HOME記事キャラクターモデル『クラッシャージョウ』の「ハンター」全種類作例化完了!未キット化のアラクネはスクラッチで!!【海賊ハンターシリーズ完結編】

『クラッシャージョウ』の「ハンター」全種類作例化完了!未キット化のアラクネはスクラッチで!!【海賊ハンターシリーズ完結編】

2023.09.20

サンライズ・メカニック列伝 第56回 ハンターシリーズ 完結編【タカラ】 月刊ホビージャパン2023年10月号(8月24日発売)

『クラッシャージョウ』の「ハンター」全種類作例化完了!未キット化のアラクネはスクラッチで!!【海賊ハンターシリーズ完結編】
クモ型ハンター アラクネ、ダチョウ型ハンター オストール、飛行型ハンター ガドフライ イメージカット

ハンターシリーズ 完結編(『クラッシャージョウ』より)

 サンライズ作品に登場する数多のメカを模型作例で再現し、改めてその魅力を探る連載企画「サンライズ・メカニック列伝」。今回は『クラッシャージョウ』から対人用無人攻撃メカが3度目の登場。「海賊ハンターシリーズ」作例の第1部完結編をお届けしよう!
 宇宙海賊マーフィ・パイレーツは、本拠地であるラゴール第2惑星ミナウスのベゴニアス島に、ガードマンとしてハンターを多数配備。また、キリウス人民共和国の首都ウーベンでは暴徒鎮圧用として配備されている。
 設定のみ存在するショックガンを搭載したオストールとガドフライのカラーバリエーションは、田仲正樹が私物を投入して製作。さらにプラキット化されていないアラクネをスクラッチし、『ジョウ』ファンの悲願であったハンター全種類作例化を完了させた。読者諸氏には、ぜひ本記事を参考にお手持ちのハンターキットの製作、そしてアラクネの自作に挑戦していただきたい。

クモ型ハンター アラクネ、ダチョウ型ハンター オストール、飛行型ハンター ガドフライ

アラクネ

クモ型ハンター アラクネ

 上部センサーは市販のバーニアパーツを削り込んだものにエポパテを盛り付けて製作。内部にはバンダイミストロットコレクション付属のカードの透明部品から削り出したレンズを接着した。
 胴体上面の円盤はHGリーオーの盾を加工したもの。その下のメカ部はモールド入りプラ板を箱組みし、劇中で描かれている円形ディテール等を加えた。その下のブロックはアオシマ1/24スーパーアスラーダAKF-11の余剰部品から削り出し、パイプ状のディテールをリード線で追加したもの。後部には劇中で3番目に現れる機体の作画を参考にセンサーを設けている。田仲氏曰く「3機目はオレンジの円形部分が描かれておらず、代わりに腹部にセンサーがありますが、これは1機目と2機目がオレンジ部分を狙われて破壊されたのを踏まえて後ろを向いて弱点を隠し、代わりに背部のセンサーが前に来ている状態だと考えました」とのこと。
 球形銃座はHGドラッツェのスラスターポッドを加工したものに、プラ板とエポパテで自作した銃身基部を取り付け、ジャンクパーツで製作した3本のレーザー銃身を接着。
 脚部はエポパテの塊から削り出した原型をシリコーンゴムとレジンキャストで複製し、8組を揃えている

■クモ型ハンター アラクネ
 サンライズメカファンのみなさんは、あれから40年経った今でも「ああ、ハンターのプラモを全種類並べたかったなあ…。それにしてもアラクネが胸の正面に付けてる、レイガンが1発当たると機体が大爆発する丸いオレンジの部品って、あまりにも無防備だよなあ…」とつねづね思っているはず。だったら残りの1種であるアラクネを自作して、大友克洋先生が描かれた設定画では確認できない「弱点」のディテールも再現するしかありません。
 まずは『ガンダム』のボール、カプル、ハロ、ロッグ・マック等、プラ製の軽い球状部品をいろいろ集めます。その中から一番作りやすそうなサイズで、ディテールも彫りやすそうなHGドラッツェの球体を選んで下部球体銃座に改造し、これに合わせて各部を作っていきました。
 脚部は設定画と本編で形状や関節の曲がり方が異なりますが、放し飼いにしているアシダカグモを観察した結果、設定に近い曲がり方としました。ヒザ関節装甲の大きさや形状はやや劇中寄りに。エポパテで1本だけ作って複製しましたが、気温が36℃ある中で作業するとキャストがすごい勢いで固まるし、気泡は入るしで型からまともな部品が全然出てこなくて参りました。
 塗装は映画のパンフレットを参考に、彩度の低い青系の緑と、グレーに近い緑系の青で塗り分け。足元には溶きパテを塗りつけた上に土の色を吹いて泥汚れを表現しています。上映当時(リマスターされる前)の登場シーンは、夜を表現するフィルターが薄くかかった感じの青っぽい画面だった記憶があるので、色相をもっと青に振ってもよかったですね。

