中●約16cm●プラキット

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©2009 NITRO ORIGIN

きの助(きのすけ)

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