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エアブラシ塗装の裏技テクニック大公開!! モデラーが良くやっているあの技この技【すべて見せます! エアブラシの教科書】

2023.04.19

エアブラシ塗装がもっと楽しくなる!? モデラーが良くやっているあの技この技 月刊ホビージャパン2023年5月号(3月25日発売)

 ここでは、モデラーが良くやっているエアブラシ塗装ならではの、あんな技こんな技をご紹介。地味なものから、自己責任系までいろいろありますので、ぜひお楽しみください。

解説/けんたろう


持ち手でパーツを掴めない時に覚えておきたいテクニック

 発売以来あらゆるパーツを掴んで塗装を助けてくれるネコの手系ツール(棒とクリップが一体化したアイテム)。模型の世界ではよく「持ち手」と言ったりします。しかしそんな持ち手でも「掴む場所がない!」、「パーツが大きくて安定して固定できない!」なんてことがよくあります。そういうときに使う技をしっかりと覚えておくと、より快適にエアブラシ塗装ができますよ。

▲けんたろうが準備した持ち手たち。これらの実力を見ていきますよ!

余ったランナーを持ち手に再利用だ!

▲プラモのランナーは何かと便利。塗装時の持ち手に早変わりなのです
▲ある程度長さのあるところをカット。すると3mm径のプラ棒になります。持ち手の完成です
▲関節のポリキャップやプラの関節穴にフィット! 緩い時はマスキングテープを巻いて太らせたり、きつい時はデザインナイフで先を削ったりして調整しましょう
▲飛行機のミサイルなどに効果的。持ち手で挟んでしまうと、持ち手部分に塗料が乗らないので塗膜部分に差が出てしまうようなパーツを固定する時は、1mmの真鍮線を差して固定してみると良いです。パーツに穴を開ける際は、完成後に目立たない接着面などに開けるようにします
▲ひっつき虫は超便利! 練り消しよりも安定して固定できます。割り箸にペタリとつけるだけ持ち手になります

もっと気軽なマスキングでもエアブラシ塗装なら大丈夫!!

 エアブラシを使わない人からよく言われるのが「エアブラシってマスキングを徹底的にしないといけなくて大変ですよね……」という意見。全然そんなことないのですよ! 心配性な人や強圧大量に吹くタイプの人は、しっかりマスキングしないと変なところに塗料が付着していることもありますが、マスキングをめいっぱい省力化してやることだっていくらでもできるのです。とくに貼り込んでナイフでカットする場合なんて、それはもうあっという間。はみ出たら? リタッチすればいいのです!! エアブラシの細吹きができれば、ここでご紹介するくらいマスキングの感じで、きれいに塗れますよ!

▲真ん中のハッチを塗り分けるだけなのに、このくらいガチガチにマスキングしないといけないのか~って思っている人、多いと思います。エアブラシ塗装なら細吹きでピンポイントで塗装できるので、こんなしっかりマスキングしなくてOKですよ
▲νガンダムのスラスターを例に。まずが大まかにマスキングテープをスラスター部分にペタリと貼り、スラスターのモールドに爪楊枝などでしっかりと密着させます
▲モールドに沿ってデザインナイフの刃を入れて、テープをカットしていきます
▲スラスター部分が現れました。これで一気に外周をマスキングすることができます
▲後はスラスターの周囲にマスキングテープを貼れば終了です。スラスター以外の箇所をミイラのようにテープでぐるぐる巻きにする必要はありません
▲バーニアの内部も色分けされているとかっこいいですよね。こちらもバーニアパーツをフタをするようにテープをペタリと貼ります。バーニアの内径に沿ってデザインナイフの刃でカットします
▲はい! マスキングができました! バーニアのフチ部分に内部の色がはみ出したら、バーニアの外側の色を筆に含ませてフチをさっとなぞれば簡単にリタッチできます

「風」「水」「サーフェイサー」「クリアー」…… エアブラシはさまざまなものが吹けるから強いのだ!

