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スーパーキット「MG Zガンダム Ver.Ka」をTV版を意識して丁寧に仕上げる

2023.05.21

MSZ-006 ゼータガンダム【BANDAI SPIRITS 1/100】●まつおーじ(firstAge) 月刊ホビージャパン2023年6月号(4月25日発売)

スーパーキット「MG Zガンダム Ver.Ka」をTV版を意識して丁寧に仕上げる

20年の節目に誕生したスーパーキットを丁寧に仕上げる

ゼータガンダム Ver.Ka

 ついに4月29日(土)に発売となったMG ゼータガンダム Ver.Ka。月刊ホビージャパン本誌でもこれまで幾度となくキット開発の過程を詳細に追いかけてきた(その模様は「月刊ホビージャパン6月号」の別冊付録にて再収録しているのでご確認を)このスーパーキットを、まつおーじがファーストレビュー。“とにかくやることがない!”モデラー泣かせの本キット。作例は成型の都合によるパーツのシャープ化、塗装の便を考慮した後ハメ加工に加え、MG ゼータガンダム Ver.2.0から、ハイパー・メガ・ランチャーを用意して持たせてみた。まずはキットの魅力を存分に味わっていただきたい。

ゼータガンダム Ver.Ka変形
ゼータガンダム Ver.Ka素組み
ゼータガンダム Ver.Ka素組み変形

▲MG Ver.Kaシリーズ最新作は、アニメ設定画の魅力を徹底的に追求したZガンダム。こだわりぬいたスタイルや各部形状、洗練された変形システム、組みやすさも重視したパーツ構造など、まさに現時点でのZガンダムモデルの最高峰といえる

ゼータガンダム Ver.Kaパッケージ

MG ゼータガンダム Ver.Ka

●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●7150円、発売中●1/100、約18cm●プラキット


さらに進化した変形システムでMS&ウェイブ・ライダー両形態の完全両立を実現!

 MG ゼータガンダム Ver.Kaの最大の魅力のひとつが、モビルスーツ→ウェイブ・ライダーへの新たな変形システムの構築と両形態のプロポーションの完全両立といえる。ここでは変形プロセスを分解写真で見せつつ、完全変形にいたるポイントを解説していく。

ゼータガンダム Ver.Ka胸部前スライド
▲胸部は一度前にスライドしてせり出した後、頭部をくぐり上に上がる。これにより頭部に干渉することなくスムーズに変形ができる。また襟のユニット下のフックが起き上がり、シールドの留め具のひとつとなる。腹部もこれまでのVer.2.0などよりも伸縮がしやすい機構となっている
ゼータガンダム Ver.Kaフライング・アーマー支えフレーム
▲フライング・アーマーを支えるフレームはシンプルだが考え抜かれた形状。フライング・アーマーを掴む部分が上下にスライドすることも、フライング・アーマーの移動をスムーズにしている要因のひとつ
ゼータガンダム Ver.Ka新解釈ギミック
▲Ver.Kaオリジナルの新解釈ギミック。肩アーマー上部がくの字に折れ曲がることで肩アーマーが薄くなる仕組み。これまでは外側のユニットが内側の中に入り込む方式だったが、設定画の形状のままではそれが困難であるため考え出されたものだ
ゼータガンダム Ver.Ka前腕動力パイプユニット
▲前腕の動力パイプユニットを起こすと固定フックが外れ、前腕の一部が前腕にスライドして入り込む仕組み。歴代MGにはなかった新ギミックだ
ゼータガンダム Ver.Ka背面カバー
▲胸部背面のカバーがスライドして肩の凹部分を覆い隠す。これもVer.Kaオリジナルの解釈だが、MS、ウェイブ・ライダー両形態での見映えは格段によくなる

 MG ゼータガンダム Ver.2.0ですでに確立されたかに見えたモビルスーツ←→ウェイブ・ライダーの変形システムだが、Ver.Kaではさらに進化。すべてにおいて進化しているのだが、その中であえて挙げるとすれば①胸部②股間フレーム③腕部④フライング・アーマーの4つ。ポイントはアニメ設定画のウェイブ・ライダーのシルエットの再現と変形のしやすさにある。フレーム素材もこれまでのポリキャップ+ABSからKPSに変わったことも変形ストレスの軽減に一役買っている。

