HOME記事ガンダム『THE ORIGIN』版HGガンダムをベースに新規設計。MSDシリーズから待望のフルアーマーガンダム決定版が発売! 完ぺきな外観はそのまま砲身のボリュームアップやスタイル調整を行って製作

『THE ORIGIN』版HGガンダムをベースに新規設計。MSDシリーズから待望のフルアーマーガンダム決定版が発売! 完ぺきな外観はそのまま砲身のボリュームアップやスタイル調整を行って製作

2023.05.17

FA-78-1 フルアーマーガンダム【BANDAI SPIRITS 1/144】 月刊ホビージャパン2023年6月号(4月25日発売)

フルアーマーガンダム イメージカット

待望の1/144フルアーマータイプを研ぎ澄ます!

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の世界観の中で展開されるメカニカル考証企画『MSD(Mobile Suit Discovery)』より、待望のフルアーマーガンダムが登場。キットは精悍なスタイルに定評のある『THE ORIGIN』版HGガンダムをベースに、フルアーマーパーツを新規設計。一部の差し替えを除いて全身の装甲が脱着できるという入魂の設計で、1/144フルアーマーガンダムの決定版といえるバリューとなっている。作例はほぼ完ぺきな外観はそのままに、砲身のボリュームアップやスタイルの微調整でさらに精悍な佇まいに調整している。

頭部アップ
肩のロケット砲アップ
上半身 正面
全体 正面1
全体 背面1
▲FA-78-1は、RX-78タイプの重武装化プランのひとつ。被弾率が高い胸や肩などの部位に増加装甲と各種武装を搭載した本設計は「FSWS(Full-armor System and Weapon System)」と呼称される。装備重量の増加により低下した機動力を補うため、ランドセルと脚部に補助スラスターが搭載された
素組みとの比較画像1
▲素組み(写真左)と比較。背部と右腕の砲身を太く新造し、追加武装のシルエットを強調している。また好みで胸ダクトを網目タイプからベーンノズルタイプにプラ板で変更した
塗装前の状態 全体 正面1
▲塗装前の状態。ギュッと握ったハンドは3D出力品のADハンドver.kenに変更。太モモはプラ板で1.8mm延長した
2連装ビーム・ガンとロケット砲を構えたフルアーマー・ガンダム
右腕の2連装ビーム・ガン アップ
▲右腕の2連装ビーム・ガンは細く感じたのでプラパイプに交換してひと回り大型化
左腕シールド アップ
左腕シールド
▲左腕シールドもプラ板で下端部を延長
2連装ビーム・ガン
胸部はアーマーとコックピットハッチ
▲胸部はアーマーとコックピットハッチ周囲の干渉部を丁寧に削り込み、ネオジム磁石を埋め込んでガッチリ固定できるように改修
ロケット砲
▲背部360mmロケット砲もプラパイプを被せて大型化した
胸部のミサイル・ベイ
ヒザのミサイル・ベイ

▲キットは胸部とヒザのミサイル・ベイが差し替え無しで開閉。内部にモールドされたミサイルを覗くことができる

フルアーマー・ガンダム ポージング画像1
▲全弾発射! 素体は『THE ORIGIN』版HG RX-78-02 ガンダムなので、可動性能は折り紙付き。追加装甲も極力可動を妨げないように調整されているので、見た目以上に柔軟なポーズでディスプレイ可能
塗装前の状態 全体 背面
後ろ腰のビーム・サーベルのラック
▲塗装前の背面。せっかくサーベルが付属するので、遊びで腰にビーム・サーベルのラックをプラ板の組み合わせででっち上げ。素体のバズーカ・ラッチ用の3mmダボに接続して簡単に取り外しできるようにした
頭部パーツ 比較画像1
頭部パーツ 比較画像2
▲頭部は、頭頂部にある分割ラインの凹みにシアノンを盛ってなだらかに修正したほか、ツインアイ下のクマドリを彫り込んでクッキリさせた。また、アゴを削り込んで小顔化、さらにサイドダクトのモールドをタガネですべて彫り直した
ブーツ裏のスラスター
▲ブーツ裏のスラスター類は丁寧に塗り分ければ、キットのままでも充分引き立つ
フルアーマー・ガンダム ポージング画像2
▲かつてのMSV版パッケージアート風ポーズもバッチリキマる

本体のガンダムも妥協なく作り込む!

全体 正面2
▲キットは増加装甲がまるごと脱着できるように配慮されているので、本体のガンダムももちろん製作。キットのカラーリングはMSV版とは異なる(肩、前腕が白い)が、今回はあえて旧来の配色で塗装してみた
全体 背面2
アンクルアーマー1
アンクルアーマー2
▲プロトタイプ風の凹みが彫刻されているアンクルアーマー(写真上)は、凹みの無い、通常のHG RX-78-02 ガンダムのものに好みで変更した(写真下)
脚部パーツ
▲太モモはヒザ関節の干渉部を削り込んで気持ち鳥脚気味に立てるように。そのぶんヒザアーマーがモモに干渉するので、ヒザアーマー内側を削り込んだ
塗装前の状態 全体 正面2
▲塗装前の状態。キットは『THE ORIGIN』版HG RX-78-02 ガンダムの形状に準じているが、アーマー着脱用ダボの追加や、色分けの関係で外装の大部分が新規造形となっている。ノーマル版との違いを見比べるのも一興だろう
素組みとの比較画像2
▲素組み(写真左)と比較。胸部前面のディテールを埋めたほか、アンクルガードを形状変更。装甲脱着時の塗装剥がれ防止用に塗膜の厚みぶんの削り込み調整も念入りに行っている
フルアーマー・ガンダムト差し替えパーツ各種
▲フルアーマーパーツ脱着。差し替える部分はサーベルラックとフロントアーマーのみで、全身スムースに着脱できるのが本キット最大のストロングポイント
フルアーマー・ガンダム ポージング画像3
▲サーベル、シールドを構えて。残念ながらシールドのジョイントパーツはキットには付属しないので、ここのみ通常のHG RX-78-02 ガンダムから流用した

