コモリプロジェクト「漁師の角度」取材&「怪獣劇場 小森陽一の世界展」撤収の記録
2023.09.21 コモリプロジェクトHP
Youichi Komori Official Web(y-komori.net)
皆さん、こんにちは。コモリプロジェクト代表の小森です。
ちなみに皆さんはHJをどのタイミングで開かれるんでしょう。朝、のんびりとモーニングコーヒーを飲みながら? お昼、ランチの合間にパラパラとページをめくる? 世界が寝静まった夜、ひとりじっくりと没頭して? こんなことを言い出したのも果たして「こんにちは」という挨拶が正しいのかどうかずっとモヤモヤしていたからなんです。なんてことを書いていたら残りの文字数に響きますので先を進めますね(この問題は今後それとなく対処していこうと思います)。
先月の8日の話です。九州、中国地方はまたしても災害級の大雨が降りました。これだけ大雨が頻発するようになった今では『想定外の~』とか『百年に一度の~』なんてフレーズはゴミ箱行きです。もうこれが普通の、日常レベルの話になってしまいました。国連のグテーレス事務総長も言ってましたね、「もう地球温暖化の時代は終わった。これからは地球沸騰化の時代だ」と。まったくとんでもない話ですが、意識をあらためる必要があります。なんて、温暖化の話をし始めるとまたまた脱線しますのでここらで止めておきますが、その大雨当日、コモリプロジェクトのメンバーは二手に分かれ、日本列島を移動しました。僕は飛行機で北海道へ向かい、【漁師の角度】の舞台である積丹の取材へ。マスター土井と助手の加織さんは博多駅から新幹線と車で鳥取県倉吉市にある円形劇場を目指し、【怪獣劇場 小森陽一の世界展】閉幕に際しキットや資料の梱包作業です。飛行機はなんとか雲間を掻い潜って離陸しましたが、新幹線はそういうわけにはいきませんでした。広島~小倉間で運転を見合わせ、ふたりは長時間新幹線の中で足止めとなりました。それでもなんとか当日中に(現地入りすることが出来ました)と報告が来た時にはホッとしたものです。
僕はさっそく竹谷さんの案内で育った生家や美国町の町内、神威岬を始めとするこの地の象徴を巡りました。どこに行っても風に乗って潮の香りが漂い、ニャーニャーと野良猫ではなくカモメが鳴き、マタギをされている方から熊撃ちのエピソードを伺いました。今も残る番屋と呼ばれるニシン小屋の中に足を踏み入れると、100年くらい時間が戻ったような妙な錯覚に陥りました。そして、一瞬で理解しました。【漁師の角度】という得体の知れない物語はここでしか生まれなかったこと。その一番根っこには、自分のことを父親に分かってもらいたいという竹谷さんの切なる想いが練り込んであることを。そのことを肌感覚ではっきりと感じられただけで、この取材旅行の収穫は充分にありました。
積丹 取材の記録
かたや円形劇場組も大いに実りある時間となったようです。嵐の中、山田プラ子さんが撤収の応援に来てくださったり(嬉しい! ありがとうございます!)、MAX渡辺さんのご厚意でグッドスマイルカンパニーの工場見学などをさせていただいたり(MAXさん、僕も見たい~)。円形劇場のスタッフ達も総出でテキパキと作業を進めてくださり、出足は雨に阻まれたものの予定よりも大幅な時間短縮で撤収作業は完了したそうです。皆さん、本当にお世話になりました。ありがとうございました。
倉吉 撤収の記録
取材旅行と展覧会の経験は、今後プロジェクトを運営する上でさまざまな意味を持ってくるでしょう。すでにいくつか計画が始動しているものもあり、僕自身愉しみでなりません。
文/小森陽一
撮影・構成/土井眞一
写真/小森陽一・土井眞一
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小森陽一(コモリヨウイチ)
●1967年生まれ。大阪芸術大学芸術学部映像学科卒業後、東映に入社。その後、コラムや小説、漫画原作や映画の原作脚本を手がける。大阪芸術大学映像学科客員教授。『海猿』『トッキュー!!』『S-最後の警官-』『BORDER66』『ジャイガンティス』など著作多数。