ガドフライ

(河森正治氏イラストイメージカラ

飛行型ハンター ガドフライ

 月刊ホビージャパン2022年10月号掲載のガドフライとほぼ共通の工作。電子アイは透明ランナーのタグを切り出したものを市販のノズルパーツにはめ込み透明化。前面のセンサー状のモールドとレーザーガン側面のセンサーの内部には市販のレンズパーツをはめ込んだ。アンテナは破損防止とシャープ化を兼ねて真鍮パイプと洋白線を組み合わせたものに交換。レーザーガンは基部にポリキャップを仕込み後ハメ化。展示用スタンドのアームは3mmのプラ棒(ランナー)に交換してシンプルな形へと変更、より安定したものにしている。田仲氏の所有する未組立の「無限ガドフライ」を減らすための作例でもあるらしい

■1/16ガドフライ
 アンテナを金属線でシャープ化し、電子アイやカメラ類はクリアー化。スタンドへ接続するためのアームはランナーに交換。フォルムは基本的にキットのままです。
 塗装は「メカニックアート集」の河森先生のイラストを参考に、自作の青系グレーとそれにクールホワイトを加えた白に近いライトグレーで塗り分け。ダクトはビビッドオレンジに前述のライトグレーを加えた鈍いオレンジ、銃身は焼鉄色+シルバー。イラストに倣って「4」のデカールを貼っていますが、これは当然、1番機も2番機も3番機も存在するということですね。作らないけどね。

オストール

(ショックガン装備)

ダチョウ型ハンター オストール

 OVA『氷結監獄の罠』製作時に設定されたショックガン装備の機体(本編未登場)をモチーフにした作例。ショックガン基部のユニットは上下に1mm強削り込んで小型化。銃身はHGフォビドゥンガンダムのニーズヘグと市販のノズルパーツの組み合わせで自作。後端に取り付けた鉄製のビスを、基部のネオジム磁石へ接続することで後ハメ化した。股関節とヒザ関節は固定しているが、足首関節をボールジョイント化することでストレート組みの状態よりもはるかに立たせやすくなっている。ヒザ関節のコードはリード線に、アンテナは真鍮パイプと真鍮線を組み合わせたものにそれぞれ交換し、ディテールアップするとともに強度を高めた

■1/32オストール(ショックガン装備型)
 流用パーツを組み合わせてショックガンの銃身を自作し、上下の幅を詰めて小型化した基部に磁石で接続。股関節とヒザ関節は固定して、足首関節のみボールジョイント化。これだけでもずいぶんと立たせやすくなります。
 塗装は講談社刊「クラッシャージョウ メカニックアート集」掲載の河森正治先生のイラストと、タカラ刊「デュアルマガジン」に掲載された初期稿を参考に。白に近い青系のグレー、茶系のグレー、ハーマンレッド+本体色少量の赤で塗り分けています。

クモ型ハンター アラクネ、ダチョウ型ハンター オストール、飛行型ハンター ガドフライ、ホバークラフト型ハンター ディスクハウンド、車輌走行型ハンター クローラ、水すまし型ハンター スケートボーイ

 次回は白い量産型メカの作例が登場します。

ノンスケール スクラッチビルド

クモ型ハンター アラクネ

タカラ 1/32スケール プラスチックキット

ダチョウ型ハンター オストール

タカラ 1/16スケール プラスチックキット

飛行型ハンター ガドフライ

製作・文/田仲正樹

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©高千穂&スタジオぬえ・サンライズ

田仲正樹(タナカマサキ)

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