【史上最速レビュー!】「MODEROID ロボコップ2〈ケイン〉」をいち早く製作!
「ホビージャパンエクストラ Vol.28」より
2023.02.01
ホビージャパンエクストラ Vol.28
前作の大ヒットを受け、続編として1990年に公開された『ロボコップ2』は、監督、脚本ともにスタッフが一新。『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』で続編づくりには定評のあるアーヴィン・カーシュナーがメガホンを取り、自我に目覚めたマーフィ/ロボコップのその後の活躍を描く。その最大の敵役であるケインは、新型麻薬「ヌーク」密売組織のボスがロボコップとの戦いで重傷を負い、オムニ社のジュリエット・フォックス博士によって脳と脊髄を移植されたロボコップ2号。自身もヌーク中毒だが、その禁断症状とロボコップへの復讐心で暴走する。
ロボコップ2
●配給/オライオン・ピクチャーズ、ワーナー・ブラザーズ
●1990年6月22日公開、117分
●アメリカ作品
2023年3月リリースのブランニューキットをいち早く製作!
「HAGANE WORKS ロボコップ」や「MODEROID ED-209」と同じスケールでキットされる「MODEROID ロボコップ2〈ケイン〉」。ED-209にも負けず劣らずのビッグボディを全高約22㎝の大ボリュームで立体化した本作は、各関節はもちろん、2本の副腕、パーツ差し替えによる頭部モニターの展開、腹部ハッチの開閉の再現など、劇中のさまざまなシーンを再現できる。史上最速レビューとなる作例は、キットの素性を活かしつつ、成型の都合でオミットされた部分などを別素材に置き換えてディテールアップしている。
MODEROID『ロボコップ』シリーズの最新作は、ED-209に続いてロボコップ2号ケインです。ED-209と同じくフィル・ティペット氏の得意とするストップモーション・アニメが印象的でした。
本作例ではキットの素性を活かしつつ、さまざまなアプローチでディテールアップを行い、解像度を上げていきたいと思います。
まず機体各所のモールドなどはよく再現されているのですが、どうしても成型の都合などによる肉抜き穴が見受けられます。こちらはエポパテを充填して埋めています。特に指先(?)は目立つ部分なので、関節にマイナスモールドの市販パーツを貼り付けて、ディテールとしての説得力を高めてやるとよいでしょう。
次にケーブル類もパーツにモールドされている部分は基部を残していったん切り落とし、メッシュケーブルやリード線を、太さに応じて選んで付け替えています。特に左胸~左肩に露出している部分は丁寧に塗り分けることで、材質の変化と相まって質感がぐんと上がるので効果的です。右腕のケーブルはキットの説明をいったん無視して、フィル・ティペット氏の工房に保管されていたプロップの写真を参考に配線をし直しています。背中の太いケーブル(脊髄)はUSBの延長ケーブルがぴったりの太さだったので、外側に手で伸ばしたスプリングを被せてモールディングしています。劇中では最後に引っこ抜かれて脳を潰されるシーンが印象的ですよね?
ロボコップのヘルメットに傷をつける副腕のトーチはメタリックオレンジの差し色が映えるパーツなので、プラ板で箱組みでベースを作り、銅線を巻いてコイル状のブロックを作り見映えをよくしています。また、ガトリングの砲身もプラ材を駆使して独立した6本砲身に改修しています。
他にも極小のマイナスネジやイモネジを駆使して、可動部と思しき部分にモールドと金属感を与え、腰部のシリンダー基部にもハイキューパーツのGLEPを使ってデコレートをしています。
塗装はガイアカラーのEx-シルバーとガンメタルで塗り分け、その後にMr.ウェザリングカラーのマルチブラックでウォッシング。今回のスケールでは金属パーツはウォッシングを施すだけで塗装しないほうがらしいと判断、素材の色そのままで使いました。逆にガンメタルのパーツは、ガイアカラーのピンポイントシルバーを細筆でチッピング。エッジが強調されて劇中の雰囲気が出るのではないでしょうか? 我ながら先の金属パーツと塗装の組み合わせがちょうど良いアクセントになって気に入っています。
HAGANE WORKS ロボコップやED-209とスケールが統一されていますので、これらを組み合わせたディオラマ作例なんかも今後期待できますね~。
グッドスマイルカンパニー ノンスケール プラスチックキット“MODEROID”
ロボコップ2〈ケイン〉
製作・文/コジマ大隊長
MODEROID ロボコップ2〈ケイン〉
●発売元/グッドスマイルカンパニー●9800円、3月予定●約22㎝●プラキット
いかがでしたか。こちらの「ロボコップ2〈ケイン〉」は現在好評発売中の「ホビージャパンエクストラ Vol.28」でもご覧いただけます! 今回の特集は「SFムービーメカの世界」と題し、現実には存在しない想像力溢れるメカニックたちが活躍するSF作品を数多くピックアップ。プロモデラーが作り上げた珠玉の単品作例、ディオラマ、様々な名場面を特撮カットでご覧いただけます!
多くの人を魅了するSFムービーメカプラキットの魅力が詰まった「ホビージャパンエクストラ Vol.28」をぜひお手に取ってみてください!
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コジマ大隊長(コジマダイタイチョウ)
セミスクラッチやディテールアップ、ウェザリング塗装など、あらゆる手法に精通するベテラン。