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『Ma.K.』屈指の人気を誇る突撃用スーツ「A8/R8」プラキットの完成見本&過去キットを紹介!

2023.02.15

Ma.K. in SF3D 月刊ホビージャパン2023年3月号(1月25日発売)

傭兵軍の突撃用スーツ初のプラキット化!!

 今回で連載14年目に突入した「Ma.K. in SF3D」の2023年最初の特集は、屈指の人気を誇る突撃用スーツA8/R8をクローズアップ!! 22年10月の「第60回全日本模型ホビーショー」でプラキット化が発表され、『Ma.K.』ファンを歓喜させたウェーブの1/20 A8/R8が23年2月に発売。横山宏による完成見本とMAX渡辺が過去に製作したレジン+プラキットを紹介し、ウェーブ製キットの新規ランナーや過去に立体化されたレジンパーツも公開。特攻戦法を得意とするカスタム機A8/R8の魅力をあらゆる角度から探求していく。

S.A.F.S. Mk.III A8/R8

●発売元/ウェーブ●4400円、2月予定●1/20、約11cm●プラキット


傭兵軍 増加装甲型戦闘服 S.A.F.S. Mk.III A8/R8
製作/横山宏

▲S.A.F.S. Mk.IIIのボディを増加装甲で補強した突撃型のA8/R8。名前の由来となったフォッケウルフFw180 A8/R2と同じような色調のグレー系迷彩で塗装されている
▲ボディ前面と背面に装甲を追加したことで通常のS.A.F.S.より前後に伸びたフォルムとなった。前腕、手、腰側面のアーマーは従来のS.A.F.S.系キットとは異なるA8/R8特有の形状に
▲特徴的な背面の増加装甲。ミリタリーテイストあふれるパイピングにも注目。ボディ下端のパワーパイプの取り付け方も新鮮だ
▲A8/R8唯一の武器である爆導索。「至近距離で使うバズーカのような武器で一度しか使用できず“根性棒”の異名を付けておきました」(横山宏)
▲︎横山氏が描き下ろしたキットパッケージのイラスト。A8/R8の力強さが伝わってくる
▲上方から見るとハッチや胸部の増加装甲のボリュームがわかる。マッシブで戦闘的なフォルムだ
▲メインハッチは増加装甲が付いた状態で1パーツとなっていて開閉が可能
▲︎横山氏はA8/R8の由来となった1/48フォッケウルフFw190 A8/R2の製作途中のキットを持参。左がエデュアルド製で、右がタミヤ製。同じ機体を製品化したものだが、各部の形状やディテールは微妙に異なり、それぞれのキットの個性を楽しむことができる。「2個同時に作ったのでどっちも完成しなかった。ことわざで『あぶはち取らず』ってあるけどこれは『えーはち取らず』だ」(横山)

▲新規金型によるA8/R8のランナー。「Ma.K.B.D.」(大日本絵画刊)に登場した上腕に大型装甲を付けたS.A.F.S.を再現できるパーツも付属する

 昔から模型雑誌に「湿気がないので冬はプラモデルのシーズンだ~」って書いてあったりするよね。でも本当は、冬は静電気でホコリがすごく付くので塗装には超向いてないぞ! 静電気で超細かいパーツが指に張り付いたり瞬着が糸状になって大事なところに勝手にくっついたりするぜ。おまけに気温が低く塗料や接着剤が乾いたり硬化しにくいんだよね。じゃあ冬はどういう作業をすればいいかって考えてみましょう。長年考えた結論は「買い物しまくる」だ!! クリスマスプレゼントやお年玉をもらえる歳でもない人も小遣い握りしめてキットや工具などを捜しに模型店に行ってみるのが一番いいと思います(笑)。
 そんな冬についにA8/R8のプラキットが発売されます。月刊ホビージャパン2023年3月号が発売される頃にはみんなのところにも届いてるかもしれません。このS.A.F.S.のバージョン名の由来はフォッケウルフFw190から来てます。Fw190 A8型に装甲を追加して突撃するA8/R8っていう機体からもらっちゃいました。「エーハチ・アールハチ」って響きがいいし、鉄板を貼ってまで装甲強化して戦うのがカッコいいと思ってたので、その突撃機オマージュなんです。最近はA8/R2というふうに表記されています。ウェブでA8/R2(R8?)と迷いを感じる表記が載ってるサイトもあります。少なくともわしが命名した頃にはA8/R8以外の呼び方はなかったんだよね。
 それはそうと日本には『タンクタンクロー』っていう1930年代の漫画が存在しててS.A.F.S.みたいに球状の胴体から頭や手足が出てて敵と戦います。しかも空も飛べるんですよ。そのタンクタンクローの行く末がこのS.A.F.S. A8/R8かもしれないなんて(笑)。ネットで「タンクタンクロー」と検索すると出てくるんで見てみるといいよ。飛行機のフォッケウルフを設計したのはクルト・タンク博士だから、タンクタンクローが繋がるのもいいでしょ。
 今回発売されるウェーブのA8/R8の新規パーツはこの連載にも出たことのある兼行さんが原型を作っています。かっちりした仕上りで造形の文脈も上手くできてるのは完成品を見てもらえば一目瞭然です。このA8/R8は22年の全日本模型ホビーショーでのお披露目にあわせて組んでもらったものを製品サンプルとして塗ったものです。フォッケウルフFw190 A8/R2と同じような色調の迷彩塗装で仕上げました。第2次大戦後半のドイツ機の塗装はおもしろいものがたくさんあるんですよ。フォッケウルフやメッサーシュミットに塗られている色調が好き過ぎて模型を作ってるところがあるんだけど、このA8/R8もフォッケウルフのグレーの波形迷彩やスポット迷彩がものすごく似合うスーツになっています。
 最後にとっておきの製品情報を教えてあげますね。撮影日に編集部に送ってもらったテストショットを初めて見たんだけど、なんとこのA8/R8のキットのランナーには大昔バンドデシネで描いた上腕に大きな装甲が付いたS.A.F.S.を再現できるパーツが付属してました。この大型アーマーを追加するといろんなバリエーション機が作れるのでA8/R8を買った人はこの絵のバージョンを再現してみてね。(横山宏)

