HOME記事ガンダムサザンクロス隊唯一の女性パイロット、セルマ曹長の搭乗機「高機動型ザク セルマ機」をディテールアップ! 丁寧な表面処理、モールドの彫り込みなどで全体を引き締める

サザンクロス隊唯一の女性パイロット、セルマ曹長の搭乗機「高機動型ザク セルマ機」をディテールアップ! 丁寧な表面処理、モールドの彫り込みなどで全体を引き締める

2023.11.18

MS-06GD 高機動型ザク(地上用)セルマ機 【BANDAI SPIRITS 1/144】●ガルマ☆ザビコ 月刊ホビージャパン2023年12月号(10月25日発売)

新登場の迷彩ザク2機をふたりのモデラーが徹底攻略

『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』に登場した、5人の精鋭からなる「褐色のサザンクロス隊」。隊長であるエグバ機の発売に続き、紅一点のセルマ・リーベンス機と副隊長ウォルド・レンのザクが同時リリースされた。キットはそれぞれの専用武装を個別に同梱。また2機は微妙に異なる迷彩パターンが設定されているため、その迷彩再現用の水転写式デカールも別々に用意されている。ガルマ☆ザビコとken16w、ふたりの腕利きモデラーが個別にザクを担当。上半身を中心とするスタイル調整と精密なディテール彫刻により、名キットの完成度を徹底的に底上げしている。

MS-06GD 高機動型ザク(地上用)ウォルド機&セルマ機 イメージカット
▲(左)部隊唯一の女性パイロット、セルマ・リーベンス曹長の乗機。中距離支援を担い、バズーカB2型と近接用の銃剣(ヒート・ダガー)を装備。アレグランサ島の戦闘ではククルス・ドアンのザクを相手に一騎打ちを挑むが…(右)副隊長であるウォルド・レン中尉の機体。遠距離戦闘を得意としており、モロッコ戦線ではロングバレルの対艦ライフルでジム部隊を狙撃。アレグランサ島の戦いでは銃身の短い対艦ライフル・ショーティーを携行していた
ウォルド機、セルマ機、エグバ機
▲写真左からウォルド機、セルマ機、そして月刊ホビージャパン2023年10月号掲載、GAA(firstAge)製作のエグバ機。本体の外見上の相違点は頭部ブレードアンテナの有無のみで、武装と迷彩パターンによってそれぞれの個性付けがなされている。褐色のサザンクロス隊もこれで3体が揃い、あとはユン・サンホ機とダナン・ラシカ機を残すのみとなった。5体が勢揃いする日もそう遠くはないだろう
『GAA(firstAge)製作のエグバ機』の記事はこちら

高機動型ザク(地上用)セルマ機 製作/ガルマ☆ザビコ

 まずはガルマ☆ザビコが製作したセルマ機を見ていこう。ウェザリングはせずに丁寧な表面処理とディテールの追加工作がメイン。そして立ち姿がどっしりと安定するように全体的なシルエットを変更している

セルマ機 素組み
セルマ機 正面、背面
頭部アップ
▲モノアイはアゴ裏のピンを左右にスライドさせることで、連動して左右に動く優れもの。市販パーツを組み込んで簡単にディテール工作を施している。胴体はコックピットハッチのある中央パーツを1mm手前にオフセットし、胸のボリュームを増やした
バズーカジョイント、小改造したパーツ
▲写真左がキット付属のバズーカジョイント、右が小改造したパーツ。キットのパーツに30MMのジョイントパーツを組み合わせている
 
素組みとの比較 背面
▲写真左が素組み、右が作例。バズーカジョイントを一軸増やした効果で、ランドセルマウント時のバズーカが腰や脚と干渉することなく真上を向けるようになった
サイドアーマー アップ
▲サイドアーマーやリアアーマーのジョイント穴は、AUBE Dimension Worksのディテールパーツを埋め込んでディテールアップしている
 
STYLE-S製「ロボマニ」
▲バズーカB2型を持つ右ハンドパーツはSTYLE-S製「ロボマニ」に変更。四指の取り外しはマグネット脱着式に加工。またバズーカとハンドは真鍮線を通して強固に固定できるようにしている
加工前
加工後

▲肩関節パーツD4の改造法。上下と内側のリブをカットし、ポリキャップPC1を逆さまに取り付ける。こうすることで胴体と肩との隙間を詰めることができる

ポージング画像1
▲肩幅を詰める工作を施しているが、キット自体が動きすぎるくらいに可動性能が優秀なので、加工後もバズーカB2型を問題なく両手で構えることができる
胴体パーツ 側面
胴体パーツ 各種

