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「HGサイコ・ドーガ」作例 可動を拡げる工作やスポンジチッピングでメリハリをつける

2023.05.18

MSN-03-2 サイコ・ドーガ【BANDAI SPIRITS 1/144】 月刊ホビージャパン2023年6月号(4月25日発売)

サイコ・ドーガ イメージカット

関節部のアップデートでアクション性を高める

「GUNDAM SIDE-F」先行販売アイテムとして2022年12月に発売されたHG「MSN-03-2 サイコ・ドーガ」をJUNIIIが製作。キットはHGギラ・ドーガをベースとしながら、上半身を中心に外装やバックパックに新規パーツを採用することで特徴的な形状を再現。とはいえ関節部は既存パーツのままなので、やや可動に難がある感は否めない。そこで作例では、股関節のみほかキットのものを移植してアクション性を高め、モノトーンの機体カラーにスポンジチッピングを施すことで面にメリハリを加えている。

機体解説:MSN-03-2 サイコ・ドーガ

 本機は小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』に登場するニュータイプ専用MS。映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』におけるヤクト・ドーガのポジションに位置する機体で、パイロットもグラーブ・ガスと名称がやや異なっている。ストーリー序盤のフィフス・ルナでの戦闘で損傷し、破棄されたものをロンド・ベルが回収。本機から取り出されたサイコ・フレームがνガンダム(RX-93-ν2 Hi-νガンダム)に組み込まれた。
 ビジュアル的な初出は「月刊ニュータイプ」(KADOKAWA刊)1988年6月号に掲載された出渕裕氏によるイラスト。その後カードゲーム「ガンダムウォー」用に全身イラストが描き起こされ、コミカライズ『ベルトーチカ・チルドレン』(KADOKAWA刊)にて、柳瀬敬之氏によってコミック用作画設定資料が描かれた。

サイコ・ドーガ 正面
▲軍帽のような頭部形状が目を惹く。ファンネルは両肩アーマーに計6基マウントされており、背面には3基のスラスター・バインダーを備える
サイコ・ドーガ 背面
頭部パーツ 正面
頭部パーツ 背面

▲額のエンブレムはパーツを接着固定し、隙間を瞬間接着剤で埋めてからフラットに整形。別売りのガンダムデカールで再現。頭頂部から側頭部にある合わせ目は瞬間接着剤で固定してからヤスリがけして処理した

頭部パーツ各種
頭部アップ 

▲フレームパーツを後ハメ化するためにフェイスマスク部内側を削り込み、接続軸受けを短くしてパーツを取り付けやすくした。モノアイは中央部をピンバイスで浅めに開口し、アクリル丸棒を削り出したものの裏にメッキテープを貼り付けて光を反射するようにしている

胴体パーツ
▲胴体は首および肩接続軸パーツの肉抜きを瞬間接着パテ(以下Mr.SSP)で埋めて整形した
右腕部アップ
▲右腕のシールドマウント穴は使用しないので、3mmプラ丸棒の先端にコトブキヤM.S.G「マイナスモールドII」を貼り付けたものを差し込んでいる
ビーム・ライフルとビーム・ソード・アックスを構えている画像
ヒザ関節パーツ
ヒザ関節アップ
▲ヒザ関節は動力パイプ裏側にある補強用のリブをデザインナイフとヤスリで少しずつ削り取って整形。ヒザ可動部は塗膜剥げを防ぐために、あらかじめスネ側の開口部内側を削って隙間を作っている
ヒザアーマーの動力パイプパーツ
ヒザアーマーの動力パイプ アップ
▲ヒザアーマーの合わせ目を処理するために、動力パイプパーツは接続ピンと上部のバーニア部をカット。バーニア部はノズルを削ってフラットに整形し、スネ本体に組み込んで塗装後にコトブキヤM.S.G「丸ノズル」を貼り付けた
太モモ上部アップ
カットした太モモ上部
▲太モモ上部をカットしてHGシャア専用ザクII(No.234)のパーツを移植。内部フレームはMr.SSPで固定し、外装の不足部分はプラ材で補完した
フロントアーマー裏
▲フロントアーマー裏はダクトパーツ裏の肉抜きをMr.SSPで埋め、サイドアーマー裏は0.5mm厚のプラ板を開口部の形状に切り出して貼り付けた。リアアーマーは押し出しピン跡をプラ板で隠している。股関節はボールジョイントから軸関節に変更。軸はランナーから切り出したものを使用し、股幅合わせと補強を兼ねて軸根元にプラパイプを取り付けている
フロントアーマー 素組み
フロントアーマー裏 作例
素組みとの比較画像
▲キット素組み(左)との比較。形状的に手を加えた箇所はほぼないのが見て取れる。サイコ・ドーガは『逆襲のシャア』に登場するMSの中では比較的シンプルな配色で、さらにライトグレーのモノトーンなので、森下直親氏によるキットのパッケージイラストを参考にスポンジチッピングでウェザリングを加えることで面にメリハリを持たせた
展開したファンネル
製作途中のファンネル

