主役機「プロトゴウヨウ」がHGで発売!ウェザリング塗装とミリタリー調のディテール追加で解像度アップ!【境界戦機 極鋼ノ装鬼】
2023.09.07XMM-01 プロトゴウヨウ【BANDAI SPIRITS 1/72】 月刊ホビージャパン2023年10月号(8月24日発売)
歴戦の勇士らしい使い込まれた感を前面に押し出してハードに仕上げる
『境界戦機 極鋼ノ装鬼』主役AMAIM「XMM-01 プロトゴウヨウ」がHGシリーズでついに発売。本機は公式外伝『フロストフラワー』主役機「ビャクチ」の基本構造を受け継いだ機体として、その面影を若干ながら残しているものの、キットは完全新規と言っても過言ではないほどにまったくの別物になっている。木村直貴のキットレビューでは、最新機ながら三澤ジンとともに数々の戦場を駆け抜けてきたと想定して、機体に刻み込まれたダメージをウェザリング塗装で再現。ミリタリー調のディテールアップも加えてさらに解像度を高めている。
HG 1/72 メイレス プロトゴウヨウ
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●2640円、発売中●1/72、約14.5cm●プラキット
HG 1/72 境界戦機ウェポンセット5
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●1320円、発売中●1/72●プラキット
■2023年の夏は熱いぜ
『境界戦機』待望の新シリーズ『極鋼ノ装鬼』より、傭兵、三澤ジンの駆るプロトゴウヨウを担当させていただきました。メカニカルで重厚なデザインに、紺とグレーの渋いカラーリングは実に魅力的! 主役機のキットレビューながら、いきなり「ダメージ&汚しで歴戦のマシンとして仕上げてください」とのオーダーで、僕の好みがいくつも重なって、これは! 燃えないわけにいきませんですなぁ〜!
■楽しんでますか?
キットはシリーズの特徴を継承しており、HGシリーズながらそれ以上の精密感とボリューム感を持つスーパーキットであります。特にスタイリングは見事! の一言。『境界戦機』独特の腰を落とした前かがみの立ちポーズがめちゃくちゃ決まります。さらに豊富に付属する武装をフル装着したときのメカニカル感は本気でシビレますぜ! ぜひキットを組み立てて、映像やフォトでは味わえない“奥行き感”を直に楽しんでいただきたい!
■メカ天国
スタイリングもギミックも全然問題ないので、製作は基本的に装甲裏などのチラ見えする部分の補完作業がメインになります。目立つ箇所としては、靴部の爪内側、スネ外装の内側、リアスカートラック裏面、ウェポンラック基部、頬当て内側あたりです。スネ内側は形状が複雑で、ウェポンラックはフィッティング調整が難しく、なかなか高難易度の箇所もありますが、パテやプラ板など適材適所で使い分け、メカディテールを入れて処理するなど、各自、工夫してやっつけましょう。また、追加装備のためのハードポイント(3mm穴)が各所に設けられていますが、太い黒穴が結構目に付くので、気になる方は使わない部分にディテールを入れて埋めてしまうのも手ですよ。作例ではウェーブのO・ボルトの「凸マルイチ」を加工したもので脱着式のフタを作って差し込んでみました。
表面ディテールに関しては、キットもセンスよいメカディテールが適度に彫られていて充分精密に見えますが、やはり、マイ作例としては(←笑)もう少し欲しいので、いつも通りの「・」「ー」「凹」を適宜追加で彫っています。また、整形時の都合で邪魔になったり、曲率の関係で成型が甘くなってしまっているパネルやリブの凸モールドは、削り落としてプラ板などで貼り直したりしています。ついでに、今回はプラ材や延ばしランナーで補強リブや凸ボルトなども追加してミリタリー風味も出してみました。
■歴戦の傭兵ならば!
最近すっかり定番になった銀チョロダメージ仕上げであります。おさらいすると、下地に銀(シルバー+焼鉄色)を吹いておき、機体色を上塗り(紺はティターンズブルー2+パープル。黄は黄橙色+白。グレー〜黒はサーフェイサーをいろいろ混色)して、乾燥後、尖ったもので引っ掻いて下地の銀を露出させます。その後、アクリル絵の具(黒+茶+赤)を液体洗剤を少し入れた水で溶いて、全体をウォッシング。適当なジャンクデカールを貼って(エンブレムマークはかいんさんが作ってくれました!)、最後にツヤと濃さを調整したスーパークリアーグレートーンで全体に濃淡をつけて整えます。なお、『極鋼ノ装鬼』というタイトルイメージから、今回、汚し効果は多少犠牲にしてツヤは残し気味にし、鈍く光る金属的重量感のほうを優先して狙っています。…いいッスね〜、『境界戦機』!
BANDAI SPIRITS 1/72スケール プラスチックキット “ハイグレード”メイレス プロトゴウヨウ使用
XMM-01 プロトゴウヨウ
製作・文/木村直貴
デカール製作/かいん(firstAge)
©2023 SUNRISE BEYOND INC. ©2021 SUNRISE BEYOND INC.
木村直貴(キムラナオキ)
工作&塗装ともにミリタリー表現を取り入れたディテールアップを得意とするエースモデラー。和歌山在住の大正琴師範代。