変形合体と可動・プロポーションを両立した驚異の「SMP大連王」 部分的な塗装で楽しく製作!
2023.10.23超絶キットを“楽しんで”作り上げる!
バンダイキャンディ事業部のSMP [SHOKUGAN MODELING PROJECT]最新作「五星合体 大連王」。設定どおりの変形合体とアクションの両立や、力強く豪奢なデザインの再現など、歴代スーパー戦隊ロボでも屈指の人気キャラクターだけに非常に力の入った内容となっており、SMPの新たな進化を感じ取れるキットである。
けんたろうによる作例では、この超絶キットを模型的に見映えよく、かつ現実的な作業量で完成させるため、作業内容を取捨選択しながら製作。キットの高いスペックを引き出している。ビッグアイテムの楽しみ方の一例としてぜひご参考いただきたい。
2023年8月に発売されたSMP大連王。いままでのシリーズの中でも特に攻めたアイテムで、変形合体を実現しながら各形態の可動とプロポーションも最大再現するという本当にすごい内容となっています。アクションは特にこだわっていて、とんでもなくよく動く。特徴的なのは龍星王の腰(股関節?)でしょうか。組む時は「どうなるんだこれ?」と思うんですが完成すると「なるほど!」となります。また塗装済み箇所も配置が絶妙で「ここにほしい!」ところが塗ってある感じ。各気伝獣の目が塗装されているのも嬉しいですね。シールもパーツにピッタリくるし、色ツヤもいいときています。
模型を作る、というとイコール表面処理と塗装を完璧にして仕上げる、と思ってしまいがちですが、ここまでキット側がおもてなしをしてくれているうえ、大連王のデザインを本気で塗装しようとするとあまりにも不毛です。作例でそれをやっても誰も真似できそうにないですよね…。そこで全部は塗らないけどしっかり手を入れ、満足度が高くそして遊べる仕様を目指して仕立てていきます。キットの根幹は変えないのでガシガシ遊んでも強度がある、こってり塗らないから剥がれる心配も低い(レタッチなどのフォローもしやすい)、そして塗装済みパーツやシールにも頼っていく。今回の作例はこの方針で作っております。
製作は整形・合わせ目消し→スミ入れ→半ツヤでトップコート→シールおよび部分塗装、という手順で製作しています。スミ入れはABSなのでリスクの少ない油彩系のMr.ウェザリングカラーを使って割れ対策としています。またプレミアムトップコート半光沢を全体に吹いて、表面処理で荒れた表面を落ち着かせたり、黒成型色に1枚フィルターをかけて見た目に変化を出していきます。シールはディテールを補完する部分もあり、特に星天馬と星麒麟には効果が高いところです。シールの鮮やかな発色をつぶさないように、貼り付けはトップコートの後にしています。さらに金や銀はなるべく塗りたいので、後から塗る箇所は半ツヤコート時にマスキングします。ここはちょっと苦しい作業ですが、こだわりポイントとして自分の作風を追加するのによい部分です。結果的に金銀を塗ると決めたことで、龍星王の龍頭の合わせ目を消すこともできました。
特集記事と並行しながら1週間は数時間ずつ、最後の3日は追い込みで丸1日作業して、10日間で完成しました。作業を絞っても楽とは言えないぐらいには手間がかかっていますが、このぐらいであれば現実的に完成させられるのではないかと思います。
この大連王は素組みでバシバシ組んでも美味しいし、今回のように効果の高い作業を選んで味わってもよし、もちろんガチ製作に挑んでもよし(とんでもないものが完成すると思います)と、ひつまぶしのように人それぞれの味わい方ができるキットです。忙しい皆さまもSMP大連王を組み立てて、合体や可動を堪能して、ラムネをおいしくかじろうではありませんか。
バンダイ ノンスケール プラスチックキット “SMP SHOKUGAN MODELING PROJECT”
五星合体 大連王
製作・文/けんたろう
SMP 五星合体 大連王
●販売元/バンダイキャンディ事業部●2640円、発売中●全3種●約16cm(大連王時)●ラムネ1個付属
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