▲胴体パーツの工作箇所。先述の中央部を前に出す工作と合わせて、首周りのパーツの後部を上げて、なだらかな傾斜を付ける。これにともないランドセルも若干上側に移動。胴体の両側のパーツもプラ板で後ろ側を高くし傾斜を付けた。一連の工作により胴体を大きく、立たせたときの安定感を向上させている

腰パーツ 正面
腰パーツ 背面

▲腰は、フンドシブロックにディテールを彫刻したり、スカートアーマー同士の隙間をプラ板を貼って埋めた

ポージング画像2
▲付属の銃剣(ヒート・ダガー)はエグバ機付属のものと同一
右肩シールドにに懸架しているバズーカの予備弾倉
バズーカの予備弾倉を外した右肩シールド

▲右肩シールドに懸架しているバズーカの予備弾倉は着脱可能。弾倉に隠れていたセルマ機のパーソナルマークもデカールで用意されている

素組みとの比較1
▲素組み(左)と比較。既存のモールドを一段彫り込んだり、つま先やふくらはぎなどに彫り込んだ追加モールドなど、丁寧なディテール工作によってさらに引き締まった。下半身のボリュームに合わせて厚みを増やした胸部も効果を発揮していることがわかるだろう
ポージング画像3

迷彩はマスキングシールで!

 セルマ機の迷彩は、ハイキューパーツのクラウド迷彩用マスキングシール3Mでマスキング塗装。波打つ迷彩パターンをお手軽に塗り分けたい場合、さまざまなパターンでカット済のマスキングシールの使用は大幅な時短が見込める。

切り抜いたマスキングシールを切り抜いたシート
切り取ったマスキングシールをパーツに張り付け

■はじめに
 ガルマ☆ザビコです。よろしくお願いします。今回は大好きなザクの作例(ジークジオン!)で、さらに友人のken16w氏とコラボということもあり、常時ハイテンションで製作させていただきました。同一の工作をしても面白くないので、どこを差別化させるか等を話し合い、ふたりが出した着地点にも注目しつつご覧いただけましたら幸いです。

■製作
 肩は、可動域確保のために胴体と腕の隙間が少し離れているようにも見えたので、肩関節パーツとポリキャップを詰めて、肩幅を少々強引に詰めています。
 スカートはフロントスカートの隙間をプラ板を貼って埋め、リアスカートの取り付け角度を若干外向きになるように変更しました。
 ディテールアップです。バーニアにはSTYLE-Sのロボバーニアを、腰周りに新造したラッチディテールはAUBE Dimension Worksのものを採用。ハンドパーツはSTYLE-Sの「ロボマニ」に変更しふた周りほど小型化。そのほか、プラ板やタガネを使い各所にディテールを追加しています。

■カラーレシピ
薄茶=ヘキサデザートイエロー80%+フィニッシャーズ アイボリーホワイト20%+色ノ源イエロー(数滴)
茶=ガイアカラー FS30219タン
濃茶=ダグラムカラー マホガニー
濃緑=NAZCAカラー ディープカーキ
フレーム=大洗グレーをベースに濃淡をつけた3種で塗り分け
バズーカ=116番ブラックグレー+ウォッシング
動力パイプ、ナイフ=メタルカラー アイアン+ウォッシング

■あとがき
 月刊ホビージャパン2023年8月号掲載のヴァイエイト・シュイヴァン/メリクリウス・シュイヴァンで共作したすえぞう氏に続き、今回はken16w氏とコラボさせていただき、またしてもおっさんずラブを共有(笑)。あーでもないこーでもないと話し合いながら製作するのは本当に楽しいですし、スキルアップにもつながります。みなさんもぜひおっさんずラブモデリングを楽しんでみては?(もちろん女性も可!!)

BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット “ハイグレード”

MS-06GD 高機動型ザク(地上用)セルマ機

製作・文/ガルマ☆ザビコ

HG 高機動型ザク 地上用(セルマ機)
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●2970円、受注終了●1/144、約13cm●プラキット●プレミアムバンダイ販売アイテム


\ウォルド機はコチラ/

公開は明日(2023年11月19日)の20時から!

 隙間を徹底的に埋めシャープに! 

「高機動型ザク ウォルド機」徹底した隙間埋めとパーツ置き換え、埋め込みで精密化!

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ⓒ創通・サンライズ

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