ウェーブ 1/20スケール プラスチックキット

傭兵軍 増加装甲型戦闘服 S.A.F.S. Mk.III A8/R8

製作・文/横山宏


傭兵軍 増加装甲型戦闘服 S.A.F.S. Mk.III A8/R8
製作/MAX渡辺

▲MAX渡辺はかつて製作したA8/R8を8体持参。手前の3体は月刊ホビージャパン2017年1月号に掲載されたサイトウヒール&脊戸真樹の義兄弟ユニットFUJIYAMA ARTS BROTHERS製のレジン+プラキット。後方の5体は2012年発売の「MAX渡辺のMa.K.大好きVol.3 The SAFS over 130 SAFS編」に掲載されたモデルカステン製のA8/R8だ
▲FUJIYAMA ARTS BROTHERS製A8/R8はウェーブ製S.A.F.S.にレジンパーツを組み込む仕様。グローサーフントにこじ開けられて破損したハッチも付属する。根性棒収納ラックは新造した。特攻兵器のイメージから輩(やから)仕様でノリノリに!
▲MAX渡辺が名古屋と関西の模型イベントで会って意気投合したコワモテのマシーネンモデラー(実際は礼儀正しく気持ちのいい人たち)にインスパイアされて“金色の和柄A8/R8”にすることに。下絵を描き左右反転してデカールにプリントし、切れ目を入れて貼り込んでから筆塗りして柄を整えた。左から龍(小川昌男機)、虎(若生貴大機)、般若(トォル笠松機)という設定
▲モデルカステン製キットを使用した第23装甲猟兵連隊第3工兵隊機。『Ma.K.』ではおなじみのブラウン×ダークイエローの迷彩パターンで塗装。モデルカステンのA8/R8は2005年の発売でベースになるプラキットは日東製S.A.F.S.だったため、レジンパーツを“シャチョーモデリング”で複製してウェーブ製S.A.F.S.に組み込めるよう調整している
▲モデルカステン製A8/R8はボディ後部のフォルムが特徴的。オプションとして左側面の剥き出しのコードを保護するカバーが別パーツで付属した
▲モデルカステン製キットのパッケージモデルになった第355特務中隊付属工兵隊として塗装。フォッケウルフFw190 A8/R2ふうの迷彩塗装に上下逆の「福」はインパクト絶大。3桁の数字や黒と白のラインも小気味いいアクセントになっている
▲ラプターの塗装パターンとして知られる第44装甲猟兵連隊第1中隊機として仕上げたモデルカステン製A8/R8(左)。グレー系迷彩にライトブルーの44が目を惹く。右の機体はノーマルのS.A.F.S.にA8/R8の増加装甲を付けたもの
▲モデルカステン製A8/R8のレジンパーツ。原型製作者は脊戸真樹氏で精度の高いシャープなキットだ
▲チオネル ヴェステン ビス製のA8/R8改造キット。オリジナルモデルに近い形状の当日版権キットだ
▲後部増加装甲の形状やコードの這わせ方など解釈の仕方で違いが出るのがおもしろい
▲シェルオープン時を考慮しプラキットではコードがボディのキワまで行かないよう造形されている
▲MAX渡辺、横山宏、KATOOOの連載陣3名がA8/R8を手に2023年最初の記念撮影!

