『装甲騎兵ボトムズ 神の子篇』OVA幻影篇より「スコープドッグ 聯武国軍 治安部隊仕様」を製作!ディテールアップとウェザリングでレジン+プラキットを仕上げる
2023.04.24ATM-09-STC スコープドッグ 聯武国軍 治安部隊仕様【ウェーブ 1/35】 月刊ホビージャパン2023年5月号(3月25日発売)
ディテールアップとウェザリングでレジン+プラキットを仕上げる
高橋良輔氏による小説『装甲騎兵ボトムズ 神の子篇』。OVAシリーズ『幻影篇』から続くキリコと異能の少年“チャイルド”の物語だ。物語後半にベルゼルガダブルソードと対決するためにチャイルドが乗り込んだATが治安部隊仕様のスコープドッグである。キットはプラキットの1/35スコープドッグにレジンの新規パーツを加えたもの。作例はレジン成型の都合で甘くなっているリベットやフックを市販のものに置き換え、ウェザリング塗装で仕上げている。
ATM-09-STC スコープドッグ 聯武国軍 治安部隊仕様
聯武国内の暴動を鎮圧するため治安部隊に配備されているAT。聯武国軍採用のスコープドッグ基本仕様に加え、対人制圧任務用に防弾チョッキ状のブリットプルーフアーマー、およびミッションパックを装備。ミッションパックにより機体と武器の制御が容易になっている。
■カラーリングデータ
頭部等=RLM79サンドイエロー
太モモ等=RLM79サンドイエロー+ホワイト+色ノ源イエロー
スネアーマー等=ニュートラルグレーI(ガイアカラー)
関節部=ガンダムカラーMSグレー連邦系
マシンガン=ガンダムカラー グレー11
■はじめに
手にするまではレジンパーツの置き換え作業に一抹の不安がなくもなかったのですが、実際手にしてみると成型もしっかりとできており好印象。今回は最低限のパーツの置き換えに止め、キットの素性を活かす方向で仕上げます。また、カラーリング的にも汚しがいがありそうな色合いなので(笑)、ウェザリング映えを意識しながら仕上げました。
■製作
レジン製新規パーツの円柱部品(アンテナや手摺パーツ類)は、整形するにはどうしても精度が出にくいので真鍮パイプやアルミ線に置き換え。設定画にてバイザー左に見えるリベット部をウェーブのR・リベットから1.0mmを使用し追加しました。キットはコクピットの開閉機構がオミットされたST版がベース。ここに取り付けるレジンパーツも上下を接着してから整形し、手摺パーツは1.6mmのアルミ線に替えて取り付けました。
肩に付くフックパーツはアルミ線に置き換えつつ、スッキリとした感じに。脚部も追加のレジンパーツが大半を占めますが、取り付け精度等に関しては全く問題ないのでサクサク組めます。ここも設定画を見るとサンドトリッパーに見られるリベットを、R・リベットから1.0mmを使用し追加してます。
■塗装レシピ
全体の色味を2トーンぐらい落とし、設定画に寄せた感じにするべくベースを黒立ち上げにて塗装後、完全フラットにてツヤ消しコーティングし、古びた感じに仕上げリベット周りをエナメル塗料のハルレッドにて錆の雰囲気を意識しつつ、ウェザリング。各部の素材や使用頻度を意識しつつ、全体にシルバーとフラットブラックにてチッピングを施し、タミヤウェザリングマスターのスス、サビ、スノー、サンドにて全体のバランスを取りつつ、汚れ具合が分かりやすく見えるように意識しながら仕上げました。
■まとめ
サイズ的には非常にコンパクトなのですが、増強パーツが付いたお陰で元々のスコープドッグのゴツイ感がさらに強調されメリハリ感が増してますので、とても見映えする一機であることは間違いないと思います。気になるレジンパーツも特有のバリが少ないぶん整形の手間もかからず、唯一ショルダーアーマーの合わせ目処理だけなのでサクッと組み上げて塗装&ウェザリングを楽しんでいただけたらと思います。
ウェーブ 1/35スケール レジン+プラスチックキット
ATM-09-STC スコープドッグ 聯武国軍 治安部隊仕様
製作・文/野田啓之
ATM-09-STC スコープドッグ 聯武国軍 治安部隊仕様
●発売元/ウェーブ●14080円、4月下旬予定●1/35●レジン+プラキット●レジンパーツ原型/市野 裕己(ノリモータース)
ⓒサンライズ
野田啓之(ノダヒロユキ)
月刊ホビージャパンを支えるベテラン。『スター・ウォーズ』などのSFビークルの塗装も得意とする。