ボークスの塗装見本と一味違う!史上最強ガレージキット「ツァラトウストラ・アプターブリンガー」を製作【ファイブスター物語】
2023.07.16ガレージキット史上類を見ないオバケキットを完成させる
永野護氏をもって“ボークスのツァラトラはオバケ”と言わしめた、ガレージキット史上最強レベルのスーパーキット、HIGH-SPEC GARAGE KIT 1/72 ツァラトウストラ・アプターブリンガー。3期にわたる抽選販売期間を経て、2023年5月20日に最後の当選分商品が発送となった。このタイミングで、これまでも数々のMH、GTMを手掛けてきた桜井信之が作例に挑戦。ボークスの塗装見本とは異なる仕上がりの、全高36.1cm、全長83.1cmにもおよぶ圧巻のツァラトラをじっくりご覧いただきたい。
全身デザインが発表後、誰もが立体化は不可能だろうと考えていたツァラトウストラ・アプターブリンガー・パンツァー・カンプフロボーター。2022年、ボークスの造形チームの手によりガレージキット化がアナウンスされた際は誰もが耳を疑ったことでしょう。2022年末より全3回にわたり、抽選販売という方法でリリースされ、5月末に3回目となる最後の商品発送がされています。184800円という価格も桁外れですが、その内容はさらにすさまじく、全193パーツ、完成後は全高36.1cm、全長83.1cmにおよぶその姿は、この価格にも充分納得できるキット構成と言えるでしょう。今回はその第3回目の商品発送に合わせて、この奇跡のキットを製作いたしました。
製作方法は通常のレジンキットと同じく、全パーツの洗浄、パーティングライン処理を行い組み上げていきます。その際、完成後の強度を保つため真鍮線で補強し接続は必ず行ってください。手足などの肝心な箇所はφ2mm、その他の小パーツはφ1mm、φ0.5mmと使い分けて接続していきます。
塗装に関しては大きく分類すると、関節やフレームはメタリック系のグレー、メインの外装は半透明ホワイト(実際には30%程度の透け具合)、アンクルクレーン外装やヘッドバック・ハロなどは限りなく黒に近いダークグレー。腹部やフロントアーマーなどは完全なクリアー(透明)などで構成されています。色味を大きく変更することはできないので、外装ホワイトの透け具合と、関節やヘッドバック・ハロの裏側のツヤをコントロールしてボークスのオフィシャル完成品との違いを出すことにいたしました。
まず半透明装甲はクリアーホワイト→パールホワイト→クリアーホワイトと三層で表現しましたが、二層目にパールを吹き、パールの粒子感があまり前面に出ないようにしました。関節はブラック→パールホワイト→クリアーブラックで再現。クリアーブラックは濃いめに溶いたものをハンドピースで遠吹きすることで、ツヤ消し剤を使わずフラット仕上げにしています。ヘッドバック・ハロはクリアーブラックを数回吹き重ね、若干透けている状態にし、裏面のみをフラットクリアーでツヤを消してみました。透明部分はクリアーを表・裏の両面から吹き透明度をアップ。その下側に入る部分はメッキ調シルバーでギラギラに仕上げています。
とにかく完成後の満足度は素晴らしく、何時間も眺めながら祝杯を上げました。ガレージキット業界に伝説として語り継がれるであろう、この奇跡のキット。購入された方はぜひとも完成させて、さらなる興奮をご堪能ください。
ボークス 1/72スケール レジンキット “HIGH-SPEC GARAGE KIT”
ツァラトウストラ・アプターブリンガー
製作・文/桜井信之
HSGK 1/72 ツァラトウストラ・アプターブリンガー
●発売元/ボークス●184800円、抽選販売第3期申込終了●1/72、約36.1cm●レジンキット●原型/大石凡(造形村F.S.S.プロジェクトチーム)
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桜井信之(サクライノブユキ)
著書「たった2日でできる! 週末ホビーライフ」が好評発売中。あらゆるテクニックに精通するの模型の伝道師。