ゼータガンダム Ver.Kaモビルスーツ→ウェイブ・ライダー
ゼータガンダム Ver.Kaモビルスーツ→ウェイブ・ライダー2
ゼータガンダム Ver.Kaモビルスーツ→ウェイブ・ライダー3
ゼータガンダム Ver.Kaモビルスーツ→ウェイブ・ライダー4
ゼータガンダム Ver.Kaモビルスーツ→ウェイブ・ライダー5
ゼータガンダム Ver.Kaモビルスーツ→ウェイブ・ライダー6
ゼータガンダム Ver.Kaモビルスーツ→ウェイブ・ライダー7
ゼータガンダム Ver.Ka立ち
ゼータガンダム Ver.Ka付属カミーユフィギュア
▲カミーユ・ビダンの立ちフィギュアはご覧の通り素晴らしい出来。丁寧に塗り分けるだけでこれだけの仕上がりに
ゼータガンダム Ver.Kaビームサーベル構え
ゼータガンダム Ver.Kaキット付属武装
▲キットの付属の武装はビーム・ライフル、シールド、グレネード・ランチャー×2、ビーム・サーベル×2、ビームクリアー刃。ライフルとシールドは黄色い部分まですべてパーツ分けされている。作例ではクリアー刃にツヤ消しをコーティングしている(手前のクリアー刃は演出のため曲げている)
ゼータガンダム Ver.Kaハイパー・メガ・ランチャー
▲MG Ver.2.0よりハイパー・メガ・ランチャーを用意。無改造で持たせることができる。初代MGにも付属するのでどちらかをお持ちの方は持たせてみては?
ゼータガンダム Ver.Ka特写

カラーリングデータ

 白=071・ニュートラルグレーⅠ+Ex-01・Ex-ホワイト
 青=C65・インディブルー+AT-22・ネービーブルー
 赤=GP-02・プレミアムレッド
 黄=WG-04らいとおれんじ+GX4・キアライエロー
 黒=C71・ミッドナイトブルー
 フレーム=メカサフ スーパーヘヴィ
 メッキ部=グラファイトブラック
 トップコート=Ex-10フラットクリアープレミアム

ゼータガンダム Ver.Ka背面
ゼータガンダム Ver.Ka頭部
▲頭部はアンテナをさらにシャープに削り込み、バルカン砲ははめ込みの際の塗装擦れを考慮して軽く表面を削っている。マスクはアゴをシャープに削り込んだ。額の“Z”マークは彫刻で再現されている
ゼータガンダム Ver.Kaコクピット
▲コクピットはもちろん開閉可能で、カミーユの着座フィギュアが座る。作例は立ちフィギュア同様に丁寧に塗り分けている
ゼータガンダム Ver.Ka胸部ブレードアンテナ
▲胸部ブレードアンテナは削り込んでさらにシャープに加工した。せっかくのエクストラフィニッシュだが、今回はシャープ化加工や作例の全体的なトーンを考慮して濃いめのグレーで塗装している
ゼータガンダム Ver.Ka銃構え

■製作
 注目のゼータガンダム Ver.Kaを組ませていただきました。とにかく凄いキットですね。ガンプラの変形もここまで来たかという感じでしょうか。実際に変形させると「あっ、なるほど、ここがこう動いてこっち向いてこうなるのか」「ここのロック機構はこのためについてるのか」とかワクワクしっぱなしです。
 さて作例ですが、完全に色分けがされているし変形もできて凄いキットなのですが、何もしないわけにもいかないので、合わせ目を消したり尖らせたり、あとはVer.2.0のハイパー・メガ・ランチャーを作ってつけられるようにしてみました。では解説いってみよう!
■気にしなければどうということはない
 各所に出る合わせ目を消すために後ハメ等を施しましたが、今思えば合わせ目を活かしたディテールアップをしたり、気にしないのが正解かもしれないですね。もはや合わせ目が出たら消したくなる病ですね。いかんいかん。
 まずはお顔ですが立体感を出すために彫り込んでくっきりと。アゴのラインをシャープにしアンテナも薄く尖らせています。バルカン砲は装甲をはめる時に擦れやすいので後ろを少し削るなどしてクリアランスを確保したほうがいいと思います。
 胸のブレードアンテナは薄々に。前腕やふくらはぎ、靴部、武器等の黄色やグレーの色分けされている所は切り取って塗装後に接着しています。背中のフライング・アーマーは合わせ目を消すためにパーツ分割を変更して、後ハメ加工しています。
 拳は人差し指の側面がのっぺりとしているので関節部を彫り込んでいます。装甲パーツのエッジが元々ピンピンなので表面処理には気を使いました。
 アンテナの尖らせ方ですが、僕は先に正面からと側面から形を整えてから斜めに削って稜線を出して整えています。ハイパー・メガ・ランチャーは後ろ側の既存のフックを活かして勘合部の角度の調整とピンをプラ板で追加しています。
■意外に大丈夫でした。
 塗装で気になるのはやはり変形時の塗装の擦れですよね。かなりタイトでクリアランスの調整が必要かなと覚悟していたのですが、スライドするところも特にクリアランスを調整しなくても大丈夫でした。もちろん塗膜を薄くするように心掛けて塗っていますけどね。青の成型色がかなりこだわって作られているので、イメージを損なわないようにTV版を意識して調色しました。太モモの装甲は色ムラが出ないように治具(といってもただのプラ板ですが)を作って組んだ状態にして塗っています。

BANDAI SPIRITS 1/100スケール プラスチックキット“マスターグレード”ゼータガンダム Ver.Ka 使用

MSZ-006 Zガンダム

製作・文/まつおーじ(firstAge)

動画はこちら

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ⓒ創通・サンライズ

まつおーじ

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