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水性塗料+ラッカー塗料でもっと便利に!? 楽しく塗装するテクニック教えます!!

2023.10.18

水性塗料もラッカー塗料も併用しよう! 便利テクニック紹介!! 月刊ホビージャパン2023年11月号(9月25日発売)

水性塗料+ラッカー塗料でもっと便利に!? 楽しく塗装するテクニック教えます!!

メーカー推奨じゃありません!!
でもとっても便利!!!

 水性塗料の性能が格段にアップした今だからこそさまざまな塗装方法が可能です。ここでは水性塗料どうしの組み合わせや、定番のラッカー塗料と併用してさらに模型を楽しく塗装できる方法を2回に分けてご紹介。一部メーカー推奨では無い組み合わせもありますが、実験したらしっかり出来たので、良いと思ったら取り入れてください。

 前編はコチラ!

 便利テクニック紹介 

水性塗料の便利テクニック4選! これを覚えれば塗装がもっと便利に楽しくなる!!!

 水性塗料の性能が格段にアップしたからこそさまざまな塗装方法が可能です。ここでは水性塗料どうしの組み合わせや、定番のラッカー塗料と併用するとさらに模型を楽しく塗装できる方法を[…]


5 水性塗料で塗ったパーツをラッカーのツヤ消しでコートする!!

 今回の「PLAMAX 真希波・マリ・イラストリアス スカルプターズホワイト」や「ARTPLA エヴァンゲリオン2号機獣化第2形態ザ・ビースト“ジオフロント血戦”」の作例では、塗り分けをしやすくするために、水性塗料で塗ったパーツをラッカースプレーのツヤ消しでコートしています。そもそも水性塗料が溶けたりしないの?? なんで水性塗料のトップコートでコートしないの? と思われると思います。それはこのあとに登場するとっても便利なテクニックにつながるからなのです。まずは実際に水性塗料を塗ったパーツに、ラッカー塗料のツヤ消しスプレーを吹いてみます。

ラッカー塗料の「Mr.スーパースムースクリアー つや消し」
▲前回水性ホビーカラーとシタデルカラーで塗ったパーツに、ラッカー塗料の「Mr.スーパースムースクリアー つや消し」を吹いてみます。このスプレー、本当にマットで美しいツヤ消しになるのでオススメです

各面3回ほど吹き付け
▲各面3回ほど吹き付けます! 吹いた感じ問題なさそうですよ……
完全乾燥した状態
▲完全乾燥した状態! ビシャビシャになるほど塗らなければ、このとおり! 人間の目で見える範囲ではダメージは感じられません。こうすることで、下の水性塗料はラッカーの膜に保護されるので、水性塗料を溶かしてしまうような溶剤などからも保護されます。そう……これによってあの台所用合成洗剤でスミ入れや塗り分けが可能となるのです

6 もはや定番!? 台所用合成洗剤で、塗り分け・スミ入れ自由自在!!

台所用合成洗剤 マジックリン

 台所用合成洗剤が「ラッカー塗料の塗面にダメージを与えないというメリット」と「水性塗料をエナメル塗料のように拭き取れる」というこの2点が発見されたことで、SNSなどを通してさまざまなテクニックが広がりました。本誌でもライターの林哲平がよく活用しています。ここでは覚えておくと便利な3つのテクニックをご紹介します。

マスキングいらずのシールドをゲット。塗り分け楽々

バーニアの中の赤を水性塗料で塗り
▲先ほどのように水性塗料で塗ったバーニアを、ラッカー塗料のツヤ消しスプレーでコート。こうすることで台所用合成洗剤で拭ってもバーニアの色は溶けません。この状態でバーニアの中の赤を水性塗料で塗ります。はみ出しを気にせずガンガン塗りましょう
台所用合成洗剤を染み込ませた綿棒で拭き取り
▲シタデルカラーのメフィストン・レッドは非常に塗りやすく、バーニアの中の赤にもピッタリ。乾いたら、台所用合成洗剤を染み込ませた綿棒で拭き取ります
綿棒の先
▲綿棒の先を見てみると……見事に赤色しか付いていません。ラッカーのツヤ消しスプレーでバーニアの色がしっかりと守られている証拠です
手軽に塗り分けが可能
▲シタデルカラーは細部塗装をするには最強の塗料のひとつ。台所用合成洗剤の拭き取りと合わせれば、手軽に塗り分けが可能です

拭き取るだけで、塗り分けが楽しい!