■A8/R8 So Cute♪♪
 いよいよ発売ですねA8/R8♪♪ 宇宙一S.A.F.S.を塗った男ですのでもちろんのコトS.A.F.S.はどれも皆大好き♥ですが、A8/R8は特に可愛いですよね。丸っこくて愛らしいSAFS装甲に沿ってさらに一皮被る。ということは、さらに丸く♥球体に近付いているわけです♪♪ 手のひらに包むとその丸さがさらに実感出来ますので、皆さんはぜひ組んで握ってください、そっと優しくね♪♪ めでて可愛く、触って愛しい。さあ、A8/R8祭り開幕です♪♪

FUJIYAMA ARTS BROTHERS、モデルカステン 1/20スケール レジン&プラスチックキット

傭兵軍 増加装甲型戦闘服 S.A.F.S. Mk.III A8/R8

製作・文/MAX渡辺
協力/鈴木孝


[Ma.K.in SF3D]EXPLANATIONS Vol.113

傭兵軍 増加装甲型戦闘服 S.A.F.S. Mk.III A8/R8

文/KATOOO(レインボウエッグ)

 A8/R8はボディに装甲を追加したS.A.F.S.のバリエーション機です。新型機関部を内蔵したS.A.F.S. Mk.IIIのボディを増加装甲で覆い、工兵隊で資材運搬や架橋設置、障害物除去などに活用されました。両腕ともマニピュレーターで固定武装がありませんが、増加装甲が敵のレーザー攻撃に対し有効なことから“根性棒”と呼ばれる一度のみ使用可能な爆導索(至近距離用バズーカのような武器)を持って特攻する突撃用スーツとして使われるようになりました。
 月刊Play Online2000年1月号でイラストが描かれ、同年の月刊モデルグラフィックス6月号で立体が発表されました。このオリジナルモデルは横山先生がボムフォル&チオネル社製1/20 S.A.F.S. Mk.IIIの当日版権レジンキット(原型・奥田吉正氏)にエポパテで装甲を盛ったものを梅田仁志さんが仕上げて完成。従来のS.A.F.S.と細部が異なるS.A.F.S. Mk.IIIを芯にしているのでMk.IIIのバリエーション機となりました。鎧をまとったような外見で一度しか使えない“根性棒”を持って特攻するハードなイメージから高い人気を誇るスーツです。
 2000年のオリジナルモデル発表後、当日版権のレジンキットが複数のディーラーから発売されます。2005年にはモデルカステンから日東製S.A.F.S.および2003年発売のウェーブ製ラプターのランナーと脊戸真樹さん原型のレジンパーツで構成されたA8/R8初のマスプロダクト製品が発売。オリジナルモデルと比較すると各部の形状がよりスタイリッシュになっています。横山先生にこのA8/R8についてお聞きしたところ、「モデルカステンから出たA8/R8はパッケージモデルの塗装パターンがフォッケウルフFw190 A8/R2の迷彩になってます。部隊マークもタイガー戦車に描かれた『福』の文字を上下逆にしたもので、日本海軍の伏龍(潜水具を着た兵士が水中に潜って機雷付きの棒で敵船を爆破する特攻戦法)に由来する『伏』や『竜』の逆さ文字も入れてもらいました。特攻に縁のあるものにこだわってるんですよ」と教えてくれました。2016年にはFUJIYAMA ARTS BROTHERSからレジンパーツとウェーブ製S.A.F.S.などのランナーが同梱されたA8/R8が発売。サイトウヒールさんのアレンジが粋なキットでした。
 そして22年10月の全日本模型ホビーショーでウェーブから念願のA8/R8のプラキット化が発表され、23年2月に発売となります。月刊ホビージャパン2023年3月号に横山先生の完成見本が掲載されていますが、オリジナルモデルの形状を尊重しつつ、最新の解釈で立体化されたA8/R8は非常に完成度の高いキットになっています。増加装甲はもちろん、従来のS.A.F.S.系キットと異なる形状の前腕や手にも新鮮な驚きを覚えますし、これまで立体化されてきたA8/R8との細かい形状の違いも楽しむことができる傑作キットだと思います。


MK44新型機 ゴーストナイト

 宇宙用MK44の新バリエーション機ゴーストナイトが発売。かかとが追加され接地時の安定性が高まった機体となる。

▲ゴーストナイトはかかとの追加のほか、頭部増加装甲板や砲身カバー付きのスマートガンを装備した新型機だ

宇宙用重装甲戦闘服 MK44G型 ゴーストナイト

●発売元/ハセガワ●5060円、3月下旬予定●1/20●プラキット


レインボウエッグ新作デカール

 レインボウエッグからウェーブ製1/20 A8/R8と1/20クレーテなどの無人兵器に対応したデカールが発売。詳細は(http://blog.rainbow-egg.net/)まで。

1/20 A8/R8用デカール、1/20 シュトラール軍無人兵器用デカール

●発売元/レインボウエッグ●各1540円、2月中旬予定●1/20●デカール

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© Kow Yokoyama 2023

MAX渡辺/横山宏/KATOOO(レインボウエッグ)

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