 エアブラシが塗料だけを吹くものと思ったら大間違い。水性塗料の一時的な洗浄に水を使うように、液体のマテリアルならなんでも吹けるので、スプレー缶の需要が高いサーフェイサーやクリアー塗料を吹くこともできて、サーフェイサーやクリアーも独自ブレンドなんてこともできたりします。ただしメタルプライマーを吹いたときはすぐに洗浄しないと、エアブラシ内部がメタルプライマーでコーティングされて、塗料が貼り付いてしまうようになるので気をつけましょう。

サーフェイサーを吹いてみよう!

▲瓶入りのサーフェイサーが売っているということは、エアブラシで吹けるということ。エアブラシの口径を変えたり、サーフェイサーの濃度を変えたりするだけで、缶スプレーでサーフェイサーを吹くよりもさまざまな塗り方ができます。またサーフェイサーの色を独自にブレンドもできますよ

最強のエアダスターに俺はなる!!

▲空気を吐き出すのですから、エアブラシがあれば模型についた余分な埃や削りカスを一気に吹き飛ばせます。塗装前とかにやるといい感じに埃がなくなるのでオススメ。ノズルに塗料が溜まっている時にやると、その塗料が飛び散って悲しい目に遭いますので、しっかりと確認してからやりましょう

透明の使い手になる!

▲エアブラシなら仕上げのクリアーも自由自在。「ツヤ消し気味の半光沢」のように、ツヤ消しと半光沢を混ぜたりして、独自のツヤ感に調整できるのです

水を吹き付けてプラモを洗っちゃおう!!

▲これはライターのフミテシが塗装前日にやるテク。工作などでついた埃や油分などを、洗車感覚で洗い流します。洗う時は下に大きめのタッパーを敷いて置くとガンガン洗っても気になりません。後は綿棒やキムワイプで拭いて、1日乾燥させておきます

お気に入りの色がカチコチ……そんな時は「真・溶媒液」!!

 長い間塗料を使ってなかいと、カチコチに固まっていることがよくあります。特に混色して作ったお気に入りのカラーがカチコチになっているとちょっと寂しいです。そんな時、塗料を復活させてくれるのがGSIクレオスの真・溶媒液。早速やってみましょう。

▲かつて調色した色も今は昔……。カチコチになってしまいました
▲諦めてはダメ!! 真・溶媒液の出番です。これを注いで、一晩待ちます

▲復活ッ! これでまた塗ることができるね……

溶剤によって塗面が変わる!? ちょっとディープな溶剤の世界を知ろう

「溶剤」。エアブラシ塗装で言う「うすめ液」です。カタログを見ると、ことラッカー系には「うすめ液」「レベリングうすめ液」「メタルマスター」などなど、さまざまな名前がついた溶剤があり、それらにはいろいろな効能が書いてあったりします。そして同じ色を、それぞれ違う溶剤で塗ってみると発色や乾燥時間などに変化が現れます。さらにエアブラシ塗装にこだわりたい人は、ぜひ溶剤もチェックしてください。

▲同じ赤を、違う溶剤で塗ってみたもの。左から「ガイアノーツ プロユースシンナー」、「フィニッシャーズ ピュアシンナー」、「Mr.カラー うすめ液」、「Mr.カラー レベリングうすめ液」。同じ塗料でも、溶剤によってツヤ感や色味に変化が現れます

プロユースシンナーを使いこなせ!

 モデラーのNAOKIがプロデュースするNAZCAシリーズ(発売元/ガイアノーツ)にある溶剤。これは溶剤として強いかわりに、塗料の食いつきを向上させるという触れ込みで販売されています。強力な溶剤なので、塗料の溶かし込みに優れた性質を持っているので、濃度が高いまま、よく溶けている状態で塗料を吹き付けられます。エア圧が高いコンプレッサーを持っていれば、一撃で下地を隠蔽させて美しい塗面を生み出せるのです!

