「RG デスティニーインパルス」細部を詰めて丁寧に仕上げる【機動戦士ガンダムSEED DESTINY MSV】
2023.05.16ZGMF-X56S/θ デスティニーインパルス【BANDAI SPIRITS 1/144】 月刊ホビージャパン2023年6月号(4月25日発売)
細部の詰めで丁寧にきっちり仕上げる
月刊ホビージャパン連載公式外伝『機動戦士ガンダムSEED DESTINY MSV』より、「デスティニーインパルス」がRGシリーズで登場。正式名称「ZGMF-X56S/θ 統合兵装システム試験運用モビルスーツ“デスティニーインパルス”」とされる本機は、8番目のシルエットであるデスティニーシルエットを装備した姿であり、インパルスガンダムとデスティニーガンダムをつなぐ機体である。キットは本体成型色変更とデスティニーシルエットおよび腕部装備を新規金型で再現したもので、渡辺圭介によるレビュー作例では、キットのギミックを活かすために各部形状はそのままに、細部調整をメインとした工作で仕上げている。
待望のデスティニーインパルスがRGで発売です。かなりのボリュームで、実に作り応えのあるキットです。
■製作
RGなので余計な箇所はいじらず、ほぼそのまま組めばOKです。下手にいじるとバランスを崩すことになります。またパーツは小さめですが、ひとつひとつこなしていけば必ず完成します。注意点としては、パーツによって目立つ部分にゲートがきているものがあるので、丁寧に処理しないとパーツが合わなくなることがあります。小さい部品はランナーからすべてを外さず、手持ち部分を残すと塗装しやすくなり、紛失を防ぐこともできます。
全体的にスジ彫りを彫り直し、部分的にスジ彫りモールドの追加も行っています。デスティニーシルエットはアームの肉抜き埋めやヒケ処理を行ったのみです。各武器類は、合わせ目処理の必要もなく、パーティングラインを丁寧にヤスって処理しました。
■塗装
組立説明書のカラーガイドを参考に塗装しています。ただ、キットの成型色はとてもよい仕上がりで、塗装してもこのような透明感を残したまま、きれいなワインレッドを出すのはなかなかやっかいです。そこで今回は、指定ではワインレッド(マルーン)ですが、それではくすみがちになるので色ノ源を使い、なるべく透明感が出るよう調色してみました。挿し色的に入っているライトパープル(腰部フロントアーマー等)にはパールもかけてアクセントをつけました。
本体レッド=色ノ源マゼンタ+白+クリアーパープル
本体パープル=クリアーパープル(多め)+白+色ノ源マゼンタ
基本的には同じカラーを使っていて、量の多さで違いを出しているので、このあたりは双方の色合いをつき合わせつつバランスを見て調整しています。
白=MSホワイト
ライトパープル=ラベンダー+パープル+パールパープル
グレー=MSファントムグレー+白
エクスカリバーライトブルー=MSライトブルー+白+パールブルー(少量)
ビームシールド=プリズムパステルミントグリーンブルー
全体的に軽めにサフを吹き、グラデーションはせずに塗装。デカールは付属の水転写式デカールをベースに若干追加。メッキシールも多少増やしてメリハリを出しています。各部エナメル塗料でスミ入れし、最後にツヤ消しを吹いて完成です。
BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット “リアルグレード”
ZGMF-X56S/θ デスティニーインパルス
製作・文/渡辺圭介
RG デスティニーインパルス
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●4730円、4月〜発送予定●1/144、約13cm●プラキット●プレミアムバンダイ販売アイテム
©創通・サンライズ
渡辺圭介(ワタナベケイスケ)
渋めの仕上げを得意とするベテランモデラー。豊富なテクニックを持ち、キットレビューからスクラッチまで幅広く活躍している。