バルディオス、チャージアップ!

2021.06.03

MODEROIDバルディオス、パルサバーン 【グッドスマイルカンパニー】 月刊ホビージャパン2021年7月号(5月25日発売)

作画イメージ重視でMODEROID バルディオスを製作!!

 生存困難となった母星からの移住先として、そのターゲットを地球に定めたS-1星の軍事組織アルデバロンと地球防衛組織ブルーフィクサーとの闘いを描いた1980年放映のアニメ『宇宙戦士バルディオス』。“クライマックス直前に放送打ち切り”というエピソードがあまりにも衝撃的なためか、リアルタイム世代以外にはそれ以上語られることの少ない本作だが、放送終了から40年の時を超えて、主役メカ、バルディオスがMODEROIDとなって帰ってきた! 今回はこちらのキットを、『SSSS.DYNAZENON』でもおなじみの野中剛氏が当時のアニメ作画イメージでプロポーション変更。泣く泣くオミットした変形ギミックと引き換えに、まさに“みんなが憧れてきた”バルディオス&パルサバーンの雄姿を誌面に蘇らせた。

▲バルディオスとパルサバーンをディスプレイ可能なベースも製作。こちらは100円ショップのプラケースの表面にプラキットのパーツなどを貼り付け、宇宙船の機体表面をイメージしたディテールを追加したものである

▲ キットには合体ギミックだけでなく、可動やプロポーションを重視したパーツが用意されているが、今回は、さらにそれを芯にして、アニメ作画独特のパースを利かせたプロポーションを目指し、全身をボリュームアップしている
▲頭部はアンテナを真鍮線に交換したのみでほぼキットのまま

▲可動範囲をそれほど広くないが、ヒジ、ヒザの可動も確保している

▲キット(写真左)と製作中の作例(写真右)。手足をジャンクボックスから発見したパーツを芯にひと周り大きく作り直したほか、腹部の新造、足の幅増しなど、最終的にかなり大がかりな改造を行うことになった

▲ショルダーキャノンはジュアッグの指を利用して延長。脚部のバルディミサイルは発射口を開口している

▲キット付属のパルサーベルに加え、パルサーベルから変形する設定の「槍モード」も自作して追加


PULSER BURN
パルサバーン

 バルディオスの上半身となるパルサバーン。合体バンクシーンが印象的だが、明らかに合体ギミックとの両立は不可能なプロポーションのため、非変形でこちらも再現!

▲メインノズルをバンダイ製の1/550スケール版バルディオスから流用することで、より戦闘機らしい見た目となった
▲機首部分の長さと角度に注目! 機首、主翼、垂直尾翼はプラ板から製作した

▲変形可能なキット版と製作中の作例。見ての通りまったくの別物だが、ここまで形状を維持しつつ変形を再現したMODEROIDもスゴイ!

■“あの時代”の申し子
 1980年に放送がスタートした『宇宙戦士バルディオス』ですが、クライマックスを残して放送が打ち切りになったことばかりが話題になりがち。ファーストガンダム以後の作品であり、アニメ雑誌などでアニメファン層も確立していた時期にありながら、まだロボットアニメは「合金玩具を売るためにのみ存在」していた時代の作品群のひとつです。なので、こうして新規金型のモデルキットとして発売されたことは、結構奇跡的な事だと思います。正直どうかしてる!(褒め言葉)

■作画イメージ重視で
 キットはほぼ全パーツがABS樹脂製で、組んだ後に変形合体させて遊ぶことを重視した内容です。全塗装をする場合、表面のヒケの処理などはかなり大変なので覚悟して挑んでください。細かいパーツ分割で変形機構を再現しつつ、プロポーションを改変する形状重視パーツも多数付属しています。とはいえ、合体後はともかく3機のメカ状態はキットの出来云々ではなく、もともと無理ゲーのカタマリなので、かなり不思議なフォルムになっています。劇中ではあの時代ならではの超絶アレンジで作画されており、それこそが人気を支えていた気がするので、今回はキットを2個用意してもらい、非変形のパルサバーンも製作することにしました。
 仮組みしている間、合体バンクシーンのマーチ曲が脳内でずーーーっとエンドレス再生されていたので、なんだかんだ言って結局好きなのかも(笑)。

■腕と脚を太く!
 バルディオス本体は、劇中のパースの効いた印象を再現すべく大手術。
 頭部はアンテナを真鍮線に置き換えた以外はキットのままです。
 胴体はすべての変形ギミックを削除して、腹ブロックをプラ板で新造しました。
 腕と脚は、ジャンクボックスの中から使えそうな「太ましい」ものを探して強引に仕立てました。足首も前後10mm伸ばしています。 肩アーマーは、片側5mm幅を広げ、腕に付く赤いひし形、スネのカッターとバルディミサイルは、キットのものを加工しつつ移植しました。
 ショルダーキャノンは、旧1/144ジュアッグの指(!)でロングバレルに。
 個人的にバルディオスの装備で印象的なのがパルサーベル。劇中の活躍ではなく、本放送当時に野村トーイが発売していたなりきりオモチャのTVCMがスゴかった。主人公マリン・レーガンのコスプレをした少年が、月面みたいなセットでこのオモチャをもって剣舞を披露するという内容で「剣から槍へ、槍から剣へ! バルディオスのパルサーベルゥ〜」というナレーションも強烈でした。もう一回観たいなぁ…という願いを込めて。今回プラ板とプラ棒で「槍モード」も製作しました。「俺バルディオス」には無くてはならない装備なのです(笑)。

■パルサバーン
 機体をとにかく薄くするために、上腕部を含めて不要な部分を大胆にカット。
 前腕部はキャンセル。腰アーマーも薄くした後、全体を流線形にするために左右を入れ替えて接着してあります。
 機首と主翼、垂直尾翼はプラ板で新造しました。
 メインノズル(肩アーマー)は、バンダイの1/550旧キットから移植。

■ディスプレイスタンド
 100円ショップのプラケース(2個で110円!)にディテールを貼り付けて、宇宙船の一部に見えるようなものを仕立てました。

■塗装
 GSIクレオスのMr.カラーとガイアノーツのガイアカラーを使用。
  本体のブルー=322フタロシアニンブルー110キャラクターブルー
  黄色い部分=スターブライトブラス
  赤い部分=68 モンザレッド
  グレー部分=スターブライトジュラルミン+黒少々
  腰などの明るいブルー=GXメタルブルー
 塗装後、Mr.ウェザリングカラーのマルチグレーでウォッシングしました。

グッドスマイルカンパニー プラスチックキット “MODEROID”

バルディオス
パルサバーン

製作・文/野中剛

MODEROID バルディオス
●発売元/グッドスマイルカンパニー●7800円、発売中●約18cm

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Ⓒ葦プロダクション

野中剛(のなかつよし)

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