■MSVファン待望のキット
 どうも、ken16wと申します。往年の人気機体・フルアーマーガンダムが、MSDシリーズから発売されましたね。フルアーマーガンダムのキットは人気の割には少なく、1/144としてはGUNDAM THUNDERBOLT版を除けば40年前のMSV版くらいしかありません。しかも、アーマーパーツの脱着機構の再現は1/144キットとしては初。これはファンならずとも驚いたことでしょう。
 素体はバリエーション展開に実績のある『THE ORIGIN』版HG RX-78-02 ガンダムとなっており、基本的なフォルムはノーマル版と同じですが、アーマー着脱のダボや色分けの関係で大部分が新規造形。その出来は素晴らしく、組んだだけで極上のフルアーマーガンダムが手に入ります。ただ、アーマーの脱着方法がパーツ同士のテンション任せやダボ接続となっているため、クリアランスがややタイトで、塗装派の方は擦り合わせに注意したほうがよさそう。今回はその“ちょっと気になる”部分に手を入れて製作しようと思います。

■各部の製作
 頭部は、分割ラインが優秀で合わせ目が目立たない仕様になっていますが、側面の合わせ目に大きな凹みが目立っていると感じました。この合わせ目の断面にセロハンテープを挟んでから、凹み部分にシアノンやパテなどを盛り、乾いたらセロハンテープを剥がしてキレイにパテ部分を整面することで合わせ目をツライチにすることができます。
 頭部側面のダクトも金型の抜き方向の都合でモールドがやや浅くなっていますので、タガネでモールドを彫り直しました。また、『THE ORIGIN』版から気になっていたのですが、ツインアイのクマドリ部が奥の目尻のあたりで切れており、ひとコマ足りません。どうしても気になるので、ツインアイパーツをBMCタガネで彫ってモールドを追加しました。非常に奥まった部分なので組み上がった後では気付きにくい部分ですが、個人的には非常に満足です(笑)。
 両胸のダクト形状は、プラ板を削り出したものを貼ってベーンノズルタイプに変更。胸アーマーの固定はコクピットハッチにアーマー裏の凸ダボを挿し込む方式となっています。この方式はアーマーの付け外し時に塗膜が剥がれるリスクがあるため、ダボを切除。代わりにネオジム磁石を埋め込み、磁力で取り付けられるように変更しました。股間のアーマーも同じくネオジム磁石での取り付け方法に変更しています。
 前腕に被せるアーマーは、前腕側を削り込んでクリアランス調整。右腕の2連装ビーム・ガンは細く感じたのでプラパイプでひと回り太くしました、左腕のシールドもプラ板を使用し下側に延長してあります。
 脚は少し短く感じたので、太モモを上下で切断し、プラ板を挟み1.8mm延長しました。アンクルアーマーは好みでスリットの無いものに変更。
 武装です。360mmロケット砲もプラパイプに置換、ひと回り太く、延長し大型化しました。シールドのジョイント部はキットに付属しないので『THE ORIGIN』版HG RX-78-02 ガンダムから流用。シールドのマウント部が気持ち長く、取り付けると腕と盾の距離が少し開いてしまうのが気になったので、一度中間部で切断。短縮するなど再構築して収まりを良くしました。
 キット全般に言えることですが、各モールドが若干甘くなっている箇所があります。スミ入れをキレイにしたい場合は丁寧に彫り直すと良いでしょう。さらに、四角い段落ちディテールがある部分はスミ入れするだけでも良いのですが、四角いモールドのフチを一段彫り直し、内側をメカ色で塗り、枠をスミ入れすることでさらに密度が上がりますので、精度をワンランク上げたい方にオススメです。

■塗装
 カラーリングは、MSVの画稿を参考に肩と前腕をグリーンにしてみました。つま先もMSV画稿準拠で、モールド内側をオレンジに塗り分け。シールドも同様にグリーンとグレーの配色を入れ替えてみました。私たちMSVファン世代にはこの配色のほうがシックリきます。
 デカールはキット付属のものに加えて、ガンダムデカールやオリジナルで製作したものを使用しています。
グリーン=ボトムズカラー AF01グリーン 85%+ニュートラルグレーI 15%
グレー=ニュートラルグレーII 80%+ニュートラルグレーIII 20%
オレンジ=メカトロウィーゴカラー WG-04らいとおれんじ+Mr.カラー C59オレンジ(光沢)
関節=ニュートラルグレーIII 50%+ニュートラルグレーIV 50%

■あとがき
 こんなにカッコいいフルアーマーガンダムが手に入るなんて、ホント素晴らしい時代です。こうなるとカラーバリエーションでアイツが搭乗(?)していた青いフルアーマーも製作したいですね!!

BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット “ハイグレード”

FA-78-1 フルアーマーガンダム

製作・文/ken16w

HG フルアーマーガンダム
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●3300円、2月〜発送●1/144、約13cm●プラキット●プレミアムバンダイ販売アイテム

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ⓒ創通・サンライズ

ken16w(ケンイチロー)

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