エイリアン・クイーンの造型家・AKIHITO氏による“驚愕のお土産とお願い”とは?【コモリプロジェクト】
2023.11.21 コモリプロジェクトHP
Youichi Komori Official Web(y-komori.net)
皆さん、こんにちは。コモリプロジェクト代表の小森です。いつもは怪獣の世界にどっぷり浸っている僕ですが、今回はちょっと毛色が違う内容で進めてみたいと思います。というのも、先日、アメリカから帰国した友人にこんな言葉をかけられたからです。
「たまには怪獣以外のものも作ってください」
友人の名はAKIHITO氏。特殊メイクアップアーティストであり造型家、ご存知の方も多いでしょう。ハリウッドで携わった映画は数知れず、『AVP』に登場するエイリアン・クイーンの造形には度肝を抜かれました。「和食が食べた~い!」と叫ぶAKIHITOさんを伴ってもつ鍋屋さんに飛び込むと、料理を待っている間にお土産を手渡されました。箱に収められていたのはなんとプレデリアン(エイリアンがプレデターのDNAを取り込んだ混合体)の胸像です。びっくりして固まった僕をテーブルの向かいから笑って眺めながら、その時に出た言葉が上記したものです。
AKIHITOさんとの出会いは十年以上前になります。最初のきっかけは共通の友人を介してでしたが、僕はそれ以前からテレビを通して存在を知っていました。「TVチャンピオン 特殊メイク王選手権」の枠で颯爽と登場した細面のAKIHITOさん(今も印象はほとんど変わっていませんが)は、圧倒的なスキルで見事三連覇を成し遂げました。大好きなSFXの世界、歳が近いこともあり、三回とも番組を楽しみに観ていたのです。それも手伝ってか、仲良くなるのに時間はかかりませんでした。それ以後は定期的に食事をしたり、互いの仕事の近況を伝えあったり、一度は僕が当時執筆していた『ウルトラマン』の小説(未単行本化)のキャラクターデザインをお願いしたりもしました。実に斬新なウルトラマンのビジュアルだったし、いつか立体化出来るようにしたいですね。
さて、話はとめどなく続きます。とっておきのハリウッドの裏話に耳を傾けながらも、僕の目は幾度となくテーブルに置いたプレデリアンに向かいました。わざわざロサンゼルスから手で持ってきてくれたのです。直接、手渡すために……。この気持ちをないがしろになんて出来ません。次回会う時は絶対に「ほら、怪獣以外のものも作りましたよ」と軽口を叩きながら、徹底的に塗り込んだ胸像を見せたいと思います。
文/小森陽一
撮影・構成/土井眞一
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小森陽一(コモリヨウイチ)
●1967年生まれ。大阪芸術大学芸術学部映像学科卒業後、東映に入社。その後、コラムや小説、漫画原作や映画の原作脚本を手がける。大阪芸術大学映像学科客員教授。『海猿』『トッキュー!!』『S-最後の警官-』『BORDER66』『ジャイガンティス』など著作多数。