▲ファンネルは展開部付け根の補強部分をデザインナイフとヤスリでカットしてディテールアップ。ヒンジの凸モールドはタガネを使い凹モールドに変更した

ビーム・ライフルを構えたサイコ・ドーガとファンネル
▲各ファンネルは着脱可能。展開状態のものも付属するので、別売のアクションベースを使用すればファンネルによる攻撃状態をイメージしたディスプレイもできる
ビーム・ソード・アックスは腰部マウント部
▲ビーム・ソード・アックスは腰部マウント部の穴を広げて塗膜剥げを防止。そのままでは緩くなるので、双方のパーツ内部にハイキューパーツ「ネオジム磁石 直径1mm×高さ1.5mm」を仕込んでいる
シールド
腕部マウントパーツ

▲シールド内側のパーツは露出している接続軸をプラ板を貼ってカバー。腕部マウントパーツは片方の接続軸を切り落とし、別途プラ棒で接続軸を用意してシールドの接続位置を変えられるようにした

各種武器とシールド
▲ビーム・ライフルは銃口を開口した以外はストレート組み。ビーム・ソード・アックスのビーム刃パーツはデザインナイフで削り込み、先端をシャープ化
サイコ・ドーガ ポージング画像
▲股関節の変更で脚の開きや太モモのロール可動など、ポージングの幅が大きく広がった

■キット化です
 サイコ・ドーガがキット化するとはねぇ。嬉しい驚きです。今後の展開についつい期待しちゃうのはJUNIIIだけかな? しかし、キットを買える場所が限定されているのが…(遠い)。それでは製作開始です。

■頭部
 頭部はモノアイの可動をしやすくするためにパーツを外せるようになっているのですが、合わせ目がどうしてもパネルラインには見えなかったのでパーツを接着して合わせ目を処理しました。

■胴体
 ベースとなったHGギラ・ドーガのパーツやポリパーツを使用しているため股関節はボールジョイント仕様になっています。作例では可動範囲を広げられるよう、ボールタイプから軸タイプへと変更しました。

■腕部
 肩アーマーのバーニアノズルは黄色パーツの縁の内側を少し削って厚みが薄く見えるよう加工を行いました。ハンドパーツはHGBC次元ビルドナックルズ(丸)のLサイズを使用。そのままではボールジョイントの大きさがポリパーツに合わないので、デザインナイフの刃を立ててカリカリと削って調整しています。手甲は形状を変更してサイコ・ドーガのパーツに寄せました。手甲の接続部を2mmほどカットをして厚み調整しています。

■武装類
 シールドに装備されているミサイルは裏側に肉抜きがあるのですが、横から見るとパーツが欠けているように見えてしまうので、瞬間接着パテで埋めて整形しました。

■塗装
 塗料はGSIクレオスのMr.カラー、フィニッシャーズのフィニッシャーズカラーを使用。
ライトグレー=ファンデーションホワイト+ニュートラルグレー+ダークアース+チョコレート
黄(バーニアノズル)=黄橙色+ホワイト+ピンク→パールホワイト
黄(シールド)=黄橙色+ホワイト→ゴールドパールリキッド
関節等=グラファイトブラック+パールホワイト
腰等の動力パイプ=ラベンダー+ブルーグレー+チョコレート→パールホワイト
グレー(武器)=ダークシーグレー+ダークシーグレーBS381C/638
グリーン(武器)=ダークシーグレー
 本体は単調にならないようにするためスポンジを使ったウェザリングを行いました。頭部のエンブレムは水転写式ガンダムデカール「HG 1/144 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ネオ・ジオン軍MS用」のものを貼っています。

BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット “ハイグレードユニバーサルセンチュリー”

MSN-03-2 サイコ・ドーガ

製作・文/JUNIII

HG サイコ・ドーガ
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●4180円、発売中●1/144、約14.5cm●プラキット●GUNDAM SIDE-F先行販売アイテム

©創通・サンライズ

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JUNIII(ジュンゾウ)

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