▲黒下地にプロユースシンナーで薄めた赤を塗ったもの。どちらも1回塗り。左は塗料1:シンナー0.5。右は塗料1:シンナー1。濃いめの塗料で塗っている左側は1回で下地をしっかりと隠蔽してるうえに、シンナーの性能のおかげでざらついた塗面にもなっていません

\ HJのモデラーがよく使っている溶剤の特徴を知ろう! /

●GSIクレオス

 Mr.カラー うすめ液/永遠の定番。全国でどこでも手に入る溶剤。
 Mr.カラー レベリングうすめ液/乾燥時間が遅らせて、より滑らかな塗膜になるのが特徴。
 Mr.カラー Mr.ラピッド 速乾うすめ液/その名の通り、乾燥時間がとても早くなります。メタリック塗料との相性が良く、早く乾燥するので金属粒子が乾燥中に動いたりすることがないです。

●ガイアノーツ

 ブラシマスター/ガイアカラー薄め液にリターダーを加えたのもの。乾燥が遅いことで塗料が平滑に広がり、光沢感が増す効果もあります。
 メタリックマスター/通常カラーも薄めることが可能。メタリックカラー、パールカラーの粒子を均一にムラなく薄めることで、今まで以上に金属感をきれいに表現することができます。通常の薄め液の成分とは違って、メタリックの粒子を分散し、定着する内容になっています。
 プロユースシンナー/メカサフの希釈に使うことで、耐摩耗性と喰い付きが向上します。このため関節等部分などに「色」として使用しても、剥がれや擦れが軽減できます。通常のガイアノーツ溶剤に比べ、強い溶剤となっております。通常塗料の希釈にも使用でき、同様の効果を発揮します。

●フィニッシャーズ

 ピュアシンナー/フィニッシャーズカラーの美しい光沢をさらに引き出すことができるシンナー。他のメーカーの塗料ももちろん希釈可能です。

ずっと吹きたい! それならカップを特大サイズにチェンジ!

 同じ色を吹いているとき、途中でカップの中身が切れることはよくあること。そこで作業が途切れてしまい、なんなら塗料の作り足しで濃度を調整し直したら、なんか濃度のテンションが変わりうまくいかず、果ては集中力まで切らしてしまうなんてことも。ああ、一度にたくさんカラーがエアブラシに貯蔵できればいいのに……あります! デカップ。タミヤなら「スプレーワーク 塗料カップ」が2種類発売されていて、17ccと40cc、それがお安く買えてしまうというのだからオドロキ。GSIクレオスにも同様の大容量カップがあり、そのサイズなんと150cc。こちらは金属製で頑丈さも抜群。大型モデルや同じ色をたくさん使うときは、これらのデカップに換装すると作業が圧倒的にはかどるのです!!

▲こちらは40cc。車模型や大きな艦船模型など塗装する時にとても心強いです!
▲こちらは17cc
▲なんと150cc!! これだったらそう簡単には塗料がなくならないぞ

やってる人もいるけどちょっと危険な必殺技! 先端のキャップを外す!!

 ニードルキャップは、ハンドピースの大事なニードルを守るためにあります。しかしもっと広範囲に向けて一気に吹きたい! 逆にもっとパーツに近づいて繊細な塗装がしたい! とチャレンジ精神溢れるモデラーは時にこのニードルキャップを外して、全裸ニードルで塗装することがあります。マジで諸刃の剣となるかもしれない方法なので、やりたいときは超慎重に行ってください。

▲ニードルキャップを外すします。こうすることで、キャップ分の距離が縮まり、より模型に近づくことができます。しかし先端をぶつけるとニードルの破損は免れません
▲上がニードルキャップを外して塗った状態。下はクラウンタイプのニードルキャップを装着して塗った状態。若干上のほうが幅広な上に、吹き付け距離が自然と近くなっているので、色がとっても濃い部分が見受けられます
▲ニードルの先端で描くように細吹き。キャップがないぶん極近距離になり、より滑らかな線が描けました

エアブラシは汚し塗装にも最高のツールです!!

