「アルティメットニッパー」を長持ちさせる方法や切り方を知りたい!ゴッドハンドがQ&A形式で解説!【神の手研究所】
2023.07.05神の手研究所 月刊ホビージャパン2023年8月号(6月23日発売)
REPORT アルティメットニッパーQ&A
工具メーカー「ゴッドハンド」の工具をワンテーマで掘り下げる本コーナー。今回はゴッドハンドの代名詞とも言える工具・アルティメットニッパーについて、Q&A方式で改めて解説していきます。デリケートな一面があるのも確かですが、そのスペックもまた本物。この機会に導入してみてはいかがでしょうか?
アルティメットニッパー 5.0
●発売元/ゴッドハンド●5610円、発売中
アルティメットニッパーに限らず、ニッパーという工具全般に言える注意事項です。これを守らないと多かれ少なかれニッパーはダメージを受け、寿命が短くなります。アルティメットニッパーは特にその影響が大きいのです。逆に言えばこれらを破らない限り、アルティメットニッパーは非常に長持ちします。
これさえ守れば切れ味長持ち!
ニッパーの使い方6原則!
①切っている最中や切り終わりにニッパーを捻らない
→刃が折れたり欠けたり、歪んだりする原因です。
②対象線材より硬い物は切らない
→刃が折れたり、ホール(刃が丸くへこむ)などが起こる原因です。
③刃長より長い物は切らない
→刃が挟まった状態になり、刃の折れ・欠け、歪みの原因になります。
④刃の先端だけ使って切らない
→刃先が広がったり欠けたりする原因です。
⑤可動部は常にきれいにし、軸にガタが出ている場合は使わない
→正常に切れなくなり、刃が欠けたり割れたりする原因です。
⑥必要以上に力を入れて握らない
→刃先に無駄な力がかかり、破損しやすくなる原因です。
Q&A① 長持ちさせるには?
Q.壊れやすいと聞くけど大丈夫?
A.上記のニッパーの使い方を守って使うのであれば問題ありません。アルティメットニッパーなどは薄く非常に硬い刃を採用しているので、雑に扱うと破損が目立つのは事実です。ただどんなニッパーでも適切に使わないと刃や軸が歪みますので、本来ならすべてのニッパーで同じ使い方をすべきなのです。
Q.耐久性が悪いの?
A.耐久性=切れ味とすれば非常に長持ちします。刃先硬度を上げて硬さをしっかりと出しているので摩耗しにくく、切れ味は簡単には落ちません。硬度が高いゆえに誤った使い方をした際に破損しやすいのですが、逆に硬度を低くすると切れ味が鈍りやすいので、ゴッドハンドのニッパーでは切れ味のほうを優先しています。ゴッドハンド製ニッパーで切れ味が悪くなったと感じるときは、大半がメンテナンスを行わなかったり、誤った使い方をしたことが原因で起こっています。
Q&A② 切る対称について
Q.ランナーを切ったらダメなの?
A.3mm径以下のものなら問題ありません。ただし通常よりも硬いプラやクリアーランナーは刃が折れる場合があるのでおやめください。
Q.クリアーパーツを切り出すのはダメなの?
A.いいえ、クリアー素材でも1mm以下ならば切断に問題はありません。むしろゲート処理なら使わないほうがもったいないです。
Q&A③ 切り方について
Q.ゲートカットをするときは必ず二度切りしないといけないの?
A.必須ではありません。二度切りするとゲート処理が楽になるので推奨しています。一度で切ってもパーツをえぐることなくカットできますし、デザインナイフで整えればよりきれいになります。
【二度切りを行った際の仕上がり】
【1度でパーツを切り外し→ゲート跡をナイフで処理 】
Q.曲面などには向いていないのでは?
A.いいえ。二度切りでアールに沿うように切れば曲面でもきれいに切り取ることができます。
Q&A④ 実際どのぐらい有用?
Q.ヤスリがけするならニッパーの切れ味は関係ないのでは?
A.いいえ。ヤスリがけする場合もゲート跡が極力きれいなほうが整形の手間が減ります。
【SGニッパーで切断→ヤスリがけ】
【アルティメットニッパーで切断→ヤスリがけ】
Q.白化しないの?
A.まったくしないわけではありませんが、パーツに負荷をかけないので白化しにくいです。白化させないコツは、切るときにニッパーを強く握らず、ゆっくりと刃を入れていくことです。切り跡がきれいなので素組みをするときにも向いています。
【通常通りに切り取る】
【ゆっくり切り取る】
Q.アルティメットニッパーを使うと時短になると言われているらしいけど?
A.表面処理が必要最低限になるほか、都度デザインナイフなどに持ち替える手間も減って時短に繋がります。またナイフで指先などをケガすることも自然と少なくなります。