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エアリアルのガンビットの軌跡を金属線で表現 山田卓司初の『水星の魔女』作例!

2023.08.11

スコア6の領域【BANDAI SPIRITS 1/100】

エアリアルのガンビットの軌跡を金属線で表現 山田卓司初の『水星の魔女』作例!

スコア6の領域

スコア6の領域 イメージカット

ガンビットの軌跡を模型で表現する

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』のバトルパートで共通して印象に残るのが、縦横無尽に動くガンビットとその動きを視覚的に伝えてくれるエフェクトであろう。これをなんとか立体物として表現できないか? というお題のもとに製作したのが本作例だ。製作は模型表現の引き出しが豊富な山田卓司。不規則に曲げた金属線の組み合わせで作中の雰囲気を表現している。実は『水星の魔女』初挑戦となったその作例をご覧いただこう。

スコア6の領域 全体画像1
▲第9話でのグラスレー寮との決闘をモチーフにヴィネット仕立てで製作。ガンビットの軌跡は太さの異なる金属線をハンダ付けで組み合わせ、幾何学模様を再現している。壁面は劇中から廃墟ビルのディテールを拾って造形した
スコア6の領域 全体画像2
▲サイズはおおむね幅30cm×高さ36cm×奥行き35cm(ビームブレイド先端まで)ほど。エアリアル本体はFULL MECHANICSを使用しているためボリュームあるサイズ感となった
足元の壁面
▲壁面は基礎部分を木材で製作。パイピングなどのディテール部分はプラ素材を使用している。断面はロードされた環境データをイメージしてドット風にカットし青く塗装している
ガンビットのエフェクト
▲ガンビットのエフェクト。両端の桁を基に、不規則に折り曲げた金属線を複数重ね、ハンダ付けで固定することで幾何学模様を表現している。さすがに簡単な工作とは言えないが、作中でも特に目を惹く要素なので、模型で表現する方法のひとつとして参考にしていただきたい
ガンダム・エアリアル アップ
▲ガンダム・エアリアルは一部関節の可動を残しているのである程度ポーズ変更も可能。センサーと思しき部位はメタリックシールでディテールアップ。装甲表面はパッケージイラストも参考にうっすらパールコートを施し、ただならぬ力を発揮した第9話でのイメージを表現している
ガンダム・エアリアル 上半身アップ
▲胸部シェルユニットはミカエリスの攻撃でカバーが破損した状態に改造。青い発光部分はキットのメッキパーツから赤い塗料だけを落とし、青で塗り直してメッキの輝きも活かしている
右肩アップ
左肩アップ

▲各部にダメージ痕を追加。キットでも肩アーマー内の関節は造形されているが、劇中作画に近い形状になるよう右肩関節はスクラッチしている。左腕も肩から先がなくなった状態に加工

スコア6の領域 全体画像3

 念願の『機動戦士ガンダム 水星の魔女』初作例! 今回のお題は「ガンビットの軌跡の表現」です。
 表現方法として思い付いたのは、金属線をハンダ付けして作る方法。これなら強度も保持力もあり、造形的に面白いものになりそう、ということで採用しました。素材は強度と工作のしやすさから0.5mm径のステンレス線を使用。補助的に0.3mm径も併用しています。軌跡模様に合わせてプライヤーで曲げていきますが、二次元的に同じ方向に曲げるのが厄介で、時々パーツを確認して歪みを修正していきました。ガンビットとの対比から類推して寸法を8mm幅とし、木工材料で簡単な治具を作ってハンダ付けして帯状にしていきました。
 他の方法では薄い透明板などに軌跡の模様を描き込み表現するというのも簡単で効果は高いのですが、板面が反射して光るのと保持が難しい点が気になり今回は見送っています。まったく違うやり方での再現を模索しても面白いかもしれませんね。
 ガンダム・エアリアルはFULL MECHANICSを使用。第9話のパーメットスコア6発動後のシーンをモチーフとしました。ここでは機体各部が破損していますので、映像を観察して破損部分を再現していきます。特に右肩は外装パーツが外れてインナーパーツが剥き出しになっていますから、キットパーツをゲージにしてプラ板で自作しています。破断部分は超音波カッターで切り込み、小さなビットを付けたモーターツールで断面を彫刻しています。キットそのものには大きく手を加えていませんが、アンテナは裏側から削り込み、薄くシャープにしています。また細かいディテールはコトブキヤのディテールパーツやプラ材から作ったパーツを使いました。
 塗装はすべてラッカー塗料。頭部のカメラ部分、ツインアイはガンダムマーカーのメッキシルバーを下塗りした後にガイアノーツの蛍光グリーンを重ね塗りしています。ここは仕上げにUV硬化のクリアーを盛り付け、エアリアルらしい丸みのある表現にしました。各部のセンサーらしいディテールはハセガワの偏光シートを貼り込んています。シェルユニットは表面のクリアーレッド塗装を溶剤で落とし、蛍光ブルーで再塗装。アクリルガッシュのブラックで凹部分を塗り潰し、中性洗剤を付けた綿棒で拭いて表面のブルー部分を露出させました。
 ボックスアートも参考に機体表面はパール塗装。
 背景は劇中場面を資料にビルの外壁ディテールを作り込んでいます。基礎部分は木製の集成材で作り、ディテールを工作したプラ材を貼り込んで作りました。配管はプラパイプを工作。外周部は木製の立方体を接着してホログラム映像がバグったようなムードにしています。

BANDAI SPIRITS 1/100スケール プラスチックキット “フルメカニクス”ガンダムエアリアル 使用

スコア6の領域

製作・文/山田卓司

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Ⓒ創通・サンライズ・MBS

山田卓司(ヤマダタクジ)

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