 汚し塗料の代名詞「Mr.ウェザリングカラー」をエアブラシで吹いている人が最近増えています。この塗料、エアブラシで吹くのにもちょうど良い濃度なんです。カップに直接ビンから注いで、吹き付けてみると……本当に均一にウェザリングカラーが吹けます! 砂漠の風でついた本当に均一な汚れなどはこれこそ求めていたような汚れ方で、これはとても便利なワザ。色を変えてホコリっぽいものにして、それを筆で掃き寄せる。おおこれもまた良い汚れだ……。

▲ウェザリングカラーの濃度を確認。塗料皿に移してみると、エアブラシで吹ける塗料の濃度に近い感じです

▲吹いてみると……意外と吹ける! やや薄ぐらいの濃度ですが、しっかりと発色します
▲土埃っぽい仕上げにとても向いてるのでは……。足元に吹き付けてみましょう
▲一気にウェザリングカラーが塗ることができましたので、あとは筆で汚しの感じを調整していきます
▲ウェザリングカラーうすめ液で湿らせた筆で、ぽんぽんと叩いていきます

▲とても良い感じに土汚れがこびりついた感じになりました! 
▲次は砂漠の車両。砂漠の車両は写真中を見ると、本当に均一に砂にまみれていることが多いです。エアブラシでサンディウォッシュを吹き付けてみます
▲塗料が溜まりにならないように、行ったり来たりして、しっかり砂漠色を発色させます
▲完成! ウェザリングカラー乾燥後の適度な粉っぽさが、本当に砂漠で使っているような雰囲気になってかっこいいです

アクリル塗料を使った「アルコール落とし」

 ウェザリングカラー以外の塗料でも、吹いて散らすという手段は有効。アクリル塗料を吹いたところにアルコールを使ってじらじらと散らす“アルコール落とし”もエアブラシを使用したウェザリングの代表格です。

▲アクリル塗料と、無水エタノールを準備。これでアルコール落としをします

▲アルコール落としすると一気にカッコよくなる戦車の履帯でやってみます。まずは単色で塗った履帯を準備します
▲アクリル塗料のバフを塗布する。完全に隠蔽しないまでも、履帯全体に纏わせるように塗ってください
▲バフが生乾きのところで、アルコールをつけた筆で削るみたいに擦ります
▲そうするとバフがアルコールで各所に流れ出し、埃汚れのようになります。この感じ、まさにホコリって雰囲気でパーフェクト! しかもパステルなどの粉ものと違って触ってもオチないのがとっても良いです

スパッタリングに挑戦!

 ミグアモが発売しているスプラッシュシリーズを用いたテクニック(薄めたエナメル塗料や、ウェザリングカラーでも代用可能)。これは筆先に取った塗料をエアブラシで吹くことで、塗料をさまざまな方向に飛び散らせて、泥の跳ね返りなどを表現する「スパッタリング」をするもの。

▲塗料を飛び散らせて自然な泥跳ねなどを表現する「スパッタリング」。それ専用の塗料なども作られています
▲ミグアモの塗料を開けるとこんな感じで、トロミがあります
▲筆とエアブラシの夢のコラボ。カップには何も入れずに、筆目掛けて思いっきりエア圧高めの空気を吹き付けます
▲塗料がビシャっとランダムにかかって、これこそ泥が跳ねた状態っぽさになる。今回使用したSPRASHESは光沢塗料。まだ跳ねたばかりの水分の多めな泥っぽさを表現できる
▲ほかの汚しの上から吹くと、下地のツヤのない古い汚れと、今ついたばかりの新しい汚れが重層になるので、見た目にも情報量が多くなります
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けんたろう

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