下地にラッカー塗料、上から水性塗料
▲下地にラッカー塗料、上から水性塗料(ここではタミヤカラー アクリル塗料を塗っています)を塗ってみましょう。缶スプレーで緑を塗ります
水性塗料のグレーを上から塗装
▲次に水性塗料のグレーを上から塗装します
台所用合成洗剤を含ませた綿棒で拭き取り
▲下のグリーンを露出させたいディテールを、台所用合成洗剤を含ませた綿棒で拭き取ります
マルイチモールド部分だけ緑に塗り分け
▲マルイチモールド部分だけ緑に塗り分けることができました! マスキングいらずでこのような塗り分けがスピーディーに楽しめます

水性塗料+台所用合成洗剤で割れにくいスミ入れ!

フィールドブルーを、専用の溶剤で薄めてシャバシャバにしたもの
▲台所用合成洗剤を使用したテクニックで、もっともお手軽な方法がスミ入れです。成型色仕上げにも相性が良いです。タミヤカラー アクリル塗料のフィールドブルーを、専用の溶剤で薄めてシャバシャバにしたものを使います
毛細管現象で、す~っと塗料が流れ
▲水性塗料はプラへのダメージが少ないので、この方法ならパーツの破損が少ないです。ディテールに塗料を置くと毛細管現象で、す~っと塗料が流れていきます
ディテールをなぞるようにしてスミ入れ
▲シタデルカラーのスミ入れ塗料である「シェイド」も台所用合成洗剤で拭き取れます。こちらは流すというより、ディテールをなぞるようにしてスミ入れします
きれいにスミ入れ
▲スミ入れした塗料は完全に乾くまで待ちましょう。そのほうがきれいに塗料が残ります。台所用合成洗剤を含ませた綿棒で、はみ出た塗料を拭き取ります
きれいにスミ入れ
▲きれいにスミ入れできました! 破損の確率が減る上に、水性塗料にラインナップされているさまざまな色でスミ入れできるようになります
シタデルのシェイド「ナルン・オイル」でスミ入れしたパーツ
▲シタデルのシェイド「ナルン・オイル」でスミ入れしたパーツ。こちらもパーツにダメージを与えないので、ほぼ割れません

実験!!

水性塗料
VS
ラッカーツヤ消しスプレー

 先ほど3回くらいのラッカーコートは問題なかった水性塗料。もっとスプレーを吹いてみるとどうなるのか検証してみました。他の水性塗料や色、個人の吹き方によって結果は変わるかもしれませんが、非常に良好な結果が得られました。

「Mr.スーパースムースクリアー つや消し」を各面10回吹く
▲水性ホビーカラーの黒を塗ったパーツに、ラッカー塗料の「Mr.スーパースムースクリアー つや消し」を各面10回吹いてみます

1回につき、このくらい濡れる
▲1回につき、このくらい濡れる感じで吹いてみました
溶けてない
▲溶けてない!! 普通にきれいにツヤが消えて塗膜もがっちり保護されています

 水性塗料だけ、ラッカー塗料だけといわずに、両方の良いところを組み合わせることでより塗装が快適になります。水性塗料にラッカーのトップコートでコートする際は、さっと吹いて完全に乾かしてから、再度吹き付けるというふうにしたほうが安全性は高いです。ぜひあなたの環境に合った塗料を組み合わせて、塗装